トヨタグループにばかり不正が発覚するのかなぜ? 豊田章男の圧力で苦しんでいるからか

豊田自動織機の不正を受け様々なメディアから「なんでトヨタグループだけなのか?」という質問を受ける。私の答えは明快です。そもそもトヨタグループに入った理由って「ピンじゃやっていけないから」。ダイハツも日野自動車も素晴らしい企業であればトヨタの資本なんか受け入れないに決まっている。駄目な部分があったから通産省の仲立ちあって資本提携を始めた。

その時点からダイハツも日野も精神面は磨いていない。トヨタというしっかりした親がいて、その親戚や知人達とのアライアンスでシナジー効果を出し美味しい汁を吸ってきた。コンプライアンスもヘチマも自分じゃ考えない。だからこそ勝てと言われたら手を使ったサッカーをしたり、万引きのようなルール違反や法規違反に手を出す。まともな企業ならそんなこと考えない。

トヨタそういった企業を拾っていった。日産やホンダを見ても、通産省や経産省に頼まれたからと行って安請け合いしないです。しかもダイハツも日野自動車も収益的には大きな問題無かった。日本の慣習としてキチンと収益を挙げている子会社にズカズカ踏み込んでアレコレ指図するのはイモである。よってトヨタから社長が派遣されても役人の天下りと同じく腰掛け。

豊田自動織機は少し状況が違う。トヨタからすれば親にあたる会社だし、収益状況も盤石。働かなくたって株主配当で食っていけますから。こちらは世の中をなめたんだと思う。今や産業機械用のディーゼルエンジンなんかコストの割に需要無いから売れない。みんな逃げ出している。逃げ遅れた豊田自動織機としては、需要少ないから大きな問題無いだろう、と世の中をなめた。

とっとと逃げればよかったのだろうが、そのあたりは人の良さが出た? 全日本安請け合い連盟の会員である私からすれば、なんとなく気持ちが解る。どっこいアメリカは許してくれず、定期的な検査で排気ガスが基準値を超えていた。トヨタ向けのデータ不正は、トヨタにいい顔をしたかっただけで、これまた世の中をなめている。一番反省してるのはトヨタだろう。

もう一つ。一連の不正に理由に「豊田章男が怖いから」と考えるメディアも多い。これも聞かれます。この件、近々じっくり解説したいと思うが、覚悟を決めれば豊田章男という人物はしっかり受け止める。プリウスだって社長の立ち場から開発チームに「タクシー用にしたらいい」と言った。開発チームは覚悟を決めて反論したのだった。そいつを受け止め、許している。

豊田章男を叩きたいメディアやジャーナリストは多い。叩くなら覚悟を決め、真実だけで戦えばいい。広告が欲しいという卑しい根性あれば見抜かれるし、ウソや誇張だと私らメディアから「それはウソ! でらため書くな」となる。もっといえば、ウソさえ書かなければ自動車業界、そう簡単に出禁にはならない。「よくこんな記者を呼ぶよな」というレベルが毎回います。

かくいう私ですら出禁になっているメーカーなどないし、訴えるぞみたいな圧力を掛けられたことだって一度も無い(小さいヤツが増えてきたのでそろそろやばいかな、とは思う。笑)。日本政府の援護も無く世界とガチで戦っている自動車産業はどんな産業より成熟している。トヨタや豊田章男に文句言ってるの、真正面から戦おうとしないメディアばっかりです。

お詫びです。2023年サポーターの方にためのDVDとTシャツの発送が遅れております。理由は例年通りで、納得の行く内容のメインネタが揃っていないためです。自分で見ることを考えると、無駄な時間にならないような内容にしたいと強く思っています。やっとアイデアが空から降りてきたので収録の準備を開始しました。桜が咲く頃までにはTシャツも含め発送したいです。

<おすすめ記事>

3 Responses to “トヨタグループにばかり不正が発覚するのかなぜ? 豊田章男の圧力で苦しんでいるからか”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    今回のニュースを聞くと、確かにトヨタのせいにしたいんじゃないかと思えるようなメディアの質問があって、モヤモヤしていました。
    トヨタとしては「トヨタに物を言えない雰囲気があったかもしれない」と非を認めています。だから、ダイハツ、豊田織機の面倒は見るんだと思います。しかし、不正をしたのはそれぞれの関連企業であってトヨタではありません。
    まあ、豊田会長自身はアメリカ公聴会まで行って叩かれた経験のある人なので、記者が会見でチクチクと意地悪な質問をしても意味ないと思います。

  2. アミーゴ5号リボーン より:

    ピンでやっていけない。通産省からの依頼。そうでしたか、非常に納得がいきました。

    モリゾウ会長が怖い? そりゃそうでしょう。大トヨタを背負って立っているんだから。

    でも一社会人の立場で見ても、真正面から向かっていけば、真正面から考えて答えてくれる方だと思います。

    マスコミもさ、日本経済を支えてくれているモリゾウ会長の足元をすくう暇があるなら、派閥を組んで私利私欲を貪る非国民の政治家を弾劾しなさいよ。

    そんなことだから、マスゴミって言われるんだよね。

  3. JUN より:

    豊田会長の公演「14年間の闘い」動画で観ました。
    僕は「世界規模でのリコール問題(個人的にはアメリカのトヨタ叩きだったと思いますが)」で、米議会公聴会での豊田氏の発言に注目していました。彼の「隠し事は何もない。何でも聞いてくれ」と、真摯でありながらも堂々とした態度に「捨て身だな」と思いながらも感銘を受け「もしかしたら、これで潮目が変わるかも…」とも思ったのを思い出しました。公演での発言は想像に近かったんだと、今になって感じます。

    公聴会後、(確か、アメリカトヨタ社内だったか)豊田氏が社員に囲まれて思わず涙したとの話は、日本在住北米日ビジネスパーソンたちには不評(イマイチだった英会話力も関係するかも)だったのですが、僕個人としては「若い・甘いと言われ易い生い立ちで「叩き潰してやろう」と待ち受ける議員たちに、一人で(厳密には違いますが…)立ち向かう姿は「浪花節だな〜」。

    現在問題が噴出しているトヨタ関連企業の不正ですが、関連企業の社員たちは、豊田社長率いるトヨタ(社員)を、羨望の眼差しで見て、ジェラシーすら感じていたのでは。
    そして、そんな社員の中には、 トヨタを眺めながら諦めたり、卑屈になってしまっていたのかも。

    そう言えば、最近のホンダ日本を見ていると(以前僕は「ホンダに対し少し横暴に感じる」と書きましたが…)トヨタを眺めながら、車作りを少し諦めているようにも見えちゃうんですよね。運転視界確保など、物凄く真面目さを感じる時もあるんだけれど。
    「突き抜けろ!」と言われるトヨタ社員と、「守れ、守れ!」と言われているホンダ社員。かな?

コメントを残す

このページの先頭へ