円安で生産のUターンが始まっているけれど今や外国製部品の方が日本製より良質になってきた?

高品質な自動車を生産しようとすれば高品質な部品が必要になってくる。しかも現代の高品質な部品って手作りじゃない。それなりの工作機械で作らなくちゃならないのだけれど、これが滅法高いのだった。かつて本田宗一郎さんは「ホンダが買った高価な工作機械はホンダが潰れても日本に残るじゃないか」と言った。現代の工作機械、さらに高価なモノになってます。

写真/honda

台湾の企業が日本に半導体工場を作る。多くの日本人は「日本の企業が作ればいいのでは?」と思うことだろう。されど最新鋭の半導体工場を作るとなれば、かなりの規模の投資を必要とする。その投資を決断出来ないのだった。台湾の企業からすれば、工作機械は日本製。世界規模で数社しか作っていない素材の工場も基本的に日本。これほど恵まれた立地など無い。

なぜ日本の企業が日本で生産しないのかといえば簡単。日本政府を信用出来ないからだ。御存知の通り完成車について言えば、アメリカや欧州ですら関税を取られ、様々な制約も掛けられる。欧米以外の国や地域に輸出しようとしても、事実上の禁輸措置に近いような100%とか200%という高額の罰則的関税を掛けられるため現地生産しかない。部品だって関税が必要。

FYは中国フヤオ。JIS規格

慢性的な半導体不足を解消すべく日本に半導体工場を作っても、使っているエネルギーの二酸化炭素排出量が多ければ遠からず輸出出来なくなってしまう。前述の通り良質の自動車部品を作ろうとすれば工作機械を買うため相当の投資が必要。その投資、ムダになってしまうリスクを抱える。だったら安定感のある海外に投資し、そこから調達すればいい。

実際、工作精度が必要な自動車部品は、もはや日本より海外の方が優良かつ安価。古い旋盤を使いベテランにより作られるような部品も、中国なら当たり前のように導入している日本の最先端技術を投入したNC旋盤で大量生産出来てしまう。円安により産業のUターンが話題にあがるけれど、家内制手工業の類いならそれも可能だろう。でも巨額の投資が必要な部品は難しい。

高価な日本製電池を使っている限り安くならない?

自動車産業からすると、簡単に言えば日本は「投資出来ない国」になったということ。トヨタなどは日本の生産台数300万台をキープすると頑張っているけれど、ここにきて部品調達のカベが徐々に高くなっているそうな。電動化車両に必要な電池だって負けが濃厚になってきた。そもそも海外で販売する電気自動車の電池は全て海外調達ですから。

だったら日本で大量生産すればいいじゃないか、と思うだろうけれど、政治が弱いため事実上輸出出来ない。我が国の政治は「皆さんにお金をばらまくから1票くださいね」というスタンス。それに乗っかる国民が多いのだから同レベルかもしれません。世界的に見ると日本は過疎地になりつつある。元気のある人は海外に軸足を移し『ふるさと納税』してください。

参院選の主張を見ると日本人はクレクレタコラになっちゃったみたいだ。

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