三菱ふそう凄い!

いささか”旧聞”になってしまうけれど7月20日に三菱ふそうが3リッター4気筒のクリーンディーゼル(ポスト新長期対応)を発表した。このスペックをチェックしていて驚く。なかなか良さそうなエンジンなのだ。しかもツインクラッチATも一緒に発表された。そのまんまパ
ジェロに搭載することだって可能だと思う。

まずエンジンのベースだけれど、『フィアット・パワートレイン・研究所』の開発によるもの。日産がルノーのM9Rをベースにしているのと同じ。欧州設計のエンジンなので、日本の商用車用エンジンより一回り小さく、軽量。昨年から欧州仕様のキャン
ターに搭載され、振動特性なども素晴らしいという。

内容は最新のクリーンディーゼルである。1800気圧の高圧噴射を行うピエゾインジェ
クター使いコモンレール直噴で、1回の爆発で5回の噴射を行う。このあたりはエクストレイルのATに搭載されているディーゼルと同じ。排気ガスの処理はベンツグループの三菱ふそうとあって尿素水を使うブルーテックだ。

エンジンと同じくらいの「凄いですね!が三菱ふそう独自開発のツインク
ラッチ6速ATだ(寿命ほぼ無限大の湿式クラッチ)。シフトアップ時のトルク抜けゼロというVWのDSGと同じ機能を持つ。ディーゼルターボとの相性は最
高で、燃費を悪化させずドライバビリティもマニュアル以上に良い。

本来なら三菱自動車で開発すべきエンジン&ミッションだと思う。このパワートレインを三菱自動車が使えれば(このあたりの契約は不明)、すぐさまパジェロのクリーンディーゼルを日本やアメリカで発売できる。というか、このエ
ンジンを活かせるSUVやミニバンを作ったら面白いんじゃなかろうか。

ちなみに最高出力はトラック用ということで175馬力の430Nm。乗用車用なら200馬力の450Nmくらいまで視野に入ってくると思う。最大トルクは4,5リッターのガソリンエンジン並である。尿素水は軽い負荷だと12Lで1万kmくらい持つという。これまた乗用車なら1000km/Lくらいで済むかと。

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3 Responses to “三菱ふそう凄い!”

  1. さね より:

    素晴らしいです!トラック業界のほうが真面目に車作りしてんですねー 国沢先生、先生から乗用車メーカーにCVTを辞めるよう言ってください。プリウスはしかたないとして、あんな効率悪いわ、速度管理しにくいわ、なーもいいことないし重いし、燃費はサバよんでる品物辞めるよう反対運動してください。 CVT車に乗ってますが減速の時危険感じます。燃料カットしすぎな気が… それがなきゃ燃費よくならないなら真面目に本当に辞めてほしい 多段ATかツインクラッチの2ペダルでいいじゃないですか 投資したの回収して安くなってもうけない限り日本車はCVTだらけかぁ 三菱も安売りだけ考えないでツインクラッチランエボ以外に使えば個性でると思うのに残念。

  2. ゲイン より:

    私もベストカーでこの記事見た時、三菱凄いなと正直思いました。ですがこれを今の三菱が一般ユーザー向けに販売出来るか疑問です。もう三菱のブランドでは車が売れないんじゃないですか?今の車の購入はリセール含めたトータルコストじゃないですかね。
    ギャランフォルティスラリーアート見てそう感じました。インプレッサやレガシィに2ペダルMTなら売れると思いますけど…確かに最近元気のないパジェロに採用すれば面白いとは思います。

  3. 真鍋清 より:

    これによって、GTトラックが巷にあふれるかと考えると、素晴らしい技術的成果であると感じるのと同時にある種の空恐ろしさも覚えないでもない。
    空荷の4ナンバー・2トントラックに175ps/43.8kgmものディーゼルターボが積まれようものならその出足は軽快を通り越して凶暴ですらあり、新聞輸送の2トン積みに迫られたら素直に道を譲らねばならないだろう。
    資本主義の摂理通り、一つの製品が成功したらフォロワーが出るのは世の宿命、175psの三菱キャンター登場を受けていすゞエルフも既存の3.0ディーゼルターボ(現状では150ps)の強化版を180ps辺りで出すのは目に見えている、いわばトラック界の「VWゴルフR対BMW130i/135i」の戦いだろう。
    それでなくとも既存のエルフにキャンター、日野デュトロ(とその兄弟分のトヨタダイナ/トヨエース)らは各々クリーンディーゼルを開発し、ポスト新長期規制対応とドライバーのアクセル一踏みに対する鋭敏な反応を両立させている、お陰で「最近の2トントラックは乗りやすい」というのが現場の共通した評価だという。こちらは何か「VWゴルフGTI対アルファロメオジュリエッタ1750ターボ対オペルアストラOPC」の欧州ホットハッチ戦線の対決を彷彿させるが、そうしたホットなバトルの最先端を行く「トラック版ゴルフR」の新世代キャンターを見るに、働く車=プロの道具たる商用車はマジメに新技術への取り組みが行われており、そのディーゼル技術のミニバンやSUVへの応用が行われたら我が国業界も世界的に一廉の評価を得る手がかりとなるだろうに実に惜しいと思う。
    三菱ふそうと三菱自動車の間にどのような契約があるか知る由もないが、同エンジンをよりチューンしてパジェロを筆頭にデリカD-5のRV系に搭載すれば両車の商品性は飛躍的に上がることは確実であるのと同時に、三菱RV車に往年の名声と強い信望を取り戻すことにつながり、国産他メーカーもうかうかできないだろう。

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