対症療法ですけど

トヨタはアメリカで「トヨタ叩き回避大作戦」を開始したようだ。昨日あたりからトヨタをかばうニュースが少しづつ出てきた。「トヨタの電子制御系のトラブル発生比率は低い」というニュースを皮切りに、本日になってトヨタ工場のある4つの州の知事が「公平な扱いをして欲しい」という声明を出した。

優秀なスタッフを集めた対応チームを作り、名誉回復しようと考えたのだろう。昨日からインターネットの掲示板などにも、明らかに「これは?」と思えるトヨタ擁護/援護のコメントが目立つようになってきた(1分以内に別の人から同じ内容のコメントがあったりしている。さすが私のブログには無いです)。

「予算さえ確保していただければ何とかします」という流れになったのかもしれない。相手側も同じコトをやっているのだから、戦い方としては悪くない。勝てる可能性大。ただ戦うからには徹底的にやらないと負けた時に痛い目にあってしまう。正しい対応は「トラブルの原点に戻る」だと思うのだけれど……。

冷静になって考えればトヨタの評価は依然として高い。技術力もあるし、体力もある。何よりユーザー達がトヨタの品質を認めてます。迷うことなく世界TOPの自動車メーカーだと思う。日本にとっても大切な企業だ。今回の作戦、対症療法なのが気になるけれど、上手くいったらいいな、と思う。

<おすすめ記事>

10 Responses to “対症療法ですけど”

  1. たかきゅ〜 より:

    前原大臣が米駐日大使と会談して冷静な判断を求めるとのニュースを見ました。何か対応が遅いという感じがしてなりません。
    米議員が騒ぎ出した時点でトヨタ自身で解決するのは難しくなるのは当たり前なので、もっと早くに政治家も火消しにまわるべきであったように感じます。
    当然、不具合についてはトヨタの責任で対処することですが、これまでの鳩山総理等の発言などは「早く解決して」とあまり気に掛けていないように感じます。
    日本のエコカー減税、普天間、あるいはアメリカ国内の自動車産業保護などがちらついてしかたありません。
    こんなときこそ政治家はきちんと国益を考えて行動して欲しいところです。
    とにかくがっかりです。

  2. glover より:

    国沢さんが心配していたアメリカでのトヨタバッシングが実際に起こってしまいましたが、今回のことで日本のマスコミにがっかりです。日本の企業を庇う気持ちが全くないことに腹立たしさを覚えます。ニュースの垂れ流しじゃないですか。本当に不良品を売っていたなら確かに非難されるべきですが、今回は違うように思います。日本には真のジャーナリズムがないのではないかと思います。横並びの報道には飽き飽きしています。

  3. 小役人 より:

    国沢先生の意見に同意します。
    トヨタには他の追随を許さない、企業力に裏打ちされた優れた技術力があり、今回のトラブル処理をうまくこなせば深刻なダメージは回避できると思います。
    ヌーミーの件や、新車購入補助に日本車ばかりが殺到・・・という事情から、アメリカ世論の反発は理解できる部分はありますが、あいも変わらず日本のメディアの感情的な報道にはうんざりします。
    今回に限らず、日本の(というか世界的になのかな?)メディアは、ひとつのニュースソースを徹底的に持ち上げて褒めちぎるか、徹底的に批判して貶める報道しかできないように感じています。もっと中庸で冷静かつ合理的な報道はできないものでしょうか?
    プリウスのブレーキの件は、違和感発生時に、思いっきりブレーキを踏めないドライバーにも問題があると思いますし、報道で経験者の意見(タクシー運転手など)を聞くと、人間側の操作の補正で対処できる程度の問題であると感じました。
    それに比べればトラブル発生時に対応のしようがないホンダのエアバック欠陥のほうが何百倍も恐ろしい問題だと思うのは私だけでしょうか・・

  4. hide より:

    ものづくりに携わる者の一人として、あまりにアメリカ、日本のトヨタ叩きがひどいと思い、知ってか知らずか個人的に擁護のコメントしてました。
    個人的にトヨタの車は買ってませんが、メーカーとしてやはり素晴らしい会社だと思います。

