自家発電で食物作り

数日前、トヨタ関連のセントラル栗原工場で天然ガス自家発電の廃熱を使いパプリカ栽培をしている、という件を紹介した。ど
んなことをやっているのか全く理解出来なかったので取材してみたら、実に興味深い。久々のクリーンヒットだと感心しきり。トヨタもたまには素晴らしいことをするもんだ。紹介しよう。

パプリカは現在93%を輸入に頼っており、今回のプロジェクトでも生産農家にほぼ影響を与えない。というか、
そいう作物を選んだそうな。しかも新鮮で洗わず食べられるため食味が素晴らしいとのこと。すでに黒字ベースになっているというから驚く。日本で生産しても安価な海外産とコスト競争出来るのだった。

また、自家発電機から出る二酸化炭素を有効利用している。パプリカに二酸化炭素濃度の高い空気を送ってやると、活性化、食味が増すというから面白い。同時に地元に貴重な雇用も創出した。女性を中心に若い人からベテランまで、1拠点で50人ほど採用しているのだとか。東北の復興に役立つ。

もっと感心するのはコージェネで確保できる電力量。フル稼働させれば工場で使う電力の90%をカ
バー出来るのだという(普段は3分の1をメンテに当てる)。パプリカ生産農場分で使う熱効率まで考えれば76,5%というので、電力会社の最新型コンバインドサイクルガスタービン発電機より効率よい。

自前の電力を安定的に確保でき、作物で利益上げられ、雇用を産み出し、食料の自給率も上げられるという100点のプロジェクトなのである。日本中の工場がこういったコンセプトで農場を隣接させていけば電力不足が可決するだけでなく、多くの人の幸せをもたらす。誰が考えたのか解らないけれど素晴らしい!

・ECOカーアジアは「中国はハイブリッドじゃダメ

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4 Responses to “自家発電で食物作り”

  1. 那須与一 より:

    企業は利潤の為に地球を食い尽くすのをやめない。と信じている私は、このようなトヨタの動き、そしてビジネスとして成り立っていることに、未だ懐疑の想いを持っているのは、政府と一緒で企業を信用していない証拠です。
    けど、これが事実なら(事実ですけど)トヨタの姿勢は地球と共存できる経済が成り立つのでは?と期待してしまいますね!

  2. 小林 英弘 より:

    素晴らしいですね。何より「すでに黒字ベースになっている」というのが驚きですね! 最近は暗いニュースが多いですから、こういう明るいニュースは嬉しいですね! これが更にメジャーな野菜類に広がっていくといいですね!

  3. 買取屋 より:

    なるほど〜トータルでムダ無く〜生産効率を上げる事に関しては正にトヨタのお家芸ですね…何度も雑巾を絞り切るように改善を重ねて…関連する中部国際空港の評価も世界ベスト10入り〜羽田や成田にも勝っているらしいですね〜異業種に転用しても運営からサービス、生産性にかけて優秀なんですね。企業のお手本のようですが…最近のトヨタ車に関しては…?電池以外は生産性、品質は最高なんでしょうけど…?時代と流行〜後はセンスの問題?昔のトヨタは〜もっと訴求力の有る画期的なクルマが多かったような気がします…初めてTVが付いたクラウンとかソアラ、ガルウィングのセラ、流面系セリカ、初代カリーナED、MR-2、初代ハリアーや初代ヴィッツ、初代プリウス等々…出た時はタマげましたが世界的に波及したジャンルもあるのに〜今は似たようモノばかり…今の社長さんはそこを認識しているようだけど〜取りあえず生産性と利益率を最優先か…?環境や燃費も大事ですが〜昔のように楽しくて思い切ったクルマ作りを期待するのは酷でしょうか…?そう言えば〜昔はパブリカって車も作ってましたね…

  4. アミーゴ5号 より:

    本当に素晴らしい取り組みだと思います。
    さすがトヨタ!工場と畑の共生なんて、しびれまくります!ついでに工場の余熱で銭湯も・・・。
    ^_^)/▼☆▼
    家庭用に「コジェネ+家庭菜園」セットが販売されたら面白いかも。
    それにつけても、家庭でも「太陽光+バッテリー」に小型のコジェネがあれば、国沢さんの言われる通り、電力の自給自足が本当に可能になりますね。
    電力市場の新規開拓は、経済効果もあるし、何より面白いですね。

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