来島海峡で沈んだ白虎、昨年就航した170mの無人フェリーです。通常のフェリーなら大惨事だった

驚いた。来島海峡で沈んだ『白虎』というフネ、カーフェリーなどに使われているRORO船で昨年6月に竣工したばかりの新船。全長170m×全幅26mだから比較的大きい(フェリーのサイズは航行上の自由度が大きい199mに抑えるケース多い)。一方、衝突したタンカー『蔚山パイニオア』、全長90m×全幅14mで半分くらいの大きさである。

白虎の写真/プリンス海運

沈んだフェリーが乗客をたくさん乗せた大阪や神戸と九州を結ぶ定期航路であれば(毎日12隻くらい通過している)大惨事になったことだろう。2時間40分で沈んだとなったら、その半分くらいの時間で横倒しになったと思う。救命ボートは片側しか下ろせない。フェリーに乗るときは救命胴衣の保管場所をしっかりチェックする習慣を付けることをすすめておきます。

事故の状況から考えると白虎の真横に蔚山パイオニアが”ほぼ全速”で衝突したようだ。衝突後の写真を見たら蔚山パイオニアの船首は完全に潰れており、一方球状船首(強固な構造です)のみ付き出たまま。下の写真は荷物を積んでいないため球状船首が見えているけれど、衝突時は酢酸を満載しており、赤く塗られたあたりまで沈んでいたと思われる。

蔚山パイオニアと同型船 写真/vesselfinder.com

おそらく水面下にあった球状船首が白虎の側面を突き破ってしまったのだろう。場所は機関室のあたりか? 行方不明になっている3人のうち、2人は機関員。2時間40分で沈んだくらいなので大量の水が噴き出し逃げ切れなかった可能性大。空間などあれば空気も残っている。海上保安庁は救出しようと頑張っているので良いニュースを期待したい。

満載すると船首は水面下になる 写真/vesselfinder.com

もう1人の行方不明者は船長。日本の船舶の場合、多くの船長が強い責任感を持っており、総員退船を命じた後、連絡が取れない2人を探していたのかもしれません。救助されることを願う。それにしてもなぜ横っ腹に突き破るほどの船速で衝突したのだろうか? 衝突事故発生は23時頃。狭くて潮の流れが速いとは言え毎日500隻くらいが航行している。

白虎の船内。ここは40フィートコンテナ20本と乗用車28台

むしろ危険な箇所だけに細心の注意を払う。レーダーだってあるし、航行灯も見える。全長90mの蔚山パイオニアなら進路変更だって短い時間で出来ることだろう。「見張りを全くしていなかった」としか思えない。白虎からすればまさか真横に突っ込んでくることなど想定していなかったろうし、気付いてから回避操船しても170mあればタイムラグあります。

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