日本の自動車産業が直面している大きな課題は電気自動車ながら、このままだと厳しく思う

先日BYDのATTO3の紹介をして動画も作ってみた。試乗したら心底「コレはマズいかも」と感じたからだ。すでに総合評価で日本勢が有利な部分は「実績」くらい。しかも進化の速度たるや驚くべきレベルだと痛感する。10年前までBYDのパクり車を見て大笑いしてましたから。下は2008年の上海モーターショーの『F3』。カローラの丸パクでエンジン三菱自動車製。

BYDと言えばパクリ総本舗みたいでした

それが14年で日本勢が驚愕する下のようなモデルを作れるようになった。しかも現在進行形でドンドン進化していってる。遠からずスマホや液晶TV、ラップトップ(かつては日本の得意分野だったことすら忘れられようとしている)のように負けてしまうかもしれない、と思うことも出てきた。私ですら3年前ならそんなこと絶対無いと考えていたのに。ライバルの速度感はハンパ無し!

全てに於いて負けた感を持つATTO3

残念ながらブレーキ踏んでいるのは「変化を望まない」という人が多い日本社会だったりする。国民によって選ばれた議員さんがその気になって前向きの方向を決め、役人が「義」を共感できたら実行してくれます。先日、衆院議員の古屋さんとWRCのTV放送で御一緒した。雑談していたら何と! 高速道路の120km/h化を実現したのは古屋さんでした!

古屋さん登場のWRCスペインは30日の23時~

有力議員が正義を持って動けば、いろんなことを実現出来るんだと思う。モリゾウさんは絶対やらないだろうが、あんな人が議員ならいろんな「夢」を実現出来そうな気がする。もっといえば日本にもたくさんの逸材はいる。されど前述の通り「変化を望まない」人が多いため、動けないのだった。新しいことをやろうとすると必ず足を引っ張ろうとする輩が出てくる。

エネルギー問題も既存の施策で利権を得ている人や企業が多いため方向変換できない。これを動かそうとすれば、古屋さんクラスの実力者が下を見て50人くらい必要になってくるだろう。おそらく国民の大半が困窮しても今のまま突き進むと思う。状況としちゃ軍部が勝手に始めたのに国民は看過した太平洋戦争と同じ。最後まで国民は黙って痛い目を受け止めた。ある意味凄い!

私らメディアに出来ることは世界的な状況の紹介と「このまんまじゃダメだ!」という憤りパワーを貯めること。そして困窮しないためのサバイバル手段を考えることだと思う。私がこの仕事をしているくらいのスパンだと”維新”は起きないかもしれない。だったら、それまで困窮に巻き込まれず人生楽しく過ごす方法を考え実現するのが一番だと思います。

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9 Responses to “日本の自動車産業が直面している大きな課題は電気自動車ながら、このままだと厳しく思う”

  1. 猫まんま より:

    わー懐かしい。
    これぞBYDって丸パクリカローラ、確かファンカーゴの丸パクリもあったはず。
    冗談はさておいて、日本に足りないのは勢いです。
    中国はパクリ上等な国ですが近年は日本や海外の技術者を好待遇で引き抜いて技術の向上に努めてきました。日本のメーカーが技術者を技術者を冷遇してきたツケが回ってきましたね。
    もうこの体質は変わり様が無いでしょうね。
    某三●なんか本社の品質部に居た人が60歳になると男子寮の管理人になれとか言われたらしいですから。
    しかも年収800万だったのが最低賃金で。
    まあ●菱に品質部が有ったこと自体が驚きなんですが。
    現状考えるとトヨタが本気でグループの総力を挙げてやるくらいしかないでしょうね。それでも厳しいかも。電気自動車の時代になればコモディティ化が進み差が無くなるとは前から言われていたことですが結局メーカーは何もしてこなかった。
    極論言えば品質はさておきプラットフォームだけ他所から買ってきてモーター載せてバッテリー積めば電気自動車は作れるわけですから、テスラですね。
    前にも書いたけどテスラなんて何一つ新しいことはしておらずデカいバッテリーとモーター積んだだけのPCにタイヤを付けただけのものです。でもダンピングまがいの低価格で売って利益は排出権取引で出していた。日本のメーカーにこういう発想が出来るでしょうか?
    ただ不思議なのは自動車メーカーの株主は何も言わないのでしょうか?このままいけば持ってる株が紙くずになるというのに。

    • AJ より:

      テスラはハードウェアの電池はパナソニックから買っていますが、電池の制御を内製でやっていて、そこの技術の蓄積がハイレベルだと聞いたことがあります。
      私はハイブリッド車の開発エンジニアやってましたが、ハイブリッドって動力源が複数あるので、制御ロジック考えるのがメッチャめんどくさいんですよ。
      なので、当時の上長もハイブリッド作れたら、EVなんか簡単にできると仰ってましたが、テスラを見ていると事はそんなに単純とは思えないです。
      EVはEVなりの難しさがあるのではないかと、bZ4Xとソルテラを見て思うのです。
      日本メーカーにもこれから頑張って良いEVをリリースしていただきたいものです。

  2. ぱんだこぱんだ より:

    これはもう止められない流れなのかも知れませんね。
    あるならば欧米がこのままでは中国に美味しい所を取られてマズいと、大規模な規制を掛けるなどの外的要因が発生するか、ぐらいでしょうか。

    BYDが日本で成功するイメージは出来ませんが、世界ではイメージ可能です。それぐらいの位置にはもう来ている。

    日本メーカーは2社ぐらいに集約されて、軽自動車規格の電気自動車を作る日本ドメスティックなメーカーとなってしまうのかも知れませんね…。そうなると日本経済には計り知れないダメージが来ることになりそうです。

  3. うましか より:

    保有しているクルマが来年13年超になるため、自動車税が重課税となるため、次の候補のクルマをと思ったところ、納期が一年超、はたまた受注停止という異常事態。
    電気自動車どころではありません。
    ユーザーとしては、信頼できるメーカーで、安価であればそれでいい。
    BYDでもトヨタでもいい。
    ただ、危機感を持たないと、日本沈没。
    日中国交回復50年、当時とは立場が違うことを政治家はわかっているのか。
    いずれにしろ、トヨタがダメになったら、日本沈没!

