トヨタ、ダイムラーと持ち株会社を立ち上げ、日野も傘下に。これで燃料電池の活用が可能に!

トヨタとダイムラートラックが25%ずつ出資する持ち株会社を立ち上げ、三菱ふそうと日野自動車が傘下になると発表された。参考までに書いておくとダイムラートラックは本体こそ15万8千台で中・大型トラックで世界第3位のメーカーながら、アメリカのフレートライナーや三菱ふそうなど子会社を含めたら39万5千台で、単独1位のタタ(17万3千台)を圧倒する規模を持つ。

新型スーパーグレイトはダイムラー製エンジンです

そのグループに日野(9万5千台)が加わる。合わせれば49万台という世界を席巻する規模のトラックメーカーのグループになるワケ。トヨタとダイムラートラックが立ち上げた持ち株会社に属す3メーカーだけで28万台! 中・大型トラックの世界市場の20~25%の台数を占めると考えていい。トヨタはなぜダイムラートラックと組んだのか?

説明するまでもなく中・大型トラックもカーボンニュートラルに向かわなければならない。トヨタは日野と燃料電池バスやトラックの開発をすすめていたが、外野から見てると開発速度や意欲という点で多いに物足りない感じ。実際、燃料電池技術は2015年の初代MIRAIで実用化されているのに、10年経って”ほぼ”進捗していない。バスもSORAだけ。トラックについちゃ試作段階だ。

ヒョンデは様々な燃料電池搭載車を導入している

このままだと先行していたのに韓国や中国に置いて行かれてしまうという問題意識を強く持っていた。一方、ダイムラートラックは燃料電池開発を行っているが、こちらはコスト面で実用化出来ないでいる。トヨタの技術あれば49万台という規模を持つダイムラートラック全体で燃料電池の普及をすすめられることになります。中・大型トラック、電気より燃料電池が有利。

日本ではコメ利権よりはるかに複雑で圧倒的に規模や金額の大きい石油利権(こんな状況なのにロシアから原油を買っている!)のため普及しない水素エネルギーながら、世界を見れば可能性だらけ。今回の持ち株会社が素晴らしい役割を果たすだろう。ちなみに日本のカーボンニュートラルも今回のコメ騒動の如く、遠からず「間に合わない!」となり大騒ぎになると思う。

<おすすめ記事>

3 Responses to “トヨタ、ダイムラーと持ち株会社を立ち上げ、日野も傘下に。これで燃料電池の活用が可能に!”

  1. ばんじ〜 より:

    > 日本ではコメ利権よりはるかに複雑で圧倒的に規模や金額の大きい石油利権

    一般市民には見えにくい構造だと感じます
    これを払拭するには、何が必要でしょうか?
    有権者の投票だけで変わる?
    官僚を投票で選択できない現状だと何をしても変わらない?

  2. アクシオム より:

    今回の記事で取り上げられている持ち株会社にいすゞ自動車は参加しておりません。
    ご確認ください。
    https://global.toyota/jp/newsroom/corporate/42912330.html?padid=ag478_from_pickup

  3. たまさか より:

    日野が認証不正をした手前、トヨタとダイムラーの持ち株会社の下に三菱ふそうと日野がぶら下がる形では、三菱ふそうと同じように日野もダイムラー製エンジン採用となりそうですね。
    数が出るようになるので、コスト面ではは有利になりそう。
    ただ、ダイムラー製エンジンは日本では不具合多いのも事実でそれが不安点ではあります。
    日野でも三菱ふそうと同じようにエンジン部門の削減になってしまうのか。。。

コメントを残す

このページの先頭へ