カローラクロス試乗レポートbyかのん

今までカローラと名が付くクルマには一度も乗ったことがありません。私にとってカローラのイメージは営業車や教習車にも使われるようなベーシックなクルマであり、可もなく不可もない「普通のセダン」。そんなカローラに新しいSUVが出たから乗る? と国沢師匠からお声がけを頂いたので新型カローラクロスを試乗させて頂きました!

エクステリアデザイン⭐️⭐️⭐️⭐️ カローラのSUVというより全く新しい車に見えます。でも派手じゃないフロントフェイスはどこか馴染みやすく、慣れ親しんだ万人受けする従来のカローラらしさを感じる不思議なデザインでした。

インテリアデザイン⭐️⭐️⭐️ 内装はとってもシンプル! なのに全くチープに見えないのがカローラクロスの凄いところ。ディスプレイ周辺のボタン数は最小限にとどめており、大きな9インチディスプレイが印象的(9インチディスプレイはZ/Sグレードでメーカーオプション。7インチでも十分大きい!)。デジタル、アナログの切り替えも簡単に出来る先進的なディスプレイのスピードメーターにも心がときめきました!

今回試乗したZグレードのシートは本革とファブリックのコンビシートで、ドアトリムショルダーにソフトパッドとステッチ、インパネ周りはソフトパッドでできたフェイクステッチ、そしてハンドル右横の部分にフェイクステッチがあしらわられたハードパッド。1台で3種類のステッチがある。感動しました!(笑)

視認性⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 着座位置が高いSUVならではの視界の良さは想定内だったのでしたが、2点予想を裏切られました。1つ目、驚くほどサイドミラーがでかかったです! 運転時、トラックの天井や青い空がサイドミラーの中にでかでかと映っているのを初めて見たので、なんだか新鮮だしドキドキしちゃいました!(笑) 

そして2つ目。それは運転座席から見えるAピラーの細さ。ぱっと見、めちゃくちゃ細いじゃん! と師匠と喜んでいたのですが助手席側のAピラーを見てみるとあれれ? 意外とそうでもない。開発の方曰く、海外でもユーザーが多いカローラクロスは厳しい北米の衝突要件でピラーの太さが決まっているので、運転席の死角を最小限にし、目線方向に断面を膨らませて強度を保っている工夫がなされているのだそうです。

通常はデザイナーが描いたクルマのスケッチをベースにパッケージを作っていくのが一般的だそうですが、カローラクロスは逆。デザイン先行ではなくパッケージ先行。ユーザーを第一に作られたクルマだからこそできるワザなのだとお話を聞いて「おもひでぽろぽろ」ならぬ「目から鱗ぽろぽろ」状態になりました。

グレードZ、Sには11万円でパノラマルーフ(挟み込み防止機能付き電動サンシェード)をオプションで装備することができ、ルーフをごそっと切り取ったかのような開放感ある空間が最高に気持ちいい! なので、後部座席からの視認性も抜群にいいです。海外からの友達を後部座席に乗せて、東京タワーやスカイツリーの下を通って見せたくなるほど圧巻です!

パワー⭐️⭐️⭐️ 上位モデルからZ、S、G、G”X”の4種類のグレードがあり、それぞれ1.8Lハイブリッドと1.8Lガソリン(FF)の2種類があります(G”X”はガソリンのみ)。ハイブリッドはFFとE-Fourと呼ばれる後輪をモーターで駆動する4WDという二種類の駆動方式を採用しており、今回試乗したのはハイブリッドのZでした(FF)。

加速時はモーターのトルクをしっかり利用しているので、電気自動車みたいなすっとした走り。それも体を身構えてしまうほどのトルクではなくある程度緩やかさもありました。ドライブモードセレクトがあり、走りを楽しむ要素もしっかり入っているのがすごい! 標準状態のノーマルモード、燃費優先で滑らかな加速のエコモード、鋭い加速が得られるパワーモードの3段階がありシーンに合わせて選べるのが◎(ガソリン車はノーマルとパワーモードのみ)。

ハンドリング⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ 手になじむステアリングやアクセル操作に対して素直で軽快に反応してくれる走行フィーリングは、初めて乗ったとは思えないほど五感になじみ、車とのコミュニケーションがしやすいと思いました。エンジンが始動するときの振動は1mmも感じられなく、何一つ無駄がなくシンプルで軽快。最後まで気持ちよく走行ができました。

乗り心地は価格帯から想像できないほど安定しています。C-HR等と同じTNGAプラットフォームを使っており重量バランスや高速走行でも安定して走ることができる仕様になっています。フロントの足回りはマクファーソンストラット式、FFのリヤはトーションビーム式。走行中、2か所で大きな凸がありましたが地面からの突き上げ感はなく、着地する時もしなやかで終始安定していました。

最小回転半径5.2mでUターン時もラクラクのステアリングは軽く、運転していて疲れませんでした。

開発陣によると軽量化にも実は力を入れていたそうで、部品をばらしながらどこを軽くするか試行錯誤をした結果、通常のSUVより足回りで30kg、ボディで20kg、走行用電池で10kg、スポイラーバックドアを一体化にし板金で作って2kgと、なんと62kgも軽くなっているのだとか!(C-HRより20kg軽い!)

実用性⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️  ラゲージルームはなんと5人乗車時は487L。ゴルフバッグを横向きに積めば4個も収納ができるほど広々としております。リアシートにはリクライニング機能を備えた6:4分割式でシーンに合わせて後部座席を倒して荷物を積めるのも魅力的。Toyota Safety Senseと呼ばれる衝突回避支援パッケージも標準装備なのが嬉しい(ただし199万円のG”X”ではパーキングサポートブレーキをオプションでも選べない仕様になっているので注意! あったら絶対嬉しい機能なのになんで~!笑)。

燃費⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️  FFのWLTCモードでは26.2km/L、E-four(電気式4WD)のWLTCモードでは24.2km/Lで業界でも最高クラスの燃費性能。通常、素人の私の運転ではカタログ通りの数値からかな~りかけ離れていることが多いのですが、実際に走ってみると燃費は25.1km/L! 市街地モードだと25.9km/Lなので、普通に運転しても諸元表と近い数字が嬉しい!

総合評価⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️ カローラクロスの価格帯は199万円~319万円と安く、標準仕様でも多くの装備を持っている魅力の詰まったクルマだと思いました(アクアでは標準装備だったアクセサリーコンセントがこちらではオプション)。それだけでなく、シンプルなデザインがもたらす洗練された空間や乗り心地がいい足回り、だれが乗っても良さを体感できる走行フィーリングはユーザー目線で作られただけあり、まさに理想のファミリーカーだと思います! もし友達がお買い得で良いクルマ(SUV)を探していたら、私はカローラクロスをオススメするでしょう。

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