岡山県で起きた横断歩道事故、日産やスバルやマツダなら止まれたと思う

痛ましい事故が岡山県総社市で起きた。青信号で横断中の女性2人と女児2人に信号無視のクルマが突っ込み、女性1名と女児1名は意識不明の重態だという。2つの意味で残念です。まず以前から書いてきている通りダイハツの自動ブレーキ、比較的新しい車種にもかかわらず(2019年11月発売のライズ)10年前の性能レベルでしかない。下はJNCAPのデータ。

見通しの良い条件の歩行者ですら35km/hから止まるのがやっと。歩行者(2)は子供ダミーなのだけれど、全く止まれずハネてしまっている。右下の2つは車両の陰から歩いて出てくる試験。これまた止まれずハネ飛ばしてしまった。ちなみに下は2017年発売のスバルXV。アイサイトとして考えたら旧世代に属す。それでも見通しのよい状況だと60km/hから停止可能。

子供ダミーやクルマの陰から出てくる歩行者に対する自動ブレーキもキッチリ効いている。ヤリスやヤリスクロスに付いているトヨタ開発の自動ブレーキ性能は非常に高く、今回のようなケースならドライバーが赤信号を認知出来ず横断歩道に差し掛かっても、おそらく自動停止出来たと思われます。もしライズをトヨタ車と同じ安全性だと思って買ったのなら大きな課題だ。

ダイハツに対し何度も自動ブレーキの重要性を考えて欲しいと言い続けているが、真摯な返事無し。せめてトヨタで販売している低性能自動ブレーキ付きダイハツ車は安全性で劣る”セカンドブランド”として扱うべきだと思う。これがロッキーであれば買う方もコスト優先をDNAとするダイハツを選んでいるから仕方ない。されどトヨタのエンブレム付けて売ったらアカン。

2つ目は国交省に対する不満。赤信号を認識しての制御。新型車のカメラ付き自動ブレーキなら全て可能。急ブレーキ制御までは難しいかもしれないが、アクセルオフくらいなら出来ると思う。次のステップとして自動ブレーキ稼働すれば一段と安全になる。けれど国交省は赤信号を認識しての制御を認可しない。その間、赤信号無視による痛ましい人身事故は無くならないです。

国交省も警察も、ロジカルに事故を防止しようという気持ちが薄い。軽井沢のスキーバス事故も、専門家に聞けば皆さん「エア回路の凍結が怪しい」。これを防ぐには1)エア回路の凍結防止装置が壊れた時のコーション機能を付ける。2)登り坂から下り坂に差し掛かるときは必ず試しブレーキ踏む。3)バスには別回路の停止装置を設ける、等々事故防止策が必要だと思う。

残念なことに警察はそういった反省や対応、検証を全くしておらずドライバーの技量不足で終わらせてしまった。事故に遭ったらロシアンルーレットで負けたと思うしかない? 人間のミスを100%防ぐことは難しい。せめて次に買うクルマは可能な限り優れた自動ブレーキ性能を持つ車種にして欲しいと思う。現在付いていないクルマに乗っているなら、次はぜひ付いているクルマを。

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