三菱自動車、中国撤退まで秒読みか?

9日に行われた三菱自動車の決算発表で中国市場が厳しい状況になっていることを表明した。5月3日に『中国市場から最初に脱落するのは三菱自動車』と書いたけれど、その通りでした。三菱自動車は中国進出にあたり広州汽車集団と東南汽車と提携。広汽三菱には30%。東南汽車に25%の資本参加している。このうち業績悪化のためランサーなどを作っていた東南汽車は清算済み。

今回問題になっているのは広汽三菱だ。昨年11月にアウトランダーの1.5リッター直噴ターボ48Vマイルドハイブリッドを投入したものの、売れ行きは超低迷。生産能力は27万台もあるため在庫過剰となり3月から工場を止めている。驚いたことに5月9日時点で生産再開の見通しが立っていないようだ。となると広州汽車から激しいコンプレインが出る!

三菱自動車の30%に対し中国政府の直轄企業となる広州汽車は50%を出資している(残り20%は三菱商事)。このままだと広州汽車も大赤字になってしまう。とりあえず三菱自動車が補填したカタチになっているけれど、このままだとさらに資金を持って行かれる。加えて新規車種であるアウトランダーが売れないとなれば打つ手無し! もはや撤退しかないと思う。

三菱自動車は先代社長の時点で中国市場を全く理解出来ていなかった。ブランドイメージを作ろうとしなかったです。加藤社長になって動き出したものの、時すでに遅し。クルマってすぐに作れない。電気自動車も間に合わず。このまんま赤字を垂れ流すより、二束三文の売却価格を覚悟しての撤退でしょう。幸い東南アジアが好調なので、早めに損切りをすべきだと思う。

明日撤退を発表してもおかしくない状況。次に撤退を迫られるとすればマツダかと。上海ショーでCX-50を投入すると発表したが、今や中国市場のSUVと言えば電気自動車。アウトランダーと同じく在庫を抱えてるようになると、マツダの提携先である長安汽車が黙っていない。三菱自動車より出資比率が多いため(47.5%)、補填金額だって三菱自動車より厳しくなる。

CX-50の売れ行き次第ではマツダも2024年に撤退話が出てくるだろう。

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4 Responses to “三菱自動車、中国撤退まで秒読みか?”

  1. ezk より:

    見切りの悪さがひどいですね。
    先日のスズキはインド市場に加えインドからアフリカ各国へと進もうとしているのに。

  2. ツナミ より:

    三菱の車がそんなに悪いとは思わないのですが、戦前からの財閥系であることとかが中国の人たちから敬遠される要素になっているんですかね。

  3. z151 サンバー愛好者 より:

    現行アウトランダーでもダメなのか中国と思っていたら、中身は直噴1.5リッターターボ+Mハイブリッド。
    48Vのマイルドハイブリッドということはボッシュ製のアレ?メルセデスベンツのS400hの載っているのと基本的に共通な?横置きFFベースなのでゴルフに積まれているものに近い?
    直噴1.5リッターターボの部分はエクリプスクロスと共通な感じでしょうか?
    外観はアウトランダーとしても内容は日本仕様とは随分違うみたいですね。
    中国企業との共同出資なので色々と諸事情があってPHEVをそのまま中国生産できないのでしょうが、人気がないということは「もっと魅力的なクルマが他にある」という裏返しでもあります。
    市場規模だけ見れば「パイ(絶対数)は大きい」のですが、既に「モノさえあれば何でも売れる」空気ではないということ。
    補助金もない状態でEVが売れるなら「価格に対して妥当な(若しくはもっと魅力的な)EVが沢山出てきた」ことの裏返しじゃないかと。
    三菱自動車に限らず戦国時代の中国自動車市場に生き残るのは、非常に大変なことになりそうです。

  4. トヨタ車ユーザー より:

    48Vマイルドハイブリッドは10年位前、中国で流行るんじゃないかと言われていました。中国ではHEVやEVは開発できないのではないかと先進国が上から目線で建てた予想でした。しかし、現在EVで無ければナンバーがもらえないEV天国(コンベ車地獄)になっています。
    アウトランダーと言えばPHEVです。何でそれを持って行かなかったのか。僻地に乗り込めるガソリン車を持って行く作戦からすると、中国の実情を見誤っていたと言えると思います。
    新型の小型SUVをアジアに出すそうですが、中国からくる小型EVを向かい撃てるのでしょうか。

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