最新技術を使った水素エンジン登場! 相当のポテンシャルを持っている?

トヨタが、というかモリゾウさんが「これ面白かもね」と考えたのだろう。水素エンジンでレースをするという。発想の概念は私が電気自動車や燃料電池車でラリーに出ようと考えたのと同じだと思う。モリゾウさん「全日本何でもチャレンジ協会」の会員なのかもしれない。実際、可能性あると思う。先日行われた富士スピードウェイのシェイクダウンで、2分5秒くらいの性能が確認出来たという。

その速さで60kmくらい走れるそうな。水素搭載量は7,34kg。ガソリンなら10L分の重さです。つまりリッター6km走る計算。同じ重さの燃量だとガソリンの2倍くらい良い。将来的に液体水素を使えるようになったら50kg入れると300km走ってしまう。水素を燃料として使う可能性、大いにあると考える。といったことを認識させてくれた意義はとっても大きいんじゃなかろうか。

こうなると気になるのが「水素、燃料電池で使うのと比べてどうよ」ということ。従来型MIRAIで富士スピードウェイのレースデータをチェックしてみると、3kg使って40km走れるという水素消費量。ただラップは2分27秒程度。2分6秒で走ろうとすれば2倍近い出力が必要になるため、水素消費量も2倍に。50km走れば7kgになるため、水素を燃やすのと同じくらいになる。

水素エンジンのシェイクダウンで最も「う~ん!」なのが同じトヨタの燃料電池開発チームかもしれない。競技車両もさることながら、生涯走行距離200万kmにもなる大型トラックだと燃料電池スタックの耐久性の問題が出てくる。水素エンジンなら今までのエンジンと同じ寿命。航続距離は前述の液体水素を使うことで軽油と同等以上になる可能性大。

写真/ボルボトラックス

ディーゼルエンジンの代替として有望だと考えられてきた燃料電池ながら、水素エンジンという手強いライバルを持つことになった。ただし。メルセデス/ボルボトラックスも燃料電池を次世代パワーユニットに考えているようだ。燃料電池だって進化する。同じパワーを出すなら小型で軽量。何より静かだ。将来的にはディーゼルエンジンより安く作れるようになるだろう。

燃料電池のストロングポイントだってたくさんあります。同じトヨタで手強いライバルが出てきたことは、ワクチンのようなものだと考えたらいい。イキナリ外敵に攻められたら厳しい状況になるけれど、身内のライバルなら「抗体」も作りやすい。燃料電池の開発チーム、頑張りどころです。競技だと「魅力」になる音も、燃料電池なら静か。新型MIRAIに乗ってると超快適です。

 

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