海水からガソリン

アメリカ海軍は水から航空燃料を作り出すことに成功し、すでに航空機を飛ばしたという。あまりに突飛なニュースなのでエイプリルフールネタかと思いきや、どうやらホントのことらしい。調べてみると2年くらい前からゴニュゴニョ機密で稼働していたようだ。ウワサも出ている。やはり火の無いトコロに煙は立たない。

報道より少し深く突っ込んでみたい。まずコンセプトは原子力空母での継続的な戦闘のための技術である。御存知の通り原子力空母の燃料補給についちゃ25年毎とも言われているのに対し、搭載している航空機用の燃料はすぐ無くなってしまう。そして前線への補給に驚くほど大きなコストが掛かるのだった。

明確な資料はないけれど、1リッターあたり1000円にも達するらしい。もし海水から炭化水素(例えば灯油)を1000円以下で作り出せるなら、理想的な作戦を行えることだろう。というコンセプトで開発がスタートしている。ちなみにエネルギー限は、いくらでも作り出すことが可能な空母搭載の原子炉から供給さ れます。

海水に含まれている酸素と水素、炭素(二酸化炭素)を合成反応させれば、炭化水素は作れてしまう。アメリカ海軍の想定コストは 10年後で160円/Lくらいだというから(最終目標80円/L)、石油の代替になる可能性を持つ。もちろん電気は原発に限らず、民生用なら離島や海上の 風力発電や砂漠の太陽光でOK。

燃料電池用の水素は離島や砂漠の電力で作っても運べなかった。けれど炭化水素(ガソリンや灯油)であれば低コストかつ容易に運ぶことが出来る。しかも二酸化炭素から作れるため、地球温暖化ガス(笑)もリサイクルということになります。50年後は案外普通のエネルギーになっているかもしれません。

そうそう。同じく離島や砂漠で発電した電力使ってナトリウムを作るという案も出ている。ナトリウムは水を掛けると水素を発生するから、そいつで燃料電池の稼働が出来る。300km走るための水素は5kgのナトリウムで足りる。巨大な水素タンクを積むより現実的だと思う。技術ってオモシロイです。

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