  5. T.K. より:

    私も、日本のジャーナリスム(ジャーナリスト)は絶滅危惧種になっていると思います。今回技術の面では国沢先生がTVで活躍されましたが、技術に疎くてもジャーナリストとしてやるべき事はいろいろあったと思います。
    例えば、日米のリコール制度やクルマの認証法規の考え方の違いを説明した上で、トヨタが何をしてしまったのかとか。
    TVのニュースには、福島消費者相はあまり登場していなかったと思いますが、ユーザーが不安を抱く事象に注目してリコール制度の課題を改善させるのは、あなたの仕事でしょうとか。取り上げ方はいろいろ有りそうなものですけど。
     米国のリコール制度は「長官が認めたら」と、恣意的運用がある事を前提としているのに対し、日本の場合は、「部品の欠陥」つまり認可されてお墨付きを貰った部品と違う部品が出来てしまった時にしかリコール出来なかったはずなのに、だからトヨタの歯切れが悪かった(と思われる)という事は全然「報道」されないんですよね。
    リコールやサービスキャンペーンという名前の違いは、メーカーのサービス精神の発露では無く、法令に基づいていて、それを融通の利かない役人が運用していると言う実態を知らしめた上で、「超一流メーカーとしてそれでいいんですか?」と叩くべきだと思いますね。
     ただ、日本で法令の恣意的運用をされたら、単に不公平な運用になるだけの様な気がしますが、気を廻し過ぎでしょうかね。
     これは後だしジャンケンなのですが、今回のプリウスの改修で10-15やJC08のモード燃費悪化は無いはずと思っていました。これも技術的根拠では無く、「1月から"内緒”で工場生産開始している」という状況証拠からです。今回の件でトヨタは法令違反はしていません(報道されている情報では)が、内緒で認可項目の変更をやってしまうと「お縄」になってしまうからです。以前、仮定のはなしとして「・・・たいした事ないですね」と書きましたが、試験データ偽造で問題となっているようなメーカーとは、さすがに格が違う(はず)です。
    実際に使う場合の燃費がどうなるかは、国沢先生が入手された情報を信じるしか無いですが。

  6. M.F より:

    対処療法(対症療法)に対する原因療法は
    ”何故そんな状態で発売されたか?”の理由とその対策ですよね。
    ・プログラムで対策可能、燃費にも影響なし
    きっと本当の理由は言えないでしょうが
    煮詰め足りなかったようにしか見えません。
    アメリカはピンポイントでそこを突いてきた。
    輸入したプリウスなんて昔のゼロ戦並みに憎いでしょうから。
    マスコミも酷いですがトヨタに隙があったのも事実です。
    原因治療を願いたい、日本のためにも・・・

  7. なまず より:

    私は、米下院の公聴会までに、今回のプリウスのブレーキ問題についての詳細を、YouTubeで情報公開すればいいと考えています。公聴会が追求しようとしているポイントを、先回りしてYouTubeで公開してしまえば、公聴会を骨抜きにすることができるでしょう。
    今回の問題では、ユーザー以外、さらに車と直接縁のない人々にまで、トヨタのネガティブなイメージが浸透しています。このイメージは、トヨタだけに留まらず、ジャパンというブランドに向けられるものでもあります。
    今後トヨタが対応を誤れば、ジャパンブランドに対して、ネガティブなイメージが、世界的な規模で幅広い人々の間に浸透していくことになります。それだけは絶対に避けなければなりません。
    したがって、不特定多数が抱いているであろう負のイメージを払拭するためには、YouTubeのような開かれた媒体での情報公開が不可欠ではないかと考えます。
    詳細

    http://mago9g.blog108.fc2.com/blog-entry-28.html

  8. 九原 より:

    今回の件から、あらゆる不具合情報を積極的に流していくという方向を表明したことに期待します。
    勿論それはいろいろな制約や数多の周辺パーツメーカーなども含めて管理体制強化しなければいけないなどハードルももの凄く高いことでしょう。しかしながら製造者責任という考え方に対しても、新たな局面を開いてくれる可能性を感じます。ですので過大で早急な期待を抱くよりも、当面はなま暖かく、それから本当に暖かく見守れるといいなと思います。
    また今回の件からソフトウェア面の管理に関しても期待したいです。テスト法や評価法などについて、カイゼンの成果をまた広く世界へアピール出来るように。それはまたPCなどのソフトウェア産業に対しても一つの指針となり得るのではないかと考えます。
    こうした点から、新たなカイゼンによる枠組みを示していける力をトヨタなら持てると信じたいです。レースなどの文化面については批判しましたけど、世界を変える総合力を持つ、誇れる企業であって欲しいというのが願いです。

  9. ケイイチ より:

