後輪2軸大型トラックの左後ろ輪の脱落事故が今年も発生。国交省、抜本的な対策に興味無し

後輪2軸タイプの大型トラックで左後ろ側の脱輪事故が発生。人に当たって亡くなった。左後輪脱落事故については以前も取り上げている。国会議員に対策を御願いしに行き、国交省の役人も「本格的な対応を考えます」となったけれど、一番熱心な日野自動車が会社の土台を揺るがすような不正事件発覚となり、そのままだった案件です。国交省、抜本的な対策しておらず。

この件、明らかに国交省がISO規格のナットを使うようになって頻発している。JIS規格時代は右側輪が時計回りのネジ山で、左後輪に緩みにくい回転方向となる逆ネジをを採用していた。詳しくは「左後輪が脱落しやすい件」で。なのに国交省によってISO規格が導入され、無策だった。本来なら導入時、欧州のような「同じISO規格を使う欧州の対策」に代表される対策をすべき。

欧州は一目で緩みの解るキャップを採用

国交省が何の対策もしなかったため、動きは鈍い。現時点で国交省の主張は「ボルトの錆が原因。締め付け不足。整備の問題」の一点張り。キチンと締めれば脱落しないと言い切る。それでも脱落事故は発生しているのに責任を感じていないようだ。日野自動車が独自で対策を打ってくれば評価も高まるだろうに、残念ながら国交省を否定するようなことはできない?

先日、ボルトを作っているメイドーという企業の工場を見学したのだけれど、その際「緩まないナットはないんですか?」と聞いたらあるという。少し特殊な構造とのこと。原因は解っており、その対策を行えていない。トラック業界、官も民も乗用車業界の常識や正義とは違うらしい。もっと悲惨な事故が起きない限り、大型トラックの左後輪脱落事故は続くだろう。悲しい。

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7 Responses to “後輪2軸大型トラックの左後ろ輪の脱落事故が今年も発生。国交省、抜本的な対策に興味無し”

  1. 二級人 より:

    日本の技術力の低下を感じるのは私だけでしょうか。そもそも高度な技術力があるかどうかにも疑問符が付きますが。
    左側のタイヤのナットには左回りの回転トルクがかかるのは当然で、くさび構造が無くなったことで締結力も落ちているのではないですか。

    想定外の問題に対応する時に技術力とマネジメント力が問われます。前もってFMEAなどで想定外の問題をつぶしておくのが必要なのに。全く問題ないなどと主観的なことばかり言っていては前に進みません。犠牲者が出ているんだから真剣にやって欲しいですね。

  2. 薫くん より:

    国土交通省の大臣が自動車に興味ないのでしょう。

  3. 薫くん より:

    国土交通省は、ホイール・ナットへのマーキングや「ホイールナットマーカー」を推薦しているようです。

  4. アミーゴ5号リボーン より:

    国際規格のISOを大義名分としているから、腰抜け政府は動かないでしょう。

    自工会の新会長は、確かいすゞの方。自主規制でもなんでも良いから、業界で可及的速やかに動くべき。

    悪いけどこの案件は、モビリティショーの100万人突破とか、毎年開催とかの目標とは、比較にならない。

  5. コテツ より:

    本当に、システムやちょっとした工夫で十分に防げる事。こんな命に関わる事を、整備士のせいにするなんて…。ヒューマンエラーは必ず起こります。縦割りで生き抜くことに脳のリソースの大半を割いている役人には、難しいか…。

  6. SaTo より:

    欧州のような物理的な対策をするかJISネジに戻すか?
    物流大手や流通大手はもっと連携・対策し、信用を取り戻してほしいものですね。

  7. J より:

    構造的に問題があるのに対策取らず、日本の役所は精神論だけで押し通そうとする。
    問題が起こると、末端の扱い方が悪いと個人の過失とする。
    旧日本軍と同じです。

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