日本勢、一年後にやってくるBYDの軽自動車ショックに耐える準備は出来ているだろうか?

BYDが来年秋に軽電気自動車を日本で発売すると自社サイトに告知している。早ければ10月のJMSでプロトタイプを発表するんじゃないかと言われている。価格は200万円を切る可能性大。Aセグに属すシーガルを東南アジアで『ATTO1』として売っているのだけれど、おおよそ200万円。軽自動車バージョンはハイト系になるというので、全くの別物ですが。

シーガルはクルマの価格が日本より高い東南アジアで200万円

ストロングポイントは電池である。AESCの三元系リチウムを使う日産とホンダは調達コスト的に勝負できないくらい違うと思う。ダイハツはCATLのLFPだからして、相手がBYDとなれば戦略的な調達コストを出してくれる可能性ある。ただBYDはLFPより安価なナトリウム電池を使ってくるかもしれない。ナトリウム電池、実用化されれば相当手強いです。

LFPと同じく燃えない。長寿命。そしてマイナス40度~プラス80度という驚くほどワイドな温度性能を持つ。LFP、低温性能が厳しいので冬場は予熱する。ナトリウム電池はLFPよりエネルギー密度低いものの、暑さに強いため密集して搭載出来る。シーガルのサイズでN-ONE e:と同等の30kWhを搭載出来るというから十分だ。ナトリウム電池なら200万円切りも見えてくる?

気になるのは「日本のユーザーがBYDを買うか?」という点だ。200万円なら買うと思う。実際、BYDは9月に独自の補助金を付ける販売戦略を導入したが、先週末のディーラー来場者数は3倍! 成約も増えているそうな。軽自動車の価格帯ならさらにハードルは引くなると思う。液晶TVや家電なども安い価格帯から中国や韓国ブランドが売れ始めた。安ければ売れる。

来年の電気自動車補助金は現時点で不明だし、国がBYDに対する補助金を国産勢より低くするかもしれない。ちなみに今年の場合、トヨタが90万円に対し、BYD35万円。軽自動車は日産が57万4千円。今年と同じ比率ならBYDは20万円くらいなので、40万円近いハンデを背負うことにはなる。BYDが200万円に設定しても、国産勢240万円なら補助金使うと同額だ。

同じ価格であれば日本の顧客は国産を選ぶ。ただ電気自動車補助金、縮小していくことになる。2027年にどうなるか? いずれにしろ国が守ってくれるとしても2026年度までだと考えるべきだろう。猶予は1年半だと思った方がいい。いよいよ黒船がやってくる!

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1 Responses to “日本勢、一年後にやってくるBYDの軽自動車ショックに耐える準備は出来ているだろうか?”

  1. アミーゴ5号リリボーン より:

    リン酸鉄、リチウム、そしてナトリウムと、それぞれ性能や特徴に一長一短があるのですね。

    ナトリウムは充電容量が低いのが弱点ながら、熱に強いからたくさん詰めるとは、目からウロコです。

    BYDの軽EVは驚異ですが、個人的にはアフターサービス面がブレーキになると感じています。

    いまや日本人の多くは、自分でバッテリーやタイヤ、ワイパーゴムの交換すらやらなくなった、というか、できなくなってしまった。

    客は店から言われたことを信じるしかないから、嘘八百&ボッタクリ上等のビックリモーターが、業界ナンバーワンとか言ってのさばったと解釈しています。

    逆にいうと、手厚いサポートがなければ、ユーザーが付かないということ。BYDは右肩上がりのイケイケ会社だと、どこかの記事で読みました。まあ、売りっぱなしっぽいですよね。

    民間の整備場や町の整備屋さんでは、輸入EVの整備は扱えないだろうから、特に地方ほどBYDは苦戦すると思います。

    ただビックリモーター後継会社や日産ディーラーの整備部門が、BYD公認で整備を手掛けたら、相当手強いと妄想しております。

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