政治家同士のケンカ

争乱以後、ネガティブな情報ばかり書いてきた。このまま中国に進出した企業は撤退しなければならないのだろうか? いくつ
かの対策はあると考えます。まず「輸出」。以前も書いた通り、中国に進出した自動車メーカーは、中国の国営企業と組んでいる。したがって利益が上がらなければ中国政府だって損。

かといって日本車を中国で売るのは当面難しい。となれば輸出するしかあるまい。中国と良好な関係を結べている国で売るワケです。中国政府にとってもメリット大。二つ目は、中国のブランドで売る作戦。ホンダなら『広州汽車』ブランドを前面に出す。トヨタであれば『一
汽』。日産の『東風』といった具合。

もちろん来月から、というワケにゃいかんだろうけれど、人の噂も75日。今の激しい鍔迫り合いが終わった後、3ヶ月もすれば、少しづつ状況は良くなっていくと思う。ただ『TOYOTA』や『HONDA』のエンブレムを付けたクルマを買う人が激減することは、上を見たら数年スパンで避けられないです。

日本と中国の物流は「華僑」というパワフルな人達がいる。多少のマージンを払わなければならないものの、台湾や香港といった、建前上中国政府と関係ないルー
トで動く。驚くべきコトに、こんな状況なのに「鰻」の稚魚は香港経由で日本に商談が来ているという。40年で作られたパイプは、予想以上に多い。

しかも華僑は中国政府の要人に強いコネを持つ。数ヶ月すれば、中国政府だって手綱を緩める。目立たない物資の流れについちゃ問題なくなるかと。このあたりの機微や空気を読むことが重要。いかに「中国人の気質を知っているか」で今後は決まってくる。企業毎に中国スペシャリストを育てるしかない。

もう少し具体的に書く。次期型フィットを中国でホンダ車として販売したら売れない。でも中国で開発したという建前にして(実際、デザインなど中国の開発セクションが関係していると思う)、広州汽車集団とホンダの合弁ブランドである『理念』を前面に出す。中国人が開発した中国車として売ればOKでございます。

競争力や技術力のある企業は”日本政府”から距離を置いた方がいいと思う。いずれにしろ何の頼りにもなりませんから。自動車を買うような中国人は暴動を起こす層じゃない。中国ブランドで技術が日本であれば大いに受け入れてくれることだろう。オタンコな政治家や政党と一緒に沈むことはない。

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2 Responses to “政治家同士のケンカ”

  1. motocompo より:

    今回の暴動は北京政府のヤラセです。もともと中国人は団体組織より自分の損得で動く人たち。漁民も政府から金もらわなければ尖閣には行かない。
    要するに、北京政府だけが国有化に猛烈に反応してるだけで中国国民の大多数は興味ない。ほっとけば収まります。
    本当に恐いのは欧州大陸でしょう。いまだにまともに儲かってる日本の自動車産業はない。1980年代から3%以下のシェアですから。中国や米国のように日本車壊すデモンストレーションしなで長期間しずかに日本車に抵抗してるのです。

  2. オロネロ より:

    私は経営者じゃないので、中国市場がそこまで重要なのかどうか分りませんが、
    中国でのビジネスは相当厳しいと思います。
    摩擦がある度、企業はこのような事は覚悟しないといけないですし。
    そこまでしても続けたいと考えるのならば、ほとぼりが醒めるまでの時間と忍耐が必要ですね。
    それから、中国政府が破壊された工場や店舗・商品を補償してくれるのかどうか・・・
    難しいと思います。
    暴動は一部(それでもかなりの人数か)の馬鹿かもしれませんが、
    それをコントロールしているのは中国政府ですからね。
    現に政府が暴動の停止を呼びかけた途端、沈静化の方向に向かっているようです。
    日本が悪役の、抗日ドラマも政府お墨付きです。
    また、暴動に参加しない層も日本(製品)にはかなりのアレルギーがあるようです。
    せっかく日本車を買っても破壊される、というのもあります。
    これでは、いくら日本製が欲しくても二の足を踏むでしょう。
    私としては、軸足を中国から別のアジア諸国に移したほうが良いと考えます。
    これ以上技術を盗まれないためにも。

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