アイドルストップの効果

アイドリングストップの効果について様々な意見が出始めている。新型スイフトはワゴンRと同じシステムを採用すればアイド
ルストッップ出来るのに今回は見送られた。ディーラーに行けば資料を見せてくれるフィットのマイナーチェンジでもアイドルストップ仕様の設定無し(ハイブ
リッドは除く)。

詳しい人に話を聞いてみたら、皆さん口を揃えて「あまり効果がないんです」。スイフトの場合、アイドルストップしても10・15モード燃費で1,5km/L程度しか伸びないのだという。実際、ワゴンRも1,5km/Lの差。アイドルストップしない冷間状態からスタートす
るJC08モードだと、さらに小差になる。

なぜか? 調べてみて驚いた。皆さんはアイドリング燃費を計算する際に使っている環境省データ
を参考にしているようだけれど、そこを見たら10分のアイドリングで140ccのガソリンを使うと書いてある。1時間なら840ccです。しかし! 例え
ばフィットのアイドリングって1時間たった300cc。

最近のクルマはアイドリング燃費を徹底的に減らしているのだった。10・15モー
ド燃費でエンジン止まっている時間は183秒-21秒(停止してからエンジン停止までを3秒とする。7回止まる)の162秒。したがってアイドルストップ
しても10・15モードでは13,5cc分しか節約出来ない。

さらにエンジン始動時は若干濃い目の燃料を吹くため、ホントに節約できるガソリン量としちゃ10ccを切ってしまう。また、筒内噴射システムを使うマツダのi-stopだと、始動時に必要な燃料は普通のシステムより若干多いと考えられます(データは未公表)。これまたマメにエンジン止めても効果薄いかと。

実際、すでに発売から1年以上経過しているi-stopながら、アクセラもビアンテも燃費良いというハナシをほとんど聞かない。特にエアコン使う夏場になると、極端にアイドルストップの時間は短くなってしまう。唯一頑張ったのがマーチ。8%以上の燃費改善を実現している。こら立派。

デメリットとして「バッテリー寿命の悪化」が上げられる。マーチだと大型バッテリーを搭載しており(ディーラー交換なら3万円+α。安く買えば2万円くらいか?)、ディーラーでは「3年くらいで交換になると思います」とアナウンスしているらしい。i-stopだと2個同時交換が必要。

なのに現時点でアイドリングストップは8〜10万円高。しかも効果測定は依然として難しい。人間の感性として「10%程度だと敏感な人でないと解らない。20%を越えれば誰でも解る」。このあたりが自動車メーカーがアイドスルトップ採用に踏み切れない理由になっているようだ。

未だアイドリングストップを出していないメーカーに聞くと「妥当な価格は標準車+2〜3万円高でしょう」。そう遠くない時期に安くなるかと。リーズナブルになったら購入を推奨しておく。

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2 Responses to “アイドルストップの効果”

  1. thomas より:

    高いコスト掛けてアイドルストップ車にするより、もっと大事な自動ストップ機能が必要です。
    例えば、上り坂道で停止したら発進するとき、MTでもATでも後ろに下がらないようにブレーキが掛かる。
    ドライバーが運転席から外に出たら、エンジンを自動停止、シフトはPに移動、さらに駐車ブレーキが掛かりクリーピングさせない。
    停止状態から発進させるとき、進行方向に衝突する物体があるときは、自動停止させる機能など。
    これらを実現させたあとのアイドリングストップ車ですね。

  2. かず より:

    やはりコストがまだ高いのですね〜。
    FF初代カリーナにあったアイドリング停止機能車から、約27年。
    トヨタでもそんな前からあっても未だにヴィッツと一部商用車に採用ですね。

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