  4. uresiina より:

    国や業界には期待できないとしても、「このまんまじゃダメだ!」っていう国沢先生のような評論家の方が、少なすぎます。

  5. CX-60 より:

    自動車産業はすそ野が広い産業です。
    で、電気自動車はいまのところ先行投資の部分があります、それで負けていると。
    ということは、すそ野が広い産業で、研究開発や先行投資の部分で負けているという話になります。

    ただ、車を話は離れてしまうのですが、いま何かしようと思ったら、まずは中国依存を何とかすることではないかと思うのです。第2の貿易・産業相手国を見つける。
    何か先行開発しても、半導体から何から中国が入り込んでいたら、そこを絞られると頓挫してしまうわけで…。
    まずは、衣食住に必要なものから手を付けるのか、半導体を国内に呼び戻すのか、自動車生産の中国依存を止めるのか。いずれも、国が考えてくれないと、という部分はあります。
    ただ、企業でいえば、ホンダが考えているのは、BEVは中国物とアメリカ物で共通性はない(電池は韓国)ので、アメリカ物で勝負しようと考えているのかなと思います。

  6. しんぶんし より:

    いっその事、台湾侵攻でもあれば…
    ということは台湾侵攻は無いネ

  7. Koba より:

    世界を見渡すと EVが 天王山 決戦場になってきた。日本メーカーは決定的に遅れている。 利益の1番稼げる 北米でも 日本車は 上位にあったが この頃は 現代が トヨタの次ぐらいに迫っている。完全にホンダ日産は追い抜かれた。 現代は 今でも 世界 年間800万台 ホンダ日産は各450万台。 ハイブリッド 技術 は 一番。だけど顧客の目は みんな EV。 5年経ったら 世界年間販売台数、VW- 現代 なんて嫌です、トヨタ-VW でいてほしい。頑張れ日本車。

  8. z151 サンバー愛好者 より:

    黒船ならぬ赤船来襲かもしれません。

    音響機器で「音響危機」を如実に感じましたが、映像やマルチチャンネル分野、スピーカー分野はまだ中国製の「コレ」というものは見いだせていません。
    それも時間の問題でしょう。

    パクリでも何でも「作ってみて初めて分かること」って多いです。
    本で泳ぎ方を勉強しても、実際に泳いでみるのとはまるで別みたいなもの。
    BYDが最初からそんな高尚な思想だったのかとか、パテントどうなんだとか気持ちが湧き上がってくるのは私が日本人だからでしょうか?
    正しいかそうじゃないかは置いておいても、今は最先端レベルのクルマ作りができるBYDになったのは証明されてしまいました。

    タイミングを前後して「トヨタは電気自動車の戦略を大幅に見直す」ことを発表しました。
    国沢さんが掘り下げてくれましたが、まだ一体何のことを示しているのかハッキリしない感じで正直消化できていません。
    こういうのって2~3か月後くらいに「ああ、このことだったのか!」と判ることが多いような気がします。
    今回は製品化されるのに更に時間が掛かるかも。
    カローラクロスとかカローラにあちこちカサ増ししてSUVにした跡がありましたが、あの方式ではハイブリッドまでは通用しても世界戦レベルのEVでは戦えないということなのかなと今は考えています。
    電池にしても全固体電池は現状衝撃に弱く、大型化にも苦労している状態。
    いずれは改善するでしょうが、時間も読めないのかも。
    かつてソニーが有機ELを開発していち早く発表したけれど、大型化もできず、寿命も極端に短いものしかできなかった(確か数十時間)と記憶しています。
    数年後に韓国から32インチクラスの有機ELテレビが当然のように発売されてビックリしました。
    全固体電池も「もう少しでできると思います」といわれても「いつできるんですか?例えば来月にある次のレースに搭載することになっても間に合いますか?」となっても「……。」ならば次の手を考えていなければならない。

    今回bZ4Xでやばいかなと思ったのは、プログラム保護なのか電池性能の限界なのか、連続急速充電性能が十分ではないのではないかという疑問点が明るみになったことです。
    あまり詳しくないのですが、高速道路上で250㎞走っては急速充電してまた連続走行みたいなことをすると、どんどん充電容量が減って行って航続距離が数十㎞になってしまうようなこともあるとか。
    充電された量ではなく30分で急速充電は切れてしまう上に料金は30分なので定額、こうなると「遠出ドライブも帰省もできないじゃん!」なんて声も上がりそう。
    電池交換できたり、走行中充電レーンで充電できるといいのですが。
    リチウムイオン電池の弱点に充電しながら放電すると寿命が縮むというのもありますが。

    纏まりなくて長文申し訳ありません。
    このままじゃヤバイということです。

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