    プリウスは、トヨタが開発に着手してから自社のHB技術で特許の塊です。後発の企業はHB開発で!高い水準で造るのは至難の技。最新技術で全くバッティングしない範囲は少ないからたいへんでしょう。どこか・・・自衛隊に供給されないF22ラプターやF35戦闘機の配備みたいで、まさに洩れたらマズい最新技術のテンコ盛り。そんな世界で、圧倒的なスペックを誇るプリウス。他社は技術供与のライセンス生産か独自開発のホンダ路線が見本。アメリカでも日常どこでも輸入国なら買えるプリウスは、単なるエコカーどころか次世代クルマ社会への布石として期待が大きかったのでしょう。既存のトヨタ車もコストダウンに選んだ部品の共有が禍いすると、多車種の同時多発リコールになります。性能面でライバル無しなんて素晴らしい評価、アメリカでは政治やクルマ分野も含めた不透明な時代背景で苦しむ民衆には期待していた”縋る藁”そのもの。東洋から来た・・小さな英雄?みたいなプリウスへの典型的な信頼の高さが失望や反発に転じたのですね。まあ今回は・・・肝炎みたいに潜んでいた病気(肝臓癌は防げました)。普通は罹患した悪い患部を治療するか摘出するのが正当ですから、リコールにより痛い部位を適性に修理すれば良い対応ですが。とりあえず高額な買い物のクルマで、購入後の故障などアフターから解放されている?辺りが魅力の日本車勢ですから。 唯一の違いというか知りたいのは、私達が思う以上に革新的な技術(妙薬)のプリウスだから・・と人気が赦されていた部分、トヨタ車イコール日本車への信用という図式は大きい。それが瓦解したから集団ヒステリーも桁違いだったのでしょう。暮らしには日本以上にクルマが必要とされる米国では、まだ夢も希望も一緒に燃やしている内燃機関。生産も販売も新しいギミックに移り変わるのは簡単にいきませんから。江戸時代、引きこもり国家の日本が鎖国を廃した悪戦苦闘の時代と似てもいますか?。空みたいに自由に発想して生きることが心の新陳代謝、あの坂本龍馬も当然ながら若者なんですね。老練な思考と確かな手応えが逃げ道として求められてもダメだった。米国産業のライバル日本企業でも高精度の技術ならと・・受け入れられていたでしょうから。金銭の損失より”失望”を読めない日本企業は痛かったでしょう。これで収束してくれるという”約束の地”・・・理想的な対症療法はありません。キング牧師暗殺の様なテロや軍事衝突にみられる明確な事象でなく、不景気や経済破綻は・・気付かず患部に浸潤するような・・スキルス胃癌とか目立たない?大腸憩室炎みたいな疾患です。長い目で見たら、精密な健康診断で総点検が行える訳ですし、これはトヨタ程の体力が無ければ潰されています。グローバル企業として次の時代を見据えた戦略に生かせれば幸いです。将来は、クルマ自体が不要とされる社会とて絵空事とはいいきれません。失恋も熱愛も初恋も・・・魂あってのこと。愛するクルマ、愛車という言葉が好きです。文化には洗練する意識が必要です。アメリカにクルマを売るだけよりも、例えば頑丈が売りのアメ車に日本製のエンジンを載せ換えて低燃費と耐久性を付与する新しい技術の展開など、資源を活かすやり方でしょう(難しいですが)。アメ車も魅力的です。いまは大量に稼動していますが、単に日本車を販売して相手の居場所を無くすより資源を延命させるドナー登録と共存路線です。中身は日本の精神を理解していただける。お寿司や醤油ドレッシング?ではありませんが(笑)、理解には築きあげた信用が重要なファクターです。半世紀・・頑張ってくれたトヨタそして日本のクルマ企業の苦闘に・・ありがとうを言いたいです。

  10. G35X より:

    トヨタの広報担当者に提言します。
    冬季オリンピックが今開催されているバンクーバーは世界の大都市で一番プリウスのタクシーが走っている町です。大雑把に言ってタクシーの半数以上ががプリウスです。今オリンピックの報道で世界中から報道関係者が来ています。トヨタの広報はそれらの記者に働きかけて、タクシー会社やドライバーの生の声を聞くよう仕向けるべきです。この町に住む小生は今までプリウスを悪く言うドライバーに会ったことがありません。雨が多く、坂道だらけのこの街で本当にブレーキに問題があるなら先ずタクシードライバーから出てくるでしょう。

このページの先頭へ