アメリカの自動車関税、現在どうなっている? 今後の展開はいかに
トランプさんはカナダで開催されているG7を早退し帰ってしまった。石破首相と30分ほど会談したようだけれど、どうやら進展しなかったようだ。一方、アメリカの自動車関税は4月3日通関分より通常の2.5%に加え25%が上乗せされているため、日本の自動車メーカーは27.5%という関税を納付することになっている。1万ドル毎に2750ドル。145万円毎に40万円です。
3万ドル(435万円)のクルマだと120万円の関税だ。ただこのレベルだと大きな問題にならないと思う。というのも3年半前の為替は1ドル=110円。アメリカで販売しているクルマの大半が1ドル110円で利益出るように開発されている。3万ドルで110円なら330万円で利益出るワケ。これに120万円の関税を掛けられたって450万円。実質的なダメージは15万円くらいで済む。
いや、GMやフォードなども関税の影響出るため、すでに実質的な値上げを始めている。日本勢も値上げすることだろう。となれば実質的なダメージである15万円もカバー出来てしまう。円安で笑っちゃうくらい儲かっていたのが、2022年末と同じくらいの利幅になるだけ。よって急ぐ必要なし。石破さんもそのあたりを理解しているのだろう。のらくらやってる。
珍しく妥当な戦略です。ここにきてトランプさんも焦り始めたのだろう。「自動車は関税の上乗せだ!」とプレッシャーを掛けてきているものの、日本側は「トランプさんの言う非関税障壁を全部無くします」と主張しているようだ。現場レベルだと相手側も理解しているようなのだけれど、困ったことにアメリカ側がトランプさんとコミュニケーションできない(笑)。
そうこうしているウチ、トランプさんの足下が怪しくなってきている。関税問題で決着したの、イギリスだけ。中国すら流動的。カナダのG7では議題にも挙げられなかった。アメリカ国内じゃデモが勃発し、対応を誤れば内戦。13日からイスラエルとイランも戦争状態になっている。イスラエルから「助けろ」という強いプレッシャー掛かってることは容易に想像出来る。
というころでのらくら対応して時間を稼ぐのが一番かと。ただし利幅の少ないクルマ(マツダのラージなど)は値上げしないと赤字になる。メーカーによって「痛み」は違うと思う。
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