日産「良い話」と「厳しい話」と「なんでやねん!」の話。どうなるのか全く予想付かず~

日産は電動化に向けモーターと減速ギア、インバーターが一体構造となった電気自動車用の『3-in-1』と、そいつに発電機と増速機を加えたeパワー用の『5-in-1』というパワーユニットを開発していると発表した。現在のコストを30%引き下げ、結果的にeパワーがエンジン+ギアの車両と同じくらいになるという。また、高価なモーターに使う希土類も重量比で1%以下に減らせるそうな。

登場は2026年になるという。この年からアメリカで大幅な電気自動車の販売シェア拡大が要求される(海沿いの多くの州で販売台数の35%を電気自動車にせよという内容)。そいつに間に合わせようということです。トヨタやホンダも2026年に次世代のパワーユニットを出すべく動き始めている。「日産だってキッチリやってますよ!」みたいなアピールだと思う。

そんな日産ながら、3月7日に「S&Pグローバル・レーティング社」は日産の投資のための評価を『BB+』というジャンク債に引き下げた。投資不適格というレッテルです。つまり日産が発行する債券はジャンク(ゴミ)になる可能性ありますよ、という判定。ジャンクとされた債券は『フォールン・エンジェル』(堕天使)と呼ばれる。日産の場合、100億ドル規模(1兆3千億円)らしい。

ちなみに日産の債権がジャンク債になるのは2002年以来21年振り。ジャンク債になると開発投資の資金を調達することも難しくなり、厳しい状況になると言われる。過去にはGMやフォードも巨額のフォールン・エンジェルを出しており、資産を売却するなど(フォードは換金できるマツダなど傘下の企業を売りまくった)、何らかの対策が必要になるケース多い。

7日のニュースで株価は急落。コスト低減を狙った電動パワーユニットを発表しても反応していない。さらなる業績回復対策が必要になってくると思う。クルマ業界出身じゃ無いしカーガイでも無い今の社長さんで起死回生策を打ち出せるのだろうか? そして「なんでやねん!」は発売以来1年近く経つARIYAが依然としてフル生産出来ていないこと。半導体不足と新型コロナという。

SAKURAは順調に生産出来ているのに、ARIYAときたら受注停止中。しかも日産のWebを見ると2022年10月から情報更新無し! お客様第一主義の対極にある感じ。日産が今後どういった方向に向かうのか、業界にどっぷり浸かった私でも全く予想出来ない。ルノーとの関係が薄れ、独自路線を歩めるにようになったことも良いのか悪いのかすら不明。状況解るのは2~3年後か?

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One Response to “日産「良い話」と「厳しい話」と「なんでやねん!」の話。どうなるのか全く予想付かず~”

  1. アミーゴ5号 より:

    日産の開発陣は、本当に頑張っていると、ド素人ながらも実感します。

    それにつけてもですよ、
    アリアもZも、日産グループの求心力の源になりうるクルマだと思うのです。そのシンボル的なクルマの生産が滞っているのですから、残念無念。

    まさかですよ、
    「半導体は、サクラ最優先だ。どうせアリアは数が出ないし、懐古主義のZも待たせとけ。日産がトヨタに勝てるのはEVしかない。補助金が出ているうちに、サクラを売って売って売りまくれ〜!」な〜んて経営判断がなされているワケないもんね。

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