アメリカ、原油に価値がなくなることを考えている? 採掘量マックスになってます!
世界最大の産油国は? と聞かれたら、多くの人は「サウジアラビア」と答えるだろう。しかし今や世界一の産油国はアメリカである。7月の産油量は過去最高レベルになった。下はJETRO調べの2022年の日あたりの採掘量。OPECの減産を横目に、今年に入って一段と気合いが入ってます。アメリカの産油量拡大を報じるメディアもあるけれど、事実を述べるだけ。理由は?
- 米国:日量1,777万バレル(世界シェア18.9%)
- サウジアラビア:日量1,214万バレル(同12.9%)
- ロシア:日量1,120万バレル(同11.9%)
- カナダ:日量558万バレル(同5.9%)
- イラク:日量452万バレル(同4.8%)
- 中国:日量411万バレル(同4.4%)
- アラブ首長国連邦(UAE):日量402万バレル(同4.3%)
- イラン:日量382万バレル(同4.1%)
- ブラジル:日量311万バレル(同3.3%)
- クウェート:日量303万バレル(同3.2%)
どうやら遠からず原油に価値がなくなることを想定し「今のウチに儲けてやれ!」になっているようなのだ。そらそうだ「カーボンニュートラル=原油使うな」ですから。もちろん少量の原油はニーズあるだろうけれど、今の10分の1以下になること確実。そうなったら完全に供給量がオーバーフローし、穴掘ったら石油出てくる国のみビジネスとして成り立つレベルの価格になる。
中国の海洋油田開発もコスト高で意味なし 写真/人民網
原油が安くなると採掘コストの掛かるアメリカは勝負にならない。だったら原油相場高いウチにガンガン掘っとけって話しです。逆説的に考えたら「原油の将来は暗い」とアメリカは考えているワケ。原油が将来も高い価値を持つのなら、アメリカだって温存する。アメリカ、原油の将来を見切った。西側はホンキで原油に頼らない社会を作ろうとしていると考えるべきかと。
これ、興味深いです。OPECが原油の採掘量を絞って相場を上げた結果、アメリカ大もうけといった図式。おそらくカナダもアメリカと同じで今のうちに稼いでおく作戦だと思う。中東諸国どうする? 一番良いチョイスだと思うのは、日本との関係を太くして石油が価値を失っても生き延びれるような新しい技術開発をすることだと思う。再生可能エネルギー使ったアルミ精製など。
最悪のチョイスは中国などに安い価格で原油を売ること。それやっても中国だって脱原油政策を続けている。そもそも中国とくっついたら世界中から叩かれるだけ。中東の評価はさらに落ちる。このままだと中東は貧困な地域になってしまう。サウジアラビアやUAE、イラン、クウェートなどが主導して次の世界のエネルギー構造に見合った産業を興さないとならない。
スタートするなら今です。3年後に気づいても遅い。
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中東の産油国、苦々しいと思っても自業自得ですからね。価格の操作ができても売り上げはアメリカと折半みたいな感じでしょうか。
アメリカは原油という切り札をうまく使っているようですね。あまり、いい感じはしませんが。あとはロシアに負けないようにと言うのがあるのでしょうかね・・。
お疲れ様です。自分の認識としてはトランプさんが石油を増産し価格を下げてくれたのに、バイデンになって出し渋りをし、ウクライナの件でヨーロッパはロシアの代わりにアメリカから輸入することに。現時点で採掘量はトランプさん時代と同じ水準。まだまだ増産できる余力があるのかと。中国はロシアから石油を安く購入し、付加価値(蓄電池、太陽光パネル)を付けて日本、ヨーロッパに売る。狙うは尖閣、九州か。