日本勢は楽観的?

新型カムリが発表された。アメリカでの評価をチェックしてみたら全般的に厳しい感じ。「新しさがない」とか「以前なら通用
したけれど今はソナタという強敵が存在する」など言いたい放題。最も好意的な記事で「カムリの顧客達なら新型も喜んで買うだろう。ただ新しいユーザー層を獲得することは難しいと思う」だって。
 
もちろんトヨタも手を打っている。何と40種類ものCFを作成し全米で流しまくるそうな。新型車ながらインセンティブ(まぁ値引きです)だって付けるという。これ、一昔前のアメ車がやってきた戦略。きっと「好意的な記事」のようになると私は考えます。現代自動車だけでなく、今やフォードやGM、VWも強敵である。
 
ちなみに新型カムリ最大の売りは軽量化などによる燃費改善。高速燃費を見ると33mpgから35mpgに向上させた。ただソナタはすでに35mpgを達成してるし、アコードだって34mpgで大差なし。決定的なアドバンテージとならないだろう。加えてデザインだって代わり映えせず。どこまで防戦出来るだろうか?
 
もちろん決定的な「負け」とはなるまい。もしかすると大宣伝作戦が功を奏し、大売れるする可能性だってある。というかトヨタはそう信じてます。新型カムリを見て「トヨタの技術者もクルマ作りのワクドキ感を失いつつありますね」と強く思う。「追いつけ追い越せぶっ飛ばせ」の気持ちをもう一度思い出して欲し
い。
 
ECOカーアジアで韓国勢の新型車を紹介しているが、明らかに「追いつけ追い越せぶっ飛ばせ」の意気込みを感じる。「欧州じゃディーゼルを必要とする」と判断したら、とにかく作るのだ。ホンダだってフィットのディーゼルは2代目になっても無し。無くても勝負になる、という楽観論はどこから出てくるのか?
 
・ECOカーアジアは「欧州でも韓国車の躍進始まる

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8 Responses to “日本勢は楽観的?”

  1. mmk より:

    社会全体を覆う無力感(一言で言えば政治、経済、社会に対する妙な諦め)が一人一人の社員を介してメーカーの企画・開発部門にも悪影響を及ぼしつつあるように感じます。クロスボーダーの仕事をしていると日本の担当者の方が非常におとなしく、無難な結果を求めていることを感じます。製造部門は日本に残しつつも、経営、管理、企画といった企業の基幹部門を米国西海岸、英国、ルクセンブルグといった外国企業に寛容な地域に出し、日本人以外の人材を登用することも考える時期にきているように思えます。トヨタやホンダといったグローバルなブランドであれば、基幹部門が例えばルクセンブルグにあっても企業のアイデンティティーは維持できるのではないでしょうか。製鉄最大手のミタルがルクセンブルグに籍を置いている例もあります。

  2. アミーゴ5号 より:

    ターゲットが明確な時の日本勢は強い(はず)。
    トヨタの値引き攻勢をみると、自身が一番強く認識していると思います。
    ホンダもしかり。
    一方マツダとダイハツは、燃費というターゲットに対して、凄い成果を出してきています。
    数字の根拠は全くありませんが、トヨタ、ホンダには2年後の横綱相撲を期待しています。
    日産は・・・、オーナーですがよくわかりません。

  3. かず より:

    韓国や中国勢の最近の政策的な動きは、日本の苦手分野です。
    あちらは、国を挙げてやってますから、企業単位で動く日本勢は辛いです。
    っていうか、金無い金無い言う割には何もしないようにしか見えない日本の政治家と一部の官僚は、何なのでしょうか?
    カムリは、一つの日本企業の商品に過ぎません。しかし、世界中に売っている商品の一つでも有ります。
    カムリだけじゃ有りません、日本はもう少し、国としても日本のあらゆる物を売るサポートを、しなくてはならないのでは?

  4. 真鍋清 より:

    小生、新型レクサスGSの臆病風に吹かれた「とろけた造形」を見て体中の力が抜けていく感を覚えた…..我が国企業の「ぬるま湯意識」はいつ立ち直るのだろうか?

