ホンダ、ヒジョウに厳しいタイミングでCR-Vの燃料電池PHEVを出してきた

ホンダがCR-Vの燃料電池PHEV『e:FCEV』を発表した。購入は出来ずリースだけですけど。どんなパワーユニットか? MIRAIのような燃料電池車に、カタログデータだと61km走れる電池を搭載したと考えればいい。はたまたハリアーPHEVのエンジンを燃料電池に置き換えた、でも同じ。ガソリンの代わりに水素を使うPHVである。どんなメリットあるのか?

御存知の通り水素ステーションは増えるどころか減る傾向。頑張ろうとしている自動車メーカーを横目に、石油利権のためなのか政府は水素インフラを整えるつもりなし(10年しても水素に対する厳しすぎる規制を緩和しない)。こらもうアメリカも同じで、トランプさんが大統領になったら芽を潰されるかもしれません。おっと脱線した。いずれにしろ水素ステーションは少ない。

100km走ったら満充填という使い方も面倒くさい

だったら50kmくらい走れる電池を積んでおき、近所は電気自動車として使えるようにしたらいいんじゃないか、というコンセプトで企画されたのが燃料電池PHEVだ。100%賛成したい。私の場合、燃料電池車に乗る最大のストレスになっているのが水素ステーションの使い勝手です。練馬の自宅から都内に出て帰ってくると40kimほど。これを5回ほど繰り返すと200kmになる。

その状態で往復300kmの日帰り出張することは出来ない。満充填しようにも自宅から水素ステーションまで往復2時間。諦めて他のクルマを使う。でも50kmまで電池で走れるのなら、日常的には水素を使わないで済む。突然の300km移動にだって対応可能。試乗してないので確かなことは不明ながら、ホンダの実力からすれば良いクルマだと思う。

MIRAIの補助金145万3千円に対し、CR-V e:FCEVはなぜか255万円も出るため実質554万円! 気になるリース料だけれど、補助金使う5年で11万円くらいになるという。11万円×60ヶ月だと支払額660万円。5年後の残価ゼロですね(笑)。東京都だと110万円の上乗せで444万4900円で買えてしまう。東京のリース料金は問い合わせ中です。

とはいえ燃料電池車はオワコン化している。水素だって高騰。今やハイブリッド車の方が燃料コストは安価になってしまった。クルマの出来からすれば素晴らしいMIRAIやクラウンFCVながら、不便さをひっくり返せず大苦戦。トヨタですら売りあぐねている。そんな大吹雪状態の中、ホンダはよくぞ出してきたモンだ。自動車メーカーはホンキでカーボンニュートラルを考えている。

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2 Responses to “ホンダ、ヒジョウに厳しいタイミングでCR-Vの燃料電池PHEVを出してきた”

  1. トヨタ車ユーザー より:

    うーん、鶏卵になってしまいますが、FCVのコストダウンがBEVより進まなかったのが、理由として大きいかなと思います。せめて初代リーフ並みに、アーリーアダプターが飛び付きやすければと、MIRAIをみて思いました。
    補助金はありますが、もらうまでに時間がかかるし、もらえるかすぐにはっきりしないし、最近はディーラーも手続きに積極的でない。

    CR-Vのe:FCEVは、クラリティの以前からリースで借りているような人(多分アメリカ)にリースするんだと思います。水素がもう少し普及していたら、MIRAIのように売ったと思います。

    ごく初期のFCV(日産もやっていた頃)ガソリンを改質して水素を取り出す方式があったと思います。そちらがブレイクスルーしていたらと、仕事でトヨタの開発さんにお邪魔した時にカットモデルになっていた初代MIRAIと水素タンクを見て思いました。

  2. JUN より:

    なぜ、経産省が水素スタンドの水素に補助金を投入し、水素価格を安価に(ガソリン車より多少でも割安に感じる価格)に維持しないのか、分からないんですよね。

    日本の2大自動車メーカーが「燃料電池は化けるかも知れない」と頑張っている。世界的に見て最先端を走っているのに、最近の水素価格の高騰は「燃料電池車叩き」にしか見えないんです。 

    アメリカも日本と同様に水素スタンドの価格が急上昇し、燃料電池車オーナーは困っているとか。仰るように、石油業界の連携した圧力みたいなものが、国内外で燃料電池に向けられているのでしょうか?

    ホンダがこんな厳しい現状で敢えてe:FCEVを日本に投入したのも、日本政府に対する「暗黙の抗議」にも見える。トヨタ会長のように、本音を世論に問える上層部は、今のホンダには存在しないでしょうから。故本田宗一郎さんが生きてらっしゃったら、今の政府の姿勢やホンダに何て言うんでしょうね…。

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