デトロイトショー
デトロイトショーを伝える一般メディアは、強く大きいアメリカが復権していると報じている。シェールガス革命によりガソリンに余裕出て値下がり傾向だから、ということを根拠にしてます。一般メディアの分析能力なんてそんなモン。報道の方向性を決めるのは専門家で無く、普通のニュースを扱ってる人。
この方向で、と決めたら、それに沿ったコメントや素材を集めていくのみ。前回の東京モーターショーなんかスポーツカー復活だと騒いでましたから(ハスラーのようなスポーツ・ユーティリティ・ヴィークルもスポーツカーですよね、だって!)。デトロイトもまたぞろ東京と同じくスポーツカーが復活してると報じてる。
景気の良いGMが、新しい代表(カーギャルと呼ばれている女性)とセットで新型コルベットを大々的に発表したり、日本人記者はスポーツカーだと思っているマスタングの新型を見たりしたからだと思う。地味だった日本勢がWRX STIやトヨタFT-1をリリースしたのも印象的だったのだろう。
果たして大きく強いアメリカが復権しているのだろうか? 例えばアメリカのベストセラーカーであるフォードのFシリーズはフルモデルチェンジする。内容を見てびつくり! 何とアルミを使い300kg以上軽量化! エンジンは2,7リッター4気筒ターボ+10速ATだという。実用燃費は25%以上改善されるそ
うな。
リーフは昨年12月に米国工場の増産が整ったため2500台を売った。今や作れるだけ売れる状況。在庫も非常に少ない。そもそもガソリン価格だってガロンあたり3ドル後半の高原状態。大手メディアの記者さん達が自腹で飛行機に乗っていれば、燃油サーチャージも高いままだと気づくでしょうに。
現在アメリカで進行してるのは、ドラスティックな省燃費化だ。大型車はサイズを維持したまま燃費を大幅に改善させようとしているし、中型車もダウンサイジングターボを積極的に採用。小型車はハイブリッドや電気自動車で生き延びようとしている。底に流れるの、依然として省燃費であります。
参考までにガソリン相場を上に貼っておきます。記者として赴任して3年くらいまでの人なら「ガソリンは安くなった」と思うかもしれないが、10年スパンくらいで見るとやっぱり右肩上がり。シェールガスでここからは上がらないだろうが、10年前の相場に戻ることなど考えられない。
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