具体的な名前は出せないけれど「宏光MINI」上陸が時間の問題になってきました

2ヶ月ほど取材してみた結果、日本の自動車メーカーが軽自動車または超小型モビリティに属す安価な小型電気自動車を作るという動き、ありません。日産のみ現在の150万円級軽自動車の代替となる200万円級の電気軽自動車をスタンバイしているだけ。100万円以下の電気自動車は開発していないし、現時点で扱う気もないようだ。なぜか? 儲からないからに他ならない。

軽自動車の絶対的なニーズ(台数)は今後も変わらない。そいつが100万円以下の電気自動車に変わると、メーカーとしての利幅はよくて4分の1。ヘタすると6分の1くらいになってしまうという。そらそうだ。現在150万円の軽自動車を販売すれば、車体やエンジンなど自社調達になる。けれど100万円の軽自動車になると、電池やモーター、インバータなど外部調達が急増します。

アメリカが利幅の少ないコンパクトカーを真剣にやらないのと同じで、既存の自動車メーカーからすれば”美味しくない”ビジネスなのだった。一方、100万円の小型電気自動車を販売したら売れるだろう、と考えている商社や企業は多い。100万円以下の商品を扱っているような企業であれば、100万円のクルマから得られる利益だって十分満足出来ることだろう。

自動車技術を持っているしかるべき企業がクオリティコントロールをすることで、中国工場製アイフォーンのように日本のユーザーでも納得出来る仕上がりになるだろう。ブランドだって「GM五菱」でなく新しくする(日本の自動車メーカーはやらないと思う)。それこそ「アップルカー」というブランドなら、中国のイメージは薄くなるに違いない。

100万円の電気自動車のマーケット、いくつかの調査機関が数字を出しているけれど、いずれも100万台程度。私のザックリとしたイメージと同じ。繰り返すが、自動車メーカーからすればマイナスにしかならないが、自動車への新規参入企業にとっちゃ魅力。ちなみに宏光MINIと関係無いけれど、出光興産はこのマーケットを真剣に考えているようだ。ガソリンスタンドなら全国に拠点を置ける。

はたまたスバルやマツダのように、かつて軽自動車を作っていたけれど今は止めているようなメーカーなら、GM五菱と提携してOEMモデルを作って貰ってもいいんじゃなかろうか。『R2』とか『R360』みたいな車名で売ったら、けっこうイケると思う。もちろん荷台付きモデルであれば「サンバー」でいい。ゼロスタートとなったら100万台の市場って大きい。

 

 

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