リチウム電池生産で日本最大手のAESCジャパン、トヨタ以外の電気自動車用の大半を生産か?
現在は中国80%。日産20%の出資比率となる「AESCジャパン」は少し前まで「エンビジョンAESC」という社名だった。そのAESCはモトを辿れば日産とNECで2007年に立ち上げた電気自動車用のリチウム電池に特化した電池メーカーである。さらにルーツを辿れば2002年にスバルとNECで作った「NECラミリオンエナジー株式会社」になります。2002年以前はNECと日産でした。
AESCジャパン
日産がお手上げになった後、文頭にある通り日本の事業だけでなく、アメリスとイギリスの工場を含め中国へ。とはいえ日本部門はAESCジャパンとして踏み留まっており、ここにきて事業拡大を図っている。ちなみにリーフの電池は当然ながらAESCジャパン。SAKURAの電池もAESCジャパンだ。そんなAESCジャパンが事業拡大戦略を行うべく日本国内で積極的投資を始めた。
茨城工場も大幅な拡張工事を行っており来春には主としてホンダ向け(N-VANの電気自動車)の生産が立ち上がる。N-VANの電気自動車は30kWh以上の電池を積むと言われているダイハツの電気軽バンと同等の航続距離を持つ。おそらくSAKURAの20kWhを大きく凌ぐ電池を搭載してくるに違いない。となればN-BOXの電気自動車バージョンも30kWh以上になることだろう。
興味深いのはN-VAV電気自動車の価格だ。今のところホンダは最廉価モデルで200万円を切るという話を否定していない。おそらく売れ筋の4座モデルで230万円前後といったあたりか。ミニキャブMiEVが16kWhで245万円なので、新工場で作るAESCジャパンの電池はコストダン出来ると考えていい。この電池を使うホンダの乗用車も電池1.5倍以上積んでSAKURAと同じくらいの価格か?
AESCジャパンはマツダにも供給するという。AESCジャパンの電池が使いやすい価格になってくると、国内で販売される電気自動車用電池はトヨタとAESCジャパンに集約されてくるかもしれません。次世代の電池は三元系からリン酸鉄やナトリウムに軸足を移していくと思われるけれど、AESCの本拠地は中国なので対応可能かと。ちなみにアメリカの電池戦略は全く違う地図になると思います。
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