安全性にも燃費にも交通の流れにも大きなマイナスになる大型車の制限速度アップが決まりました
昨年4月に国民民主党の玉木議員が大型トラックの制限速度を上げると言い出してからわずか1年。2024年4月1日から制限速度は90km/hになる。実際の速度リミッター稼働速度だと100km/h。メーター読みなら105~108km/hくらいだと思う。制限速度アップの理由だけれど、2024年から労働時間の制限が出来るからとされてます。関連当局の皆さん、効果的だと判断したワケ。
写真/NHK
10km/hの制限速度アップが到着時間の短縮になると思うのなら、走ってみて頂きたい。安全性や燃費を考え、4月1日以降も従来通りの速度リミッターのままという運送会社も多い。間違いなく今より追い越し車線に出てくる大型トラックの頻度は高くなるだろう。今まで通り90km/hリミッター同士で延々と併走するトラックの後にイラついた100km/hリミッターのトラックが続く。
90km/hリミッターのトラックがどいたらフル加速。減速とフル加速の繰り返しになる上、巡航速度が10%高くなると燃費は15%以上悪化する。間違いなく燃費悪くなります。4km/Lのトラックが3.5km/Lになると、500kmで3700円くらい燃料代が上がる。500kmあたりの到着時間は20分早くなれば御の字だ。だったら20分の残業代として3700円出した方がドライバーにとって有難い。
しかも100km/hリミッターのトラックは「速度計だと105km/hくらい出てるからいいだろ」と追い越し車線に居座ることは容易に想像出来る。乗用車からすれば今まで以上に大型トラックがジャマな存在になること間違いなし。そして最高速10km/h上がれば、ノーブレーキで追突する時のエネルギーだって大幅に大きくなる。100km/hだと自動ブレーキだって利かない。
安全や二酸化炭素の排出量減少が社会的なニーズになっている中、とんでもない愚策だと思う。
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昔、日本は政治家は三流だが、役人と民間企業が優秀だから回っていると言われた。今、役人も三流になり、政治家と一緒に民間の足を引っ張っている。
私は地方公務員だが、役に立たないルールを増やして、周りが守っているかチェックするのが主流派の仕事になっている。実務経験も勉強も足りないから、机上論としても辻褄が合っていなかったりする。
実際に手を動かしたり、汗をかいたりせず、仲間内の安直な思いつきを「良いね!」と褒め合っている方が上に行ける。
左側に数百Lのむき出しの燃料タンクがあるトラックは左側車線を走るべきです。右側車線を高速で走るのを許容するなら、そのトラックの構造から変える必要があるのではないか。何を持って安全だとしたのか分かりませんね。
トラックの人手が足らないなら何故主要幹線だけでも鉄道貨物や船舶貨物にシフトする方向を考えないのか?不自然でなりません。
と書くと、荷物を積むときとおろすときに人手がいるなどという反論が出るのですが、それこそ省人化の技術開発でしょう。少なくとも高速道路を自動運転させようとするより閉鎖されたヤードを自動運転などで積み下ろしさせる無人技術を考えるほうがまだ早そうな気がします。
欧州、特にドイツのアウトバーンを走るとわかりますが、大型車が追い越し車線を走ることがまずない。これが日本だと、平気で大型車が追い越し車線にしゃしゃりでて下手すりゃ走行車線の大型車と並行していたりする。深夜の東名なんか酷いもんですね。
それと制限速度以下の走行車線に戻ろうとしないゆとり乗用車もたまにいるので、日本の追い越し車線はホントマナーが最悪ですね。
2車線の区間は100歩譲って状況により仕方ないとしても、3車線の新東名なら完全に大型車とゆとり乗用車の追い越し車線走行禁止にすべきです。
警察はスピード違反と同等に、追い越し車線の取り締まりを徹底すべきです。
大型車の100km/hrへの制限速度緩和なんてする前にやるべきことです。