トヨタ、新しいクルマ好きを増やす素晴らしいツールを持っているのに使い方が解らない?

トヨタが「ダカールラリーで総合優勝したのに全くニュースにならない」という件、多くの人から意見を貰った。そもそもトヨタの素晴らしいリザルトはダカールラリーだけじゃない。WRCでマニファクチャラーズタイトルを奪取! ナスカーのトラックシリーズもドライバーズチャンピンになった。そしてル・マン24で勝ってます。かつてないほど素晴らしい結果を出したと思う。

ダカールラリー。ハイラックスで総合優勝

自工会の会長でもある豊田章男社長は多くの人にクルマを知って貰いたいと頑張っている。海外の人から評価されることを極端に好む我が国の国民性を考えると、海外のモータースポーツで素晴らしい成果を上げることは自動車産業をアピール出来る最高のツールだと思う。以下、パリダカの成果を緻密な戦略でアピールした当時の三菱自動車の広報を担当していたOBからのメールです。

WRCはマニファクチャラーズチャンピオン

今回の結果が世界的に偉大なだけに、老若男女、特に若者にアピール出来る格好の「ニュース素材」だったと思います。業界に対する世間の興味が少ない今だからこそ「モータースポーツの最も大きな目的を逃した」と思います。残念です。企業として勝つ事は勿論大きな目的ですが、知らしめてこそ最終的な目的が達成されると考えます。広告換算の費用対効果は圧倒的に優れています。

ナスカートラックシリーズはチャンピオン

クルマを売ったりイメージアップするという効果もさることながら、やはり”老若男女、特に若者にアピール出来る格好の「ニュース素材」”という点こそ需要だと考えます。なぜトヨタはアピールしようとしないのか? こらもう簡単。ボトムアップじゃないからだ。現場から「参戦したい」という意見を上げて競技に出ると、費用対効果も証明しないと翌年の予算が付かない。

ル・マン優勝

だから一生懸命成果をアピールする。前出の三菱自動車などは正しくそうだったと思う。しかし今のトヨタを見ていると社長が先頭に立ってます。こんな恵まれた環境のメーカーは歴史を見ても希少。つまりアピールしなくたって競技を続けることが決まってる。もっと言えば「負けるのを嫌う」は社長の意思ながら、それだけで完結しているのだった。本来なら周囲が「知らしめる」戦略を練るべき。

当時の三菱は「知らしめる努力」をしっかりやった

トヨタは今年も様々なモータースポーツで活躍すると思う。クルマ好きを増やすためにもキチンとプロモーションしたらいい。それこそがモリゾウさんの意思かと。燃費の宣伝よりずっと尊敬されるし、若い人の日本の技術に対するプライドを作れると考えます。ここまで書いてふと思う。「どの部門が担当なのか?」と。競技やってるのはGR部門。プロモーション部門を持っていない。

今週からWRC開幕戦モンテカルロが始まる。スケートや卓球、バドミントンと同じく、日本勢が世界で結果を残すスポーツってキチンとアピールしたら必ずファン層を作ります。F1についちゃサッカーと同じく勝てばメディアも自動的に取り上げてくれる。WRCを含め、それ以外のジャンルはトヨタ側の努力や戦略も必要。お金にモノを言わせないスマートな方法で、です。

三菱やマツダにも競技をやりたい人がたくさんいて何度も企画出すが、その度に全て却下されちゃってる。こういうメーカーなら競技を続けるため、一生懸命アピールすることだろう。トヨタもクルマ好きを増やすため考えて欲しい。私なんか競技やりたくて収入の”ほぼ”全てをつぎ込んでいるから家で肩身が超狭い。しくしく。

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