三菱商事がルノー所有の日産株を購入して三菱自動車と共に傘下に入れる計画があった?

「三菱商事がルノー所有の日産株を20%程度買い取り日産と三菱自動車を傘下に入れる計画があった」と話題になっている。全く聞いたことのない話だったので調べてみると、いろんな意味で興味深い。このネタを報じたのは共同通信で、ネタ元は元日産幹部とある。困ったことに他の情報なし。おそらくネタ元は本当に元日産幹部だけだと考えます。そんな前提で考えてみたい。

具体的な状況にていては「2019年9月に各社合意し発表される寸前に日産TOPの失脚で頓挫した」とある。このストーリーのバックボーンを考えたら発端は2018年11月のゴーン逮捕しか考えられない。当時日産の舵取りをしていたのは西川氏。その西川氏は2019年9月に不正疑惑起きて社長退任となった。日産TOPの失脚って西川氏のことだと容易に想像できる。

2019年時点で三菱自動車の益子さんはご存命。益子さんの経歴は三菱商事から始まるし、最後まで三菱グループとの太いパイプを持っていたと思う。ゴーン逮捕のあたりから日産の業績は落ち始めており、2019年度決算は6700億円の大きな赤字を出す。ルノーの業績も厳しく、ルノーだって危機感を持っていたと思う。日産にとって新しいパトロンが必要になってきたワケです。

そんな状況の中、ルノーにしてみれば経営危機に陥っている日産の株を買った時以上の価格で買い取ってくれるなら、美味しい話かもしれない。ゴーン無しで日産を操ることは難しいことをルノーも解っていたんだと思う。といったことを綜合して考えると、共同通信のニュースはありそうな内容。この話で気になるのは三菱商事の企業規模。少しばかり小さい。

三菱商事の時価総額は2019年当時4兆円ほど。日産自動車といえば3兆円を超えていた。4兆円の企業が6700億円の赤字を出す企業を助けられるとは思えない。おそらくゴーンの足を引っ張った”パワー”が西川氏や三菱商事のバックにあったんだと思う。そのパワーはどんなものか私のような小物には想像するくらいしかできない(外れているとカッコ悪いので書かないです)。

ただ無理筋だったんだと思う。だからこそ西川さんの失脚が白紙になった。加えてどの程度まで動いていたのかも不明。計画していた程度なのか、それとも共同通信の報道通り発表寸前のタイミングだったのか、です。さて。なぜ今になって元日産幹部はこんな情報を出したのか? おそらく最近の日産の回復状況を見てルノーの態度がまた変わったのかもしれません。

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2 Responses to “三菱商事がルノー所有の日産株を購入して三菱自動車と共に傘下に入れる計画があった?”

  1. 77 より:

    こちらでも報じられているようです
    https://diamond.jp/articles/-/246367

  2. z151 サンバー愛好者 より:

    休日の妄想としちゃ妙にリアリティがあり、また妙にファンタジー要素がありそうです。
    事実は小説より奇なりとはいいますが、「下町ロケット」の池井戸潤氏ばりにビジネス小説が書けそうな気がします。
    三菱商事がそんなことできるだけの器かどうか考えるのも興味が湧きますし、実現したら実現したでアライアンスで一番微妙な三菱自動車が割とイニシアティブを取るようになるのかも、その行く末に興味が尽きないです。

    三菱といえばekスペースをベースにデリカミニのプロト外観を突然発表して驚きました。
    これが何ともかっこよかったので2度ビックリ。

    https://youtu.be/GOtgKXMMGHA

    ekクロススペースとキャラ被るけど、こっちの方がより「らしい」です。
    悪路走破性とか期待してないけど雰囲気がバツグンだなと。
    スペーシアよりずっとブランド力あるし。
    釣られて日産がキャラバンミニ出すんじゃないかという噂もありますが、さて。

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