一酸化炭素中毒で死亡する人は年間1500人くらいだという。車内に限れば数人か?

22日に一酸化炭素中毒のことを書いた。するとサポーター掲示板の方でも話題になり「どうやら私の伝えたいことが解って頂けない可能性ありますね」。私の主張は「危険なのは大手メディアが取り上げる一酸化炭素だけじゃなく二酸化炭素も同じ。エンジン止めたら一酸化炭素中毒にならず安全だということにならないので換気しましょう」だ。実際、二酸化炭素濃度上がると危ない。

参考までに書いておくと、大気中の二酸化炭素濃度は400ppm程度。通常の車内で1000ppm程度。これが室内循環にして走行していると5000ppmくらいになる。これ、換気の悪いオフィスの濃度で、あまり好ましくないものの健康上の問題無し。ただ1万ppm(1%ですね)くらいになると影響が出始め、7%以上で死亡に至る。雪で密閉されてしまえば、地下に埋められた箱状態だ。

もっと言えば密閉された空間になると酸素濃度だって大きな課題。人間は酸素20.9%が基準。18%になると症状出始め、14%を下回ったら危険になる。エンジン止めた状況であっても雪に密閉された空間で寝てしまえば二酸化炭素濃度も酸素濃度も相当厳しい。実際はJAFのテストのようにクルマが全て埋まってしまうようなケースって雪崩に飲み込まれた時を除けばほぼ無い。

だからこそ大雪の中、何千台規模で10時間以上クルマの中に閉じ込められる状況は毎年のように発生しているが、通常だと死者は出ないです。いろんな場所から外気は入ってくる。エンジンだって掛かっていれば熱源になるため、密閉状態にならない。今回亡くなられた2名の状況を単純な一酸化炭素中毒だと決めつけず、様々な方向から考察することが大切だと私は考える。

ちなみに整備不良の車両などは死に至る濃度の一酸化炭素を排出するケースがある。先日サンバーの車検を取った際、前の低年式サンバーは5%もの一酸化炭素を出していた。こんな排気ガスを吸ったらあっと言う間だ。したがって当然ながら一酸化炭素中毒での死亡だってありうる。個人的にはホンの少しでいいから窓を開け、エンジン停止で寝袋や毛布を使うのがいいと思う。

自動車車内での一酸化炭素中毒死について

車内より危険なのは室内の暖房。練炭などを室内の熱源に使っていた時代は家屋の構造も隙間だらけで問題無かった。室内で燃やす石油ストーブも同じ。こういった暖房器具には完全燃焼させるための空燃比を判定するO2センサーも無ければ、有毒物質を還元する触媒だってついていない。現代の密閉率の高い家屋で使うと危険性ある。年間の一酸化炭素中毒死者数は1500人前後とのこと。

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One Response to “一酸化炭素中毒で死亡する人は年間1500人くらいだという。車内に限れば数人か?”

  1. 原 慎也 より:

    石油ストーブにも触媒(酸化触媒?)付きでCO排出を防止しているものもあります。リンク先の7ページ目参照
    https://aladdin-aic.com/web-contents/wp-content/uploads/2018/03/BF39113912.pdf
    こういう製品を選べば、多少はCO中毒防止になりそうですね。

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