  5. さね より:

    カムリ…確かに退屈なデザインに見えますけど、今までのトヨタデザインの中ではまともな気がします。鉄板のペラペラ感すごいですけど。変な線やディテールでデザインするのやめてくんでしょう、形や塊感で見せる方向に多分。トヨタとしてはまともだけど世界的にはまあ…平凡以下なんですかね?変わろうとしてると思うので個人的にはイヤでないです。けどあまりにレベル低くなっちゃってたんすねデザイナー&造形する人。少し前の昔はまだまともだったような気が…。仮にアグレッシブに攻めた、デザインにしたら余計変になりすぎたんじゃないですかね今のトヨタだと? アメリカ人も日本人も嫌なら買わなきゃいいだけだし。買わない方がこの際いいでしょ! トヨタはもう魅力ないのでハイブリッドシステム以外、開発デザインをダイハツやスバルに任してインバーターやら電池やら次世代技術に特化してけばいいんじゃないですか。トヨタが好きな合理的だしリストラもできるし、あぶれた人はダイハツやスバルやアイシン精機やらいずれはマツダ?グループ内で、再就職したら日本車も変わるでしょう! 楽観的でなく実力がないんだと思います。

  6. G35X より:

    バンクーバーの街角でもフィアット500を良く見かけるようになりました。運転している人を見ると「小さいけどデザインが気に入ったから乗っている」と言いたげです。それに比べてトヨタのヤリスは「お金がないからこれしか乗れない」です。トヨタは低価格の車に乗る人を惨めな気分にさせるのがうまい。「いつかはクラウン」がまだ通用すると思っているらしい。2012年型カムリも国沢さんの仰るとおり、北米の車関係ウエッブサイトやフォーラムでは「改良の痕跡は見られるが、まだ味気ない」がコメントの主流です。ことトヨタとなると好戦的になる車好きが多い北米ではフォーラムによっては炎上気味です。富士重工、マツダの良いとこ取りをしてでも国沢さんの言う「ダントツ車」を早く出さないとジリ貧です。

  7. samine より:

    経営者が車に見識のない人ならば日本車メーカーは潰れたって仕方ありませんね[E:sad]
    トヨタ首脳陣はバカではないと思いますし危機感もちゃんとあると思います。ただ、新型カムリを見ても思いますがデザインがダメ[E:punch]車づくりも正直言って技術以外一切進歩してないと感じます。これは日本車全体に云えることですが…[E:despair]
    欧州メーカーは常に新しい考え方を取り入れる一方で古い車づくりも大切にしてると感じます。ドイツのVWとイタリアのフィアットは特にそれを感じます。流石に欧州を代表するグループですね[E:sign03]その点日本車メーカーはどっちつかずで中途半端。その上、車に対する独自の考えも無いから、良い車が日本からは生まれないのも当然だと思います[E:angry]
    価格競争ならば韓国勢などと闘っても負けるのが当然であって、価格で勝負するのがおかしい[E:sign03][E:angry]日本車もいい加減「安かろう」路線から脱して欧州車的な質の高い魅力的な車を造らないとこの先負け続けて家電の様に海外市場を失うだけです[E:despair]
    高い給料を貰ってるメーカーの首脳陣がなぜそんなことも解らないのかと理解に苦しみますが、兎も角日本車メーカーには自動車そのものに対する見識を深め、価格以外に魅力と訴求力ある車づくりをして欲しいですね[E:punch]

  8. G35X より:

    先月の米国モデル別車販売台数をご覧ください:
    http://images.thetruthaboutcars.com/2011/09/graph-36.png
    小型トラックの異常ともいえる販売台数は別として、ホンダ(特にシビック)の凋落振りは目を覆いたくなります。かなり以前から新車が出るたびに「面白味や特徴がない」と批判されてきても経営陣が聞く耳を持たなかった報いです。その昔乗用車に空冷楕円ピストンのエンジンを搭載させた本田宗一郎さんの確信犯的頑固さではなく、その後の経営陣は他人からの批判や意見に対し攻撃的とも言える自己正当性反論のみでごく普通の車を出し続けてきたのが今日の体たらくです。奮起してもらいたいものです。北米で失った信用を取り返すのは容易ではありません。

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