安いタイプの後席シートベルト、死亡事故例がけっこう多いので御注意を!

以前から「車種によっては後席より前席の方が安全だ」と書いてきた。同じ理由で「チャイルドシートは後席より前席に着装すべき」とも書いている。理由は簡単。国交省がリアシートの安全基準を定めていないからだ。当然ながら3列目シートの安全性についちゃ想像するだけで恐ろしい。したがって私は親子3代で乗る場合、最初に死んでいい世代のため最後列に座る。

後席に座っていた警官が死亡

上下のリンクは最近のニュースです。上は一番安全と思われている助手席の後ろ席シートベルト着装。下なんか前席の2人は足の骨折。シートベルトしていた後席の2人が内臓破裂と頭部損傷で死亡している。ニュースではエアバッグの有無と、シートベルトの着装方法が原因だとしているけれど、そら違う。記者さん、シートベルト性能がコストによって違うことを知らない。

後席に座っていた学生が死亡

以前ボルボの安全担当者に「どこのシートが一番安全ですか?」と聞いたことがある。答えは「どのシートでも同じです。チャイルドシートに子供座らせる位置も同じです。残念ながら運転席は無理ですが(笑)」。上の2つの事故、ボルボなら同じ条件だったと思う。シートベルト性能、種類によって大きく違う。特に衝突試験モードより大きな衝撃を受けたような時に顕著。

マツダ車は広範な車種で高性能シートベルトを採用

大半の欧州車や、日本でも安全意識の高いメーカーは、リアのシートベルトも前席と同じ高機能型を採用している。具体的に説明すると、衝突の瞬間、エアバッグなどと同じシステムを使い、シートベルトの緩みを瞬時に巻き取る。緩みを巻き取らないと、人間がシートベルトに文字通り「衝突」してしまう。その時の衝撃で内臓破裂に至るのだった。

ボルボの安全センター

その上、前席と同じシートベルトは衝突時に人間の荷重がかかると、ジワジワ伸びて衝撃Gを分散する。瞬時に身体を受けとめ、ジワジワ伸ばす。このタイプのシートベルトを『プリテンショナー&フォースリミッター』などと称す。コストダウンを優先したクルマは、基本的に『ELR』という「引っ張るとロックされるだけのシートベルト」である。

ちなみにJPNタクシーのカタログを見ると「フロントELR付3点式シートベルト(プリテンショナー&フォースリミッター機構付・運転席テンションリデューサー付)/リヤELR付3点式シートベルト(左右席プリテンショナー&フォースリミッター機構」とある。JPNタクシー、後席の安全性を従来型タクシー専用車から飛躍的に向上させているから嬉しい。

私は36年前からチャイルドシート。B310サニークーペですね

ちなみにチャイルドシートの固定はリアシートベルトで行う。ELRだと衝突で緩み分だけ前に移動し、シートベルトでガツンと抑えられ高い減速Gが発生する。上級シートベルト付きなら衝突の瞬間に固定されるため、衝突によるクルマの変形と同じ時間軸で衝撃Gを発生させます。自分のクルマに付いている後席用シートベルトのタイプを知っておくこと。ダメなヤツなら前席が安心です。

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