最も外貨を稼いでいる自動車産業の平均年収、トヨタですら上位に入ってこない。優秀な人は集まらないです

東洋経済オンラインが2022年の40歳の企業平均年収を推算し、500位までリストアップしている。自動車業界、どんなものだろうか? 日本で一番外貨を稼ぎ、我が国の国際収支に貢献しているトヨタは当然ながら上位に入っているだろうとベスト50をチェックしてみたら、あらまの無し! 外資系企業や商社、金融、不動産、コンサルティング企業のように大学卒の事務職中心の企業が上位入っていることは容易に想像出来た。

自動車産業のアピールのため重要なイベントです

それでも東京エレクトロンが20位に入っていたり、日本郵船が34位だったり鹿島が38位だったりすることを考えたら、50位内で不思議じゃない。「う~ん」と思いながら100位までを見る。このあたりからサントリー、味の素、東京汽船(あまり知名度が高くないですね)、バルミューダ、岩谷産業など入ってくるものの、トヨタ無し! どうなっちゃってるの、と考えつつ101~150位を見ると、知らない企業がだいぶ増える。

トヨタ無し。自動車メーカー無し。ちなみにかつては高年収だった出版業界無し。マスメディアだとWOWOWが1033万円で50位。メディアの地盤沈下は年収にも現れている。そしてやっと151位にトヨタが入ってきた。平均年収852万円。次はどこかと思ったら263位で790万円の日産。3番手353位の豊田自動車織機。446位いすゞ。ギリギリ500位内の493位に730万円のホンダが入ったのみ。ちなみに日本の平均年収は460万円程度。

興味ある方は東洋経済オンラインへ

仕事は年収で選ぶべきだと思わないけれど、業績に見合った報酬はあってしかるべきだと考える。というか有能な人材を集めようとしたら、やはり100位くらいまでに入る年収は当然だと思う。業績に見合った収入でもいい。じゃないと仕事が出来る人は外資系や中国などにヘッドハンティングされちゃいます。仕事できない人との収入差、もはや絶対に必要。だから「何もしない方が出世できる」という日本の病巣は無くならない。

以上の内容を読んで「自動車メーカーは工場などの人も含むから」と知ったか一等賞の人も出てくるかと。その点は最初に説明してあるのでコメント書いて貰っても全て自動削除になっていると思う。加えて工場で平均を落としているなら事務職や開発部門は余裕で1000万円以上貰っているかとなれば、そんなこともない。問題の本質は「優れた人材を引きつける魅力」と「優れた人材を流出させない」ための給与を考えなくちゃならないということです。

ちなみに工場だって素晴らしい技能を持った人がいる。そういった人には技術流出を避けるためにもそれなりの待遇をするべき。先日トヨタの工場を見せて貰ったが、例えば匠の板金技術を持つ人なら、海外のライバル会社なら2~3倍。ヒストリックカーなどの板金をすれば(フェンダーなんか叩いて作っちゃいます)、5倍の収入だって不思議じゃない。逆に本社や開発部門にだって給料分の仕事をしてるとは思えない人がいます。

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8 Responses to “最も外貨を稼いでいる自動車産業の平均年収、トヨタですら上位に入ってこない。優秀な人は集まらないです”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    実は、「優秀な人」の定義が難しいと思います。

    カルロス・ゴーンは、それはそれは優秀だったが、最後は楽器ケースに入って国外逃亡してしまった。

    官僚も、それはそれは優秀だと思うが、いまや忖度まみれの宦官みたいになっちゃった。

    その昔、鉄鋼が花形産業だった頃、帝国大学の優秀な学生がこぞって入社。当時の自動車メーカーには、威勢の良い若者が集まったとか。

    いわゆる頭が良いというか、お勉強ができるというか、利にさとい口八丁な輩を優秀というなら、ちょっと違うと思うんです。また、土地やお金や情報を転がして儲ける人材と、物造りの人材は異なると感じます。

