出光タジマEV、宏光MINIをぶっ飛ばして欲しい!

2050年のカーボンフリー化で化石燃料を販売するビジネスのガソリンスタンドの需要は無くなる。いや、2030年代に入るとCAFE2030で燃費良くなるし電気自動車も増えてくるだろうから、徐々にスタンドで利益を上げることが難しくなる。人口密度低の地域はスタンドの維持すらままならない。といった状況も電気自動車普及の後押しをすることは想像に難くない。

という近未来を見据え出光興産が動き始めた。現在と同じエネルギー供給(カーボンフリーになれば電気や水素)をベースとして、地域のモビリティを担う、というもの。今回、その中の1つを動かし始めると発表した。具体的にはタジマモーターと組んで2020年9月に国土交通省が発表した超小型モビリティの新規格に準拠した新たなカテゴリーの超小型EVを開発するという。

まだあまり認識されていないが、小型EVといっても様々。最も低レベルなのは中国だと「低速EV」と呼ばれているジャンルだ。屋根付きの電気自転車というイメージ。有名なのは『常力』というブランドで10万円くらいから買える。最近このカテゴリーにもリン酸鉄リチウム電池が使われ始めており、満充電で50km以上走るモデルなど出てきた。

この手の低速EV、乗ると遊園地の乗り物だ。遅い。パワステもないからハンドル意外に重くて安定感も無し。それより上のグレードが『fomm』のような12~15馬力で70~80km/h出る実力を持つ小型EV。中国でもけっこう高く、最低で60万円。高いのは150万円くらいする。fommは日本人がタイで生産する小型EVながら日本での価格は220万円くらいを考えているようだ。

このカテゴリーのど真ん中はトヨタが発表したC+podだろう。出力12,5馬力。リチウム電池を9kWh搭載し100kmくらいの実用航続距離を持つ。価格165万円だ。車両カテゴリーは出光タジマEVと同じく超小型モビリティ(型式指定車)になるため、2人乗れる。トヨタもこのタイプの小型EVが次世代の近距離モビリティになると考えているのだろう。

といった状況の中、突如出てきたのが宏光MINI。今までの小型EVと異次元の性能や居住性を持ち、もちろん耐久性高く燃えないリン酸鉄リチウム電池を使う。エアコン無し9,3kWhなら44万円! 宏光MINI以前の中華小型EVと言えば下のようなチンチクリン。それでも120万円とかしていた。日本だと宏光MINIは普通の安い中華EVだと思われているが、ダントツの商品力です。

ちなみに宏光MINIは27馬力もあり、今まで120万円以上していたような小型EVより圧倒的に高出力。動画など見ていると普通の道路の流れに乗って行けている。fommクラスの動力性能だと、流れに乗るのは無理--といったことはモンスター田島さんなら100も承知のことだろう。私的には宏光MINIをぶっ飛ばすようなクルマを期待してます!

出光興産はこのカテゴリーのクルマのニーズが100万台あると言っているけれど、その通りだと思う。2022年に発売され全国6400箇所のガソリスタンドをベースにするという。確かにこういった小型EVはディーラーというよりガソリンスタンド規模のメインテナンス&販売店でちょうどよいと思います。軽自動車の後継として使われることを想定している出光タジマEVを楽しみにしたい。

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