ステランティス、中国退却を1450億円で済ます。VWも撤退準備開始。ホンダや日産どうする?

中国市場は日本に限らず欧米のメーカーも撤退戦または撤退戦の準備段階となっている。一番最初に撤退を決めたのは三菱自動車で、2023年10月のこと。撤退するには工場を売却し、足りなければ今まで投資した分を損失として計算しなければならない。三菱自動車の場合、広州三菱汽車を精算するため243億円の損金を計上することになった。少なくない金額ながら、今後生じる赤字よりまし。

三菱はアウトランダー売れず詰んだ

次はどこかとウワサされていたが、ステランティスでした! 昨年ホンダと同じく追加投資を発表するなど、むしろ中国重視の動きを見せていた。しかし売れ行きは落ちる一方。どうなるかと思っていたら負債が資産を大幅に上回ったため中国当局から破産を宣告されたのである。工場など資産を売却し、それでも足りなかった金額は1450億円! ちなみに投資額4000億円。痛い損失である。

ただ工場は投資額より安くなったとはいえ中国のパートナーである広州汽車に売却出来た。Jeepやプジョーを擁するステランティスの規模を考えたら上出来の撤退戦だと思う。問題は広州汽車が工場を居抜きで手に入れたこと。この工場で広州汽車は独自ブランドのクルマを生産することになるのだけれど、当然ながらフル稼働にならない。BYDや吉利汽車、長城汽車とのシェア争いが激しい。

ホンダはド派手なインテリアの新型車を出したが超不評

日本の自動車メーカーで広州汽車と組んでいるのはトヨタとホンダだ。トヨタの場合、1~6月は7%増と外資系自動車メーカーの中で唯一販売台数を伸ばした。ホンダについちゃ24.2%減。減った分だけ広州汽車と合弁して作った工場の稼働率を下げることになる。ホンダの撤退戦略に広州汽車との合弁工場を売却する計画あっても、広州汽車は買い叩いてくると思う。ヘタすれば二束三文だ。

一方でホンダは広州汽車と東風汽車に1600億円を追加投資し、2024年に年間24万台規模の電気自動車工場を立ち上げている。もちろん閑古鳥が鳴いているらしい。ホンダの電気自動車、魅力無し。トヨタばかりか日産にまで「大丈夫か?」と言われている。ホンダの中国戦略、倉石前会長が絵図を書いたらしいけれど、ど素人みたいです。政治家や官僚と同じく毒まんじゅうを喰わされたか?

売れ行き好調のN7

日産はN7という売れそうな電気自動車を上市し、次の弾もあるらしい。何とか踏みとどまれる可能性出てきた。ホンダは今の戦略だと全滅必至。ホンダが撤退戦を始めたら5000億円程度の損金を出すとウワサされている。まぁホンダに限らずVWもGMもフォードも撤退戦略を立てなければならない状況になってきた。メルセデスやBMW、テスラだって例外じゃ無い、ホンダに頑張って欲しい。

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2 Responses to “ステランティス、中国退却を1450億円で済ます。VWも撤退準備開始。ホンダや日産どうする?”

  1. 艦長 より:

    国沢師匠

    >資産が負債額を大幅に上回ったため・・・
    ではなく、
    負債額が資産を大幅に上回ったため・・・
    ではないでしょうか?

  2. アミーゴ5号リリボーン より:

    正直N7が売れるとは、これっぽっちも思っておりませんでした。
    己の不明をお詫び致します。
    m(_ _)m

    日産では、久々に明るいニュースですから、こうなったら中国市場らしくド派手に売れて欲しい。是非とも頑張って欲しいと思います。

    すっかすですね、
    ナショナリズムが強烈な中国市場ですから、今なまじ売れてしまうと撤退の機会を逸してしまい、後々傷口が広がるなんてことも起こり得る訳です。

    皮肉でも何でもなくて、中国市場で日産が愛されるには如何にすべきかを追求して欲しいと切に願う次第です。

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