日産とダイムラー
るとタイしたことなさそう。大雑把に言えば「それぞれ欲しいアイテムが”少しづつ”あるので、お友達づきあいしましょう」といった感じ。この提携、最も望
んでいるのせっぱ詰まってしまっているダイムラーだと思う。
御存知の通りダイムラーは燃費悪く高額なクルマを売ることで成り立っている。
この2つのコンセプト、エコロジーとエコノミーというWエコの時代を迎え、カンペキに時代遅れになってしまった。燃費基準をクリア出来なければ、高い違反金を支払わなければならず、頒価は一段と高いモノになってしまう。
こらアカンと、ばかり、今までほとんど手がけてこなかったECOカーなどの開発に着手したものの、ご自慢の燃料電池は当面モノにならず、かといってバッテリーもアテがない。モーターショーに出展されているECOカーのバッテリー、調達メーカーの話になるとシドロモドロになっちゃいますから。
そもそもS400で採用しているバッテリー自体、フランスの『サフト』という、技術力と価格競争力で2ラップ遅れくらいのメーカーを使っているほど。ダイムラーがバッテリーを始めとしたECO技術で厳しいという状況、日本のメディアは全く認識出来ていない。ベンツ=凄いなのだ。
S400ハイブリッド用のリチウムイオンバッテリー
また、次期型スマート4シーターの開発も現在進んでいないらしい。ダイムラーは三菱自動車を使うつもりだったのだ(実際、2シーターのエンジンは三菱自動車製)。そんなこんなでダイムラーにとってみると、小型車やバッテリーを得意とする日産の魅力度ときたらキラ星のようだったことだろう。
乾電池をでっかくしたようなカタチですね
日産と仲良くなり世界最高最先端のバッテリーを供給してもらえば、現在手がけているハイブリッド車は全て完成出来る。間もなくデビューするフーガ・ハイブリッドを見れば解る通り、日産NEC製ハイブリッド用バッテリーの性能と来たら爆発的! レクサスと真正面からブツかれる価格設定だって可能。
高価なザフトの円柱型バッテリー使った超ショッパいS400なんか、あっという間に過去のモノになるだろう。昨年のフランクフトショーまでは夢物語だった『S500プラグインハイブリッド』だって余裕で販売出来る。トヨタは猛省することになろう。日産NECのバッテリー、スバルが持っていたのだ。
S500プラグインハイブリッドはレクサスの手強いライバルになる
高額車は高性能バッテリーでやっつける一方、省燃費車も日産の技術でカバー出来る。次期型スマートの4シーターは、当面ルノーのCセグメント(ルーテシア
か?)で凌ぎ、やがてA〜BセグメントもマーチベースのOEMでカバーしてくると考えていい。さらにクリーン・ディーゼル技術まで持ってる!
ダイムラーにとっちゃ日産って宝の箱のようなもの。さて。日産にとってメリットはあるのか? 結論から書くと「ほとんどない」。強いて言えば安定したバッテ
リーの販路になるだけ。ま、EVにイノチを掛けている日産からすれば、バッテリーを買ってくれるというだけでオンの字なんだと思います。
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>強いて言えば安定したバッテリーの販路になるだけ
確かにそうなんですが、高級ブランドのメルセデスが認めたLiイオン電池ということで、他の自動車メーカーにも売りやすくなり、量産コストの引き下げを加速できるので、LEAFほかのEV/HVの価格を率先して引き下げることが出来る、つまりコスト戦略上のメリットが非常に大きいからこそ、ゴーン社長はこの提携をなんとしてもまとめたかったんではないでしょうか。
ご存知の通り、EVの普及阻害の大きな要因の一つはLIBのコストです。
したがって、EVを量産し売りまくるためには、LIBコストを他社よりも早く引き下げるというのが、現時点では最も優先順位の高い事業戦略の一つになるのだと思います。
(これはi-MiEVとの価格競争でも既に証明されていますよね。)
ダイムラーの次は、どのメーカーになるか・・・
それにしても、テスラといい、BYDといい、ルノー日産といい、ダイムラーはやはり電池で苦労してるんでしょうかねぇ。
ワタシ白状します。
日産自動車の少数株主なんです。でも現在はマーチの販売価格の半分くらいのマイナスなんです。それをプラ・マイ0に、さらに黒字転換が適ったら、国沢さんも気になっているという《JUKE》もうとっくに十九の春を3回も送ってしまっているワタシなのですが【人生最後のヒトツ手前のクルマとして手に入れてみるのもいいかも知れない。な〜んて思っている、ワタシ獲らぬタヌキなん_。
この今回の国沢さんのご意見を読ませていただき、ちょいとばかし光明を見た気になっています。
タイ製の今夏発売予定とされる新型マーチも、案外国内生産でないことがデメリットにならなそうな雰囲気も感じているのでこの2010年の日産自動車には大期待です!!!
今日の読売新聞の社説では3社提携を取り上げているが、ニッサンに関しては「小型車での両社の提携に日産が加わる形でまとまった。日産は、ダイムラーのディーゼルエンジン技術や、車台や部品の共通化によるコスト削減効果に注目したとみられる…」と述べ、AESCの電池に関しては何も言及していない。この電池を使ったゼロCO2エミッションのEVがどれほどベンツのCAFEの低減に貢献するか判っていない。