日本企業の経営陣はカーボンニュートラルに対する熱意が低いよう思う!

地域によっても状況は違うのだろうけれど、東京の環境問題について言えば1972年5月に起きた光化学スモッグが発端である。奇しくも私がPTA会長をやっていた石神井南学校で突如多くの生徒が体調を崩し、バタバタ倒れた。すでに足尾の鉱毒やイタイイタイ病、水俣病、四日市ぜんそくなどあったけれど、いずれも特定の企業が引き起こした健康被害。企業に原因ありました。

写真/北九州市

しかし光化学スモッグは「汚染された排気ガスを放置した人達の連帯責任」だ。以後、環境問題は人間という生物の存続に大きな影響を与えるという認識を得た。現在進行形で問題になっている二酸化炭素も同じ。大量に放出すると同じようなことになると私は考えている。しかし! 東京や公害の発生している地域で生まれ育った人からすれば、皆さん公害という概念が薄いかもしれません。

日本の自動車メーカーの首脳陣を見ると、割と平均年齢は高い。「子供の頃に深刻な危機感を持たなかった人はもしかしたら真剣に環境問題を考えていないのかもしれない」と最近感じる。だからこそ皆さん世界の流れがカーボンニュートラルだからイヤイヤ守ろうとしているように思えるし、様々な理由を付けて「できない」と主張するんだと思う。マツダの古賀専務なんか典型的かも。

世界の動きを見ていると悠長なことを言ってない。人がバタバタ倒れた光化学スモッグを見て、関係者は素早く真剣に動いた。難しいから先延ばししよう、にならなかったです。欧州にとって二酸化炭素問題は同じ。できれば今日にでも二酸化炭素排出量をゼロにしたいように見える。今日は無理だけれど、できるだけ早くしたいんだと思う。お金掛かっても不便でも急いで実現したいワケ。

ちなみに光化学スモッグはアメリカで問題になっていた。だからこそ1970年に「そんなことできるワケない」という厳しいマスキー法を定め、1975年以降のクルマの排気ガスをクリーンにしようと動く。日本も追随しようとしている1972年に光化学スモッグが発生し、お尻に火が付いたのだった。自動車メーカーだけでなくその他の企業や政治、行政にも言えるけれど、スピード感が重要です。

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3 Responses to “日本企業の経営陣はカーボンニュートラルに対する熱意が低いよう思う!”

  1. CX-60 より:

    日本はカーボン≒石油系の燃料や材料の多くを輸入に頼っており、ロシアによる侵攻によりますます入手しにくくなっています。
    なので、そもそもカーボンニュートラルやオフセットを推進することは石油に頼る必要がなくなり楽になるハズなのです。
    たとえば、所有する車がEVになれば自宅で充電するからガソリンスタンドに通わなくても済みます。車の窓を開けて(マスクをしているとはいえ)スタンドのあんちゃんに大声を掛けられて、コロナうつされたらどうしよう(失礼…)なんて心配をしなくて済むわけです。
    おそらく、自動車業界がカーボンニュートラルを避けたがるのは、欧州のBEV戦略の術中にはまってしまう・そうなるもんかという意識が強いからだと思います。でもそんな挑発にムキにならず、さらっとEV開発・普及を推進し、ディーゼルvsTHSみたいにまた日本にやられたと言わせてほしいです。
    直近は円安になりましたがまた円高に戻れば石油も買いやすくなります。
    それに助けられている一面もありますが、BEVが広がらないのは、欧米に比べてガソリンがまだ日本は相対的に安いというのもあると思います。
    国は原発を推進したいため、電気の値上がりを承認しちゃうかもとか節電要請もしてきます。TVでも電気代高いとインタビューされています。でも最近増えている新築ついでにソーラー発電も購入した家庭の電気代は従来の家庭の半分くらいで済んでいるはずです。なぜそれが明るい話題なのに報道されないのか不思議ではあります。

  2. アミーゴ5号 より:

    自分でも少しは勉強しなければと思い、先だってeco検定なるものを受講して何とかクリアしました。

    eco検定のおかげで、カーボンニュートラルについても、これまでの国際的な検討経緯や対応、データによる裏付けに関して、ある程度理解できました。

    一方で「これは本当にヤバい!」という気持ちになったかというと、検定だから危険度や危機感は強調していないのですね。いわゆる社会科のお勉強の粋を出ていませんでした。

    また、現在の自動車業界のEV至上主義の根拠についても、よく分からなかった。EVは原材料から製品製造、廃棄迄のプロセスで、また燃料・電気ではエネルギー生成から消費迄のプロセスにおいて、それぞれで発生する二酸化炭素をトータルで分析するべきなのに、EV一本で推し進めなければいけないという合理的な解説は、見当たりませんでした。

    EVの欧州陰謀説はありよりのありだと、ホントに思いましたヨ。

    あらためて、モリゾウ社長の考え方が、一番納得できると再確認した次第です。

    ただカーボンニュートラルとエネルギー政策については、間違いなく世界の課題でありながら、日本政府はとびきり大きな馬と鹿だということも実感しました。

    自分自身でも、できることはトコトンやることにしようと心がけています。

  3. CX-60 より:

    今日初めて東北自動車道の120km/h区間を走りました。
    急ぐ必要はないのですが、その120km/hの制限を生かして走っている車と一緒に走ってみました。
    車はプリウス、佐野~三郷ICの120km/hを含む100㎞超の片道で23Km/L弱でした。車が速い分アクセルオフで回生できる分も増えている気がしますが、燃費はやっぱり落ちるかなという印象。なので120km/h巡行はエンジン直結をもたないHEVやEVにはさらにきついような気もしました。そもそもリーフ・e-power標準のリミットが140km/hなので…。
    この辺は高電圧800vのEVなら問題ないのでしょうが、みんな対応させるにはタイヘンだし、高速に移動したいならクリーンな内燃機関も必要だと思いました。

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