松下宏の食べ歩き・東京押上/知る人ぞ知るスパイスの効いた独特のカレー

押上の駅から徒歩15分という決して便利とはいえない立地にあるのが、知る人ぞ知るカレー専門店の「スパイス・カフェ」。先日、久々に出向きました。店構えからして個性的で、1960年に建てられた木造アパートをリノベーションしてカレー店にしています。古アパートの建物には蔦や草が絡まっていて、風情があるというか廃屋に近いようなイメージでもあります。
 
 
料理はインド系のスパイスをベースにしながらも、日本人の味覚に合ったカレーに仕上げて提供する独特のものです。開業は2003年で、2012年には食べログのカレー部門で全国1位になったほか、過去に二度、ミシュランのビブグルマンに選ばれています。私は15年くらい前に都内のカレー店巡りをしていた時代に一度訪問したことがあり、今回はPayPay30%還元店のリストに載っていたのを見て思い出し、近くに用事があったついでに再訪しました。
 
 
店の前で写真を撮ろうとiPhoneを構えたら、歩行者が向かってきたのでその人が通りすぎるまで待とうと思いました。そうしたら何とその人はスパイスカフェに入っていくではありませんか。さらに店に入りそうな2人連れも歩いて来るので、写真を撮る前に店に入ることにしました。
 
 
行列は先に入られてしまった1人を含めて3人だけで私は4人目でしたが、3人までは待つこともないくらいに入れたのに、私が入れたのは10分ほど後でした。人生にツイてないパターンの典型的な例です。それでも、食べ終わって帰るときには、昼飯時を過ぎた1時半くらいだったというのに、20人近い行列になっていました。10分待ちくらいで入れたのは良しとすべきでしょう。
 
 
メニューはシンプルなもので、カレー1種が1200円、2種だと1500円です。ライスと副菜4種、デザート、ドリンクまで付きます。カレーは8種類が用意されていて、その中から1種か2種を選びます。私は2種1500円を選択し、カレーは海老とポークを選びました。カレーはほかに豆、ラム、チキン2種類、ココナツ、カキなどが用意されていました。日替わりで入れ替わるものもあるようです。
 
 
ご飯は4種類の副菜を乗せて提供されました。キャベツ系、玉ねぎ系、チンゲン菜、ポテトが乗っています。それぞれ手が加えられて独特の味がついていました。カレーは写真の左側が海老、右側がポークで、海老は出汁の効いた感じで海老の旨味に溢れています。これはスリランカ風とのことでした。ポークは黒酢の効いた辛口で、けっこうな辛さがおいしく感じられます。
 
 
スパイス・カフェの名前が示すように、どちらもスパイスがしっかり効いていているのが分かります。デザートはマンゴープリン、ドリンクは紅茶を選択しました。紅茶は色が濃くて珈琲のように見えます。これで1500円というのはリーズナブルでしょう。立地が良くて行きやすい店であるなら、ときどき通いたくなる店です。夜はカレーを含めた5000円のお任せコースのみの設定ということです。<松下宏>

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1 Responses to “松下宏の食べ歩き・東京押上/知る人ぞ知るスパイスの効いた独特のカレー”

  1. z151 サンバー愛好者 より:

    カレーで思い出すのは中村橋に住んでいた頃隣駅の富士見台にあった「香菜軒」さんというカレー屋さんです。
    今は引っ越して鎌倉で営業されているみたいです。
    精々二組が入店すれば「満席です」と言われてしまうような狭い店内で、インドカレーといえば付き物のナンもなし。
    ヴィーガンの人も食べられるメニューコースなので、ほぼ野菜(エビや肉のカレーにも替えられます)なのですが、その野菜がどれも美味しくて、例えれば「血が綺麗になるようなカレー」。
    不定休な上「満席です」だとくいっぱぐれるので、要予約のお店ですが、落ち着いてしみじみと美味しいカレーを堪能するなら間違いなく1番に挙げられると思います。

    そうそう、富士見台の商店街って普通の商店街なのですが、半年先まで予約が取れない個人経営の焼き肉屋とか、小ぶりのフカヒレが7個も入ったフカヒレ冷やし中華とか「こんな凄い店が何故?」という密度で存在した不思議な街でした。

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