マツダとスバル、大き過ぎる負の遺産をどうする?

マツダとスバルに明るさが見えてきたと書いたものの、すぐに快晴とはならない。どちらも大きい負の遺産を持っているからだ。マツダについていえば藤原さんの自分中心主義路線。スバルは武藤さんという技術のTOPだった人が新しいパワーユニットの仕込みを全く行わなかった無策ぶりに起因している。こうやって実名を出して書くと「もう辞めた人だからいいのでは?」という声も出る。

その通りだと思う反面、現在進行形で「問題のあることをやっている現役」がいる。そんな人に間違っている自分の我を通したら辞めても叩かれることを強く意識してもらいたく思う。考えて頂きたい。藤原さんと武藤さんの失策は現役時代から明々白々。私も社員の皆さんから「きっちり書いて欲しい!」と頼まれたから強い権限を持つ現役の大物に嫌われるリスクを取って発言してきた。

嫌われければ美味しい思いだってできたかもしれないのに(泣)。ちなみに今一番厳しいのはホンダと日産です。ホンダ、業界の社交場になっているスーパー耐久レースに役員レベルが一人もいない。このままだと三部さんの狙い通り日本市場はダイハツとスズキがライバルの軽自動車メーカーになっちゃう。日産も国内販売体制がデタラメで、販売店側と殺し合い状態。ユーザー不在です。

暗い会社はさておきマツダとスバルだ。マツダはラージ商品群が重荷になる。日本市場を見ると「なんで出来の悪いモーター付き車両から出してきたんでしょ?」。そして欧州でイマドキ直6エンジンが売れるのか? アメリカは2026年にやってくる電気自動車ゲートまでどのくらいの台数を売れるか、だ。日本と欧州で販売台数伸びないと、アメリカでたくさん売らなければ投資回収不能。

MX-30のロータリーPHEVだって藤原さんが強行したので販売スケジュールに載ってしまっているけれど、本来ならCX-5あたりでやるべきだったろう。MX-30じゃ最初から修行になること誰だって解る。次期型デミオの開発を凍結しちゃったのも厳しい。マツダにだってトヨタのように手頃な価格で買えるモデルが必要。燃費規制をクリアするのにもコンパクトカーあったら有利だし。

スバルはSDGsに対応したパワーユニットと薄れ続けているブランドイメージの回復が必要。なかでも武藤さんが10年間全く投資しなかったパワーユニットをどうするか、です。幸い大崎次期社長はパワーユニット出身。五味さんの仕事も見ている。加えて2~3年前から藤貫さんが再構築に着手している。数ヶ月以内に方針を打ち出すというにでそいつを待ちたいが、しばし時間掛かります。

ブランドイメージは薄くなる一方。国内であればスーパー耐久に売れ行き伸びないWRX S4のカーボンニュートラル車など走らせるべきだし、欧州とオーストラリア、ニュージーランドはなんらかのラリーで立て直す必要ある。今や当事者だけ燃えているニュルとスーパーGTの予算を使うことでスーパー耐久とラリーくらい出来ることだろう。自動車産業の”華”である競技を”上手に”使いたい。

ということはトヨタを見たらハッキリ解ります。マツダとスバル、どういう攻めの戦略を立ててくるか注目したい。

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4 Responses to “マツダとスバル、大き過ぎる負の遺産をどうする?”

  1. ココ より:

    マツダは本当に大丈夫ですか?
    完成していない新車を売るなんて、ありえない。

  2. 猫まんま より:

    大丈夫です。
    CX-5を見れば解るように10年経てば他社並みの性能になります。
    まあ冗談はさておいてブラックサタンが出ていっても試作車レベルのもの売る体質が直るのかな?
    現状では出来が良いと言える製品はCX-5のみで、CX-60は完全に試作車レベル、MAZDA3もまだまだ改良が必要なレベルですね。リアサスの酷い突き上げ、低速トルクの無いエンジンなどなど。MAZDA2はもうやる気が無いんでしょうね、そのうちやリスのOEMにとってかわられるのに1万ペソ。
    まあこんな現状でもマツダ信者は「改良してどんどん良くなるからマツダ天国だ」とか狂ってること言ってますけどね。未完成のもの売りつけられて人柱にされてるってこと理解出来ないんでしょうね。

    • 猫まんま より:

      追加です。
      スバルは良くも悪くもEJ=スバルでした。
      EJも骨董品ですが燃費以外はまあ出来は良いとは思いますが今の世の中に合ってるかといえば極悪燃費がすべてをぶち壊していますね。
      FAエンジン出すときに水平対向止めれば何とかなったのにと思ってます。まあお金が無かったんでしょうけど水平対向2気筒でダウンサイジングターボにするとかやり様はいくらでも有ったはずです。
      知り合いのスバル信者が(BRZ乗り)
      「水平対向は重心が低い」
      補器類無しならね。
      「水平対向は高回転まで回る」
      レッドゾーン7000回転なんて水平対向とは認めたくないです。
      まあBRZ&86には車の性格を考えれば骨董品でもEJ25の方が良かったような気もしますが。この手の車のユーザーはあんまり燃費は気にしないだろうし。
      昔乗ってた初代インプレッサ1.8Lは8000回転まできっちり燃料が付いてくる高回転型のエンジンでまさにEJって感じのエンジンでした。AE86の4A-Gなんて5000回転で燃料が足りなくなる低回転型エンジンですよ。街乗り燃費6km/Lでしたが。
      e-Boxerにしようがロングストロークにしようが水平対向は根本的に効率が悪いエンジンなのでしょうかね?

  3. 経営者なん? より:

    スカイアクティブを掲げて経営を立て直し、自らの会社規模を正確に捉えて車種の縮小を行い、電動化への投資を抑え、生き残りをかけた。そんな中でも、ロードスターを作り続けてくれるマツダは好きです。
    技術的な解説はともかく、世界のトヨタとマツダ、スバルの経営並べて語るのは無理があると感じました。
    金があれば、いろいろやればいいけど、金がないから、選択せざるを得ないですよね。

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