アリとキリギリス

昨今の不況を報道するものに『アリとキリギリス』を再読することをすすめたい。このイソップ寓話、子供に聞かせると100人中100人が「アリは正しい」と言う。けれど我が国のメディアの多くはキリギリスを支持
し、アリを悪者にしてます。本来ここで社会が行うべきは、キリギリスの生き方を諭すことじゃなかろうか。

農作物に凶作があるように、産業だってヤマタニあって当然。今回の不況、天候の不順と同じく、的確な予想など出来なかった。健全な企業なら平時に体力を付け、イザという時の備えをしている。なるほどトヨタは赤字を出す。けれど誰かに援助を求めているのか? 言うまでもなく独自で立て直す覚悟だ。正社員の解雇だってしない、と私は思っている。

ちなみに今回の不況は「100年に1度」クラスとか。
トヨタがA1型試作車を完成させたの、73年前の1935年。今回の赤字、トヨタにとって1938年以来だというから、何ら不思議じゃない。しかも危機のために備えをしてました。皆さん農耕民族になったつもりで冷静に考えてて欲しいと思う。凶作は必ずやってくる。そいつをやり過ごす知恵を個々も持つべきです。

今回の件で最も不安になったのが食糧問題だ。地球上にゃ大規模噴火の可能性ある火山が
いくつかある。突如噴火し、数百年に1度という規模の世界的凶作になったらどうか? 収量30%減でも大騒ぎになってしまうことだろう。ちなみにアリとキ
リギリスの原作によれば、最後にキリギリスを見捨てる。日本で紹介する際、それじゃ子供に聞かせられない、と救うオチになったそうな。

連載中は「暗いハナシで面白くない」という声も頂いた『この国の終わり方』と『国沢学校のコラム』、ヒマあれば御一読頂きたく。全て現在進行形です。次に何がやってくるかの予想を立てる材料になるかもしれません。
      

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