日産。予想通り4~6月期は99%の減益。中国激減。アメリカの在庫。ブランドイメージ作り大失敗!

日産が4~6月期の決算発表を行ったのだけれど、予想通り厳しい内容になった。何と99%の減益である。日産は理由として1)ローグなど北米で在庫が増えた。2)北米で売れ筋になっているハイブリッドを持たない。3)中国市場が厳しい、と説明している。現在の日産の状況は『業界天気予報』で紹介した通り。もっと言えば、3年くらい前に解っていたこと。

デザインの劣化も伸び悩みの原因

日産のゆでガエル状況を書いても時間は戻ってこない。今後どうなるかについて考察してみよう。残念ながら現在進行形で対策打てておらず。重要になってくるアメリカ市場向けハイブリッド(高速燃費の良いeパワー)を出すの、2026年になるという。それまでの繋ぎを持って居ないように思う。今後3年間くらい土砂降りの状況になるんじゃなかろうか。

中国市場もデザイン&価格競争力で厳しい

日産は「2026年に販売台数100万台増!」を目標にした「The Arc」という経営計画を発表している。2024年の上半期くらいまでは好調さを維持できるかと思っていた。なのに早くも99%の減益になってしまった。おそらく2024年下半期についちゃ打つ手無し。2024年度の通期で見ると、赤字転落の可能性だって十分に考えられる。というか避けられまい。

実はさらに大きな問題がある。為替レートだ。今まで1ドル=145円としていた想定為替レートを155円にしたという! 為替レートを厳しく見ておけば、円安になった時に収益増となる。為替レートを甘くみておくと、円高に振れたら厳しい! 実際、7月25日は152円になった。円安に振れればいいが、円高に行くようだと加速度的に収益が落ちていく。

3ヶ月間の営業利益はわずか10億円だった(前年同期は1286億円)

円安、自動車メーカーにとっては神風のようなもの。吹いているときに抜本的な対策を打たなければならない。準備不足で神風がやんだら本当に厳しいです。2025年も起死回生の満塁ホームランを打てるモデルは仕込んでないと思う。100万台増やすどころか、2025年時点で中国が大激減するため2023年比で50万台落とす可能性の方が大きいんじゃなかろうか。

2026年の1年で150万台増産出来るかと言えば、例え素晴らしいクルマが作れたって工場キャパシティ無し。2026年のため2025年は150万台の生産キャパを遊ばせておくなんて無理です。おそらく縮小均衡策を取るしかない。資産はゴーン時代に全て換金してしまたっため、ナニか売って”家計”を助けることも難しい。ハンドリングさえ誤らなければ技術力のある会社なのにもったいないす。

誰が悪いかは明白だ。

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4 Responses to “日産。予想通り4~6月期は99%の減益。中国激減。アメリカの在庫。ブランドイメージ作り大失敗!”

  1. アミーゴ5号リボーン より:

    タイトルの「ブランドイメージ作り、大失敗」とは、何とお優しい。武士の情けを感じます。

    でもおいらは、しがない庶民なのでハッキリ言います。

    こんなの、経営陣のマネジメントが全てですわ。役員同士が魑魅魍魎蠢くのような権力抗争を起こし続けて、会社が円滑円満に収まるわけがない。

    日産の凋落は、心ある優秀な社員がどんどん辞め、あるいは辞めさせ、更に残った社員も馬鹿馬鹿しさと虚しさを抱えながら仕事をするものだから、組織として平均以上の仕事ができなくなったのではないかと、勝手に妄想しております。

    日本メーカーにとって円高が追い風なのは、海外販売が好調だからで、それすら無いのだからどうにもならない。

    前回のモビリティショーで、学生のモックアップみたいな展示しかできなかったのは、すでに財政赤信号だったからだと、ますます妄想は膨らみます。

    もはやこれまでの感まみれ。。。
    おそらく中華メーカーもEV失速で資金繰りが良くないだろうから日産買収は苦しいだろうし、あとはトヨタが助け舟を出すかどうかくらいしか、日産浮上の道は。。。

    • アミーゴ5号リボーン より:

      追記です。
      ひとつ、解決策がありました。

      日産が、トヨタ車を請負生産することです。これなら、トヨタ車の納期遅れも解消できるし、日産系列の製造メーカーも仕事が入るから一息つける。

      ひょっとしたらですよ、
      モリゾウさんなら、トヨタから委託生産を申し入れて、日産の面目を保ってあげるかもしれない。でも今の日産には保つ面目すらないし、自分可愛いのろくでなし経営陣は、自力回復にこだわって断るかもしれませんわね。

      おいら、R32スカイラインを新車から25年乗りますた。人生の一番充実した時期に乗り続けますた。今でも忘れられない愛車で、本当にいいクルマですた。

      お願いだから、このまま消えるな、日産!!!

  2. yasu より:

    昔はトヨタ、日産二強で技術の日産を謳い文句に良い
    車が多かったです。
    その時代はトヨタを買う人は車が分かってない人
    って風潮がありました。
    走り屋はケンメリ、ローレルのシャコタン多かったです。
    特にプリンスの桜井眞一郎さんやZの片岡豊さんの有名エンジニアがおられ技術の日産を象徴していました。
    今でもGT-Rという超高性能車がありますし、技術の日産で頑張ってもらいたいです。

  3. トヨタ車ユーザー より:

    想定為替を155円にした矢先、実際に152円になってしまったのだから神風無風というか大和撃沈ですわね。ま、日産は大和を作っていないからそれに相当する車はQX80になるのかナ。

    トランプ氏が大統領になってエコに走らなくて済んだとしても、小型SUVまではHEVは必要ですよね。トヨタはさらにその上のランクル250にまで用意している。三菱にはPHEVがあるのだから”P”を取ってもらって来ればよかった。何のための独自開発したe-powerなのかという話です。

    ”TheArc”前後で株価が上がらなかったという事はこの状況を日産は予想で来てなくて、投資家・投資会社には読まれていた。

    うーん、ルノーの支配から逃れたらいきなり大コケ、とわかりやすい結果ですね。

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