    特にトヨタは、ハートも大事にしているのだと感じます。さすがに、もう少し給料をあげても良い気はしますが。

    • ken より:

      ちょっと、違う話じゃないかと。あくまでも企業の採用の話しであり、企業としちゃ募集してくる中から選ぶしかないわけで(多少は違う形もあるかとは…)2流の中から選択すれば2流しか採用できないわけで。
      報酬とは社員への功績の対価でもあるが、人を引き寄せるための見せ金の意味もあるかと思います。まあ珠玉混合の多勢が集まってくるわけですから、それを選別するのは企業側の力量かとは思います。まあ低待遇のために中途での人材流出も有るかとは思いますが。

  2. natumenatuki より:

    ドイツや、イタリアの様に、職人芸の優遇制度を、
    考えないと、優秀な人材は、育たず、流出防止も難しい。
    役人やホワイトカラーは、お手盛りの名人ぞろいですが、職人芸の方々は、それが、苦手ですね。
    部下を持たなくても、管理職以上の、待遇をする、制度改革が必要です。
    以前も述べましたが、私の、S13シルビアの、美しさは、デザイナーではなくて、クレイモデラーの『職人芸』のたまものですが、残念ながら、手元の、開発の時の、特集号には、名前すら載ってません。

  3. トヨタ車ユーザー より:

    わかっちゃいるのですが、こういうの見ると、自動車産業や製造業は意外と低くて、モノを動かさない業種のほうが、いっぱいお金をもらっているんですよね。

    しかし、最近は平均値と中央値(もらっている人が多い額)の乖離が大きいので、中央値も知りたいですね。。。

  4. jdwwr510 より:

    自動車メーカー系は、部品も完成車も20年前の大きく仕事のやり方を変えられていないように思います。

    Excel、パワポ中心で開発、生産準備を進めていると思います。

    そういった作業は、紙がパソコンの中に移動した20年前のITから変化しておらず、工場の作業の事例ならなら手作業で電動ドライバーで難姿勢の中で締め付けてる工程と同じかと。(スマートファクトリーからは程遠いですね)

    また、社内のデータ、スケジュールもも個人持ちでオープンにしない。

    技術力UPの為には、IT企業を参考に、省人化、効率化を進めたり
    ビッグデータを当たり前に活用し、パソコン作業の自動化、システム化をし、工数を低減しないと、今平均年収を押し上げてる高給取り世代が退く10年先は、氷河期世代のそもそもの母数が少ない為、平均年収はさらに下がると思います。

  5. Mumbaikar より:

    現在アメリカの自動車労連がビッグ3に対して波状攻撃のような工場ごとのストを打っています。その背景について9/24付の英紙Financial Timesに「(米)自動車産業の復調は労働者より投資家と経営者に利益をもたらした」(Auto industry recovery has favoured investors and bosses over workers)と題する記事が掲載されました。日本の自動車労連は伝統的に経営との協調路線をとっていますが、PBRが低いとか、配当性向が悪いとか、役員報酬が国際比較で少ないとか言っているうちに「アメリカのような事態に陥らない、とは言い切れない状態」になる可能性もあるのではないでしょうか?

  6. 二級人 より:

    昔は工学教育が進められ、それが“期待される人間像”でしたが、今は金融経済教育が進められ、投資が推奨されています。イギリスのような金融国家を目指してるんじゃないですか。知らんけど。
    10年先の経済がどうなっているかは誰も分かりません。分かったらみんな大金持ちになってしまいます。必要な仕事は残していかねばなりませんが。

  7. ぱんだこぱんだ より:

    日本人は他言語を話せない人が多い、という点で世界の労働者と差が出来てしまっているんですよね。
    だからこの島国にとどまって安い賃金で働く事しか出来ないという…。

    寿司職人でも海外に行きゃ2000万近く稼いでいる方もいらっしゃいますし、トヨタや日産で匠の技術持つ人なら何千万でも採用すると思うのですがね。

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