何とホンダ初日TOPタイム! F1プレシーズンテスト始まる
バーレーンでF1のプレシーズンテストが始まった。楽観しない、という気持ちは持つべきながら、リザルト見て「今シーズンのホンダ、面白そうですね!」と強く思う。レッドブルのフェルスタッペン、初日のベストタイムを出しただけに留まらず139ラップをトラブル無しで走った! アルファタウリも午前にガスリー。午後角田(燃料系のマイナートラブル出て37ラップ)のトータル111ラップ。
「悪くないね~」と冷静を装うも、こんな状況、ホンダにとって第2期の中盤以後、初めてじゃなかろうか。テスト初日のため、フェルスタッペンだってフルアタックなどしていない。少なくともマクラーレンと組んだ4期前半はプレシーズンテストでまともに走れないほど酷かったし、昨年だって初日から余裕でベストタイムを出せるような仕上がり&速さを持っていなかった。
久し振りの日本人ドライバーである角田選手も想像していた以上の実力を見せた! 17人中の9位も凄いけれど、チームメイトより硬いC2タイヤ履き、ルーキーであり、37ラップしか走れなかったのに8位ガスリーの0,496秒落ち。C3タイヤでガスリーと同じ74ラップ走っていたら、ほとんど同じようなタイムを出していたと思う。いやいや素晴らしい日本人ドライバーが出てきた。
初日のテスト中、リモートでホンダのF1指揮官である山本さんとの記者会見が行われた。山本さん、イタリア人のように感情が口調に出るタイプ。話を聞いているだけで「順調ですね」とハッキリ解る。しかも最初にパートナー組んだアルファタウリのトストさんはもちろん、レッドブルのチーム監督であるホーナー氏との信頼関係も驚くほど強固だとF1関係者に聞いた。
記者会見でリアウイングのホンダマークについて話が出たけれど、これは山本さんに象徴される、本田宗一郎さんの意思を次ぐホンダ社員(撤退を決めた人達は本田宗一郎さんの現役時代から存在した否定派)に対するチーム側の気持ちの表れだと思う。F1最後の1年を、こんな気持ち良く迎えられるとは想像もしていなかった--となれば八郷さんの「F1からの卒業」なんて無視すればいい。
ホンダの歴史を見れば解る通り八郷さん時代の選択は、当時から存在した本田宗一郎さんに異を唱える社員の考え方である。「現地で売るものは現地で作る」ということからアメリカに工場作った時だって反対意見あった。F1なんか象徴です。そいつを「2度と出ない!」と言っちゃうんだからホンダファンからすれば看過出来ぬ。八郷さん時代のホンダは悪い夢だと思い歴史から消そう!
それはさておき、山本さんの記者会見で明らかになったのは、今シーズンのパワーユニットが大きく変わったということ。ウワサされていた通り、2022年に投入すべく開発していた「燃焼から見直したエンジン」を2021年に前倒して使うという。さらにターボで駆動する発電機(MGU-Hと呼ばれる)も大きく手を加えたそうな。MGU-H、なかなか面白い存在です。
普通のターボだと排気タービンと吸気タービンは隣接しているが、ホンダのパワーユニット、排気タービンと吸気タービンの間に発電機/モーターを加えてます。フルブーストになると通常ならウエストゲートで大気開放するけれど、そいつはムダなエネルギー。そこで必要以上の圧縮空気を作らないようタービン回転数を発電で制御(回生ブレーキ)してブースト圧を維持する。
ちなみにこの発電機、アクセル戻した時はモーターとして使いタービン回転数を上げ、アンチラグ機能で使う。大雑把に説明すると、エンジン本体の熱効率を高め、ターボ&発電機の効率上げたということです。昨年聞いた話だと、MGU-Hにはホンダジェットのエンジン技術が投入されているようだ。プレシーズンテストは初日。3日間終わって笑顔でいられたら幸せです!
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