日産、2030年までに電動車開発のため2兆円投資。スズキだって1兆円投資するのに~

日産が2030年までの長期ビジョンを発表した。長期と聞けば20年くらいをイメージするものの、動きの早い昨今の状況を考えれば9年後も「長期」ということなんだろう。主な内容は電気自動車に5年間で2兆円の開発予算を組むことだけだった。残念ながらトヨタのような電気自動車の販売台数コミットメントはしなかった。やはり電気自動車の販売目標を立てないと見えてこない。

もう少し詳しく書くと、アメリカ市場のみ「2030年に販売台数の40%を電気自動車にする」となっている。アメリカの年間販売台数を100万台とすれば40万台。中国は2035年に販売台数の半分を電気自動車にしなければならないものの、2030年時点での台数を公表せず。おそらく日産に於ける2030年時点での電気自動車生産台数は70~80万台になると考えていいだろう。

ちなみに5年で2兆円という投資額、先日スズキが発表した5年で1兆円という規模からすれば微妙。スズキの場合、トヨタというパートナーが居る。1兆円は自ら立ち上げる電池工場への投資だと思う。日産も「パートナーと協力し、2026年度までにグローバルな電池生産能力を52GWh、2030年度までに130GWhへと引き上げる予定」としているが、今まで協業を見ると上手く行ってないです。

日産の長期ビジョンについてのリリース

私が日産に厳しいと思うかも知れないけれど、本日の株価を見ると長期ビジョンを発表した日産は昨日より5.63%安くなった。これといったニュースの無いトヨタで3.01%安(日経平均が1.63%安)ということを考えると、投資家達も辛口の評価なんだろう。トヨタのようにもう少し具体的な内容を出してくれないと、いわゆる海老でんす(根拠)が無い。上に日産の公表資料をリンクしておく。

今や電池を生産するなら原料の調達から絵を描かなくちゃなりません。

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