アメリカ、ZEV規制撤廃へ動き出す? 日本の自動車産業に激震!

ちゃぶ台返し上等のトランプ大統領は、本格的にZEV規制(一定の台数の電気自動車やPHVを売らなければならない法規)の撤廃を指示したらしい。日本のEVやPHVは全てアメリカのZEV規制クリアのためのもの。法規そのものが無くなれば、リーフもクラリティもヘチマもナスも不要になります。そんな状況になるのか? ZEV規制の生い立ちを考えば無くてもいいと思える。

ZEVはスモッグや光化学スモッグに悩まされたLAの大気汚染から始まった。当時の加州大気資源局(CARB)は排気ガスのクリーン化だけじゃ追いつかず、排気ガスを全く出さない車両を増やさないとダメだと考えたワケ。されど今や大気と同等の汚染物質しか出さないエンジンも出ている一方、EVも火力発電の電気を使う。CARBの意地のような状況だったかもしれない。

クラリティPHEVもZEV対応のための車種

素直に考えるなら現在アメリカで最も妥当な乗用車用のパワーユニットはCNG(圧縮天然ガス)である。大量に採れる上、パイプラインで簡単に運べます。キチンと精製したCNGなら燃やしても排気ガスは超クリーン。LAの大気汚染だって全く問題ないレベルにまでクリーン化出来ることだろう。予備のガソリンタンクを載せておけば、CNGが無くなってもガソリンで走れます。

現在日本の自動車メーカーの電動化技術は基本的にアメリカを向いている。中国はエネルギー問題により電動化技術が進むけれど、車体だけでなく電池も中国で生産しなければ販売出来ないため基本的にアウェイの勝負になってしまう(中国の企業から買う電池はきっと高い)。利幅少なく、本腰を入れた対応をしてメリットあるか考えなければなるまい。

中国の電気自動車はエネルギー問題のため不変

ヨーロッパ市場も排気ガス問題で電動化技術が必要ながら、アメリカ向けに開発したZEV規制対応技術を投入する予定だった。なんたって欧州市場の場合、トヨタですら欧州市場向けユーロ6に対応するディーゼルエンジンの開発予算を確保ずBMWから購入。日産はルノーのエンジンを搭載。マツダのみディーゼルを開発したけれど、期待に反し販売台数は伸び悩む。

欧州市場のため電動化技術を開発するだけの予算など確保出来ないだろう。ということで我が国の自動車産業は、アメリカZERVが撤廃されたら電動化技術のスポンサーを失うことになる。現在CARBはトランプ大統領に反対しているようだけれど、前述の通りZEVの意味合いは薄れた。アメリカのユーザー自体、少しでもガソリン相場が下がれば電動化技術など無視します。

とはいえエネルギー問題を考えたら電動化技術は絶対に必要だと考える。このあたりのハンドリングをどうするのか、各社の対応に注目したい。

 

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