日産EVでブッチ切り

ここにきて日産が電気自動車の生産計画にドライブを掛け始めた。何と! 2012年に世界50万台規模(!)の能力を持たせ、2013年にはルノーと合わせ8車種のラインナップするという。ちなみに今まで明らかになっていたのは、リーフとルノー版のリーフ、そして商用車が日
/ル1車種づつの4車種。

おそらくリーフより大きいクラスと、一回り小さいクラスに、それぞれ日/ル仕様をラインナップするということなんだと思う。それにしてもライバルからすれば「ホンキか?」。バッテリーで苦労しているトヨタやホンダからすれば「大丈夫か?」。実際、現段階に於いてもギョウカイの大半は半信半疑といった感じ。

というのも普通の自動車メーカーが現時点でバッテリーメーカーに行き「電気自動車用のリチウムイオン電池を下さい」と言うと「数にもよりますが、たくさん買っていただけるなら将来的に1kWhあたり15万円まで頑張れると思います」くらい言われる。こらもうサンヨーだけでなく、どこのメーカーでも同じ。

欧米のメーカーは「日本以外でバッテリーを作れる国はないのか?」と韓国や中国を訪ねるも、なかなか厳しい。韓国は国家体制でバッテリーの開発を行っており、性能的にも日本勢に追いつきつつある。ただ信頼性を確保しようとすれば、やはり日本のバッテリーメーカーと同等の価格になってしまうという。

中国のBYDのみ1kWh=6万円程度の見積もりを出してくるようだけれど、これは逆に少数の試作品の価格。生産技術&生産管理の問題をクリアできておらず、量産の見通しが立っていない。しかも直近になって『鉄電池』(燐酸的リチウムバッテリー)の需要急増し、リチウムイオンバッテリーどころじゃない。

そんな中、日産がブッチ切っている。聞けばこれといったトラブルや、乗り越えなければ課題は無し! 予定通り年末にリーフを発売する時点で1kWh=6万円切りをクリア出来ており、2012年度一杯に政府の補助金をアテにせずに済む1kWh=3万円も可能だという。

逆に高性能のリチウムイオンバッテリーが2013年春の段階に於いて1kWh=3万円で買えるなら欲しいというメーカーはヤマほどある。間もなくプラグインハイブリッドの実車走行を始めるスズキあたりもノドから手が出るほど欲しいかと。情報を聞けば聞くほど凄いバッテリーですね、と驚く。

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8 Responses to “日産EVでブッチ切り”

  1. Ito より:

    私は日産が好きなので日産が元気になってくれることは嬉しいですね。
    私もEV関連は詳しい気でいますが、1kWh=約5万円と聞き、たまげてしまったです(笑)
    一説には5万円切るのにあと3年はかかると言われていただけにビックリです。
    この調子で容量単価が3万円まで下がれば、500km走れるEVもプリウス並の価格で出せる計算になってしまうわけですから、ホンダやトヨタもウソー?と言う感じで見てるのかもしれません。
    充電時間やインフラ、空調時の航続距離といった懸念事項はまだまだあるものの、消費者が認めてしまえば、誰がなんと言おうと普及するはずです。
    EVは一回乗ると多くの人が洗脳され、EV信者になります(笑)日産も三菱も試乗できる機会をもっと作れば欲しいと言う人は幾何級数的に増えるはずです。

  2. ケイイチ より:

    また失礼いたします。17世紀の画家レンブラントの作品「夜警」は、永い間・・・タイトル通り?夜の出来事だと思われていましたが。実は真昼に出動せんとする!火繩銃手組合による市民自警団の様子だったのです。隊長の背後にいる、盃(ゴブレット)を手にした黄色いドレス姿の娘さんにも納得。実に意外性のある結果です。日産とルノーが進めるEV車開発にも、世間のバッテリー価格帯を凌駕?しちゃう意外性があるのでしょうね(上手くいくなら大賛成です)。努力している評論家の方々でも詳細の不明点が多いとは?・・・やはりメーカー側の秘匿レベルは高いという訳ですか。いきなり低コストの電池は難しいのですね。1kWhあたり・・電力もクルマの馬力も、kWh表示がすっかり定着しました。お天気の気圧単位・・ミリバールをヘクトパスカルに変えた頃みたいに(これは両者の値がイコールで解りやすいですが)。最近の天候も雪が降ったり意外性だらけです・・ね。 さて、レンブラントによる作品の「テュルプ博士の解剖学講義」という絵は・・博士が医師達の前で、当時の囚人の遺体を解剖している様子です。アムステルダム外科医師会では、年に1体・・処刑された犯罪者の遺体による公開解剖が開かれました。まだ26歳の彼が描いた正確さや知識の評価が高まっていった時代(この作品から彼はフルネームでサイン記しています)です。私達も国沢さんから誰も知らない最新の情報を学べているので、この絵を思い出しました。 それにしても、バッテリーはEVの命。消耗して切れたら死体も同じ、いずれライバル企業は内部構造を解剖して調べる事になるのでしょう(噂の高性能バッテリーなら軍需品としても引っ張りだこ・・かな?)。昔、マツダがロータリーエンジンの未来を託して果敢にル・マンで戦っていましたが、こっちも?かなり気になります(トヨタ技術でロータリーHVを造れませんか?・・無理?)。 オランダ人である「レンブラント・ハルメンス・ファン・レイン」。・・・彼は生涯を通じて自画像をたくさん描いています。彼は緻密な絵柄で時々の精神状態までが描かれているようだと言われますが、これからの時代・・メーカーは?どんなクルマを描く歴史が拓けるのでしょう。良い意味で”意外性”に溢れたクルマの未来になれば幸いです。

  3. 小林 英弘 より:

    2013年というとあと丸3年半後ですが、そんなにEV車作っても3年半でその台数に見合う数のインフラ整備が出来るのでしょうか? 「卵が先かニワトリが先か」じゃないですが、先に全国津々浦々にEV車用の充電ステーションが出来てインフラ整備が準備万端整ったところへ新車のEV車がデビューするのが理想だと思いますが…どうなんでしょう? 東京や大阪なんかの大都市ならある程度デビュー前に充電ステーションが出来るでしょうが、ウチの香川県なんかの地方ではなかなか難しいんじゃないでしょうか? たった3年半ではクルマの開発スピードにインフラ整備が追い付かないと思います。逆にそこさえクリア出来ればEV車が大ブレイクするかも知れません。でもそうなったら欧州車崇拝者の評論家達は「味がない」とか「走る愉しみが感じられない」とか難癖つけてせっかくの世界に誇れる日本発の時代の最先端の技術の結晶をこき下ろすんでしょうね。現行の「日産GTR」がデビューした時みたいに。あぁ嘆かわしい風潮ですね(笑)。

  4. ボル太 より:

    テスラ方式でよければ既に実現していますよ。

  5. MCタイチ より:

    「燐酸的」じゃなくて「燐酸鉄」リチウムバッテリーですね(所謂「LiFePO4」)。これもリチウムイオン電池の一種ですよ。
    実はこれを個人的に自作EV用に買おうとしていて、大体1kWh=4万円くらいです。だから1kWh=3万円の高性能Li-ion電池なんて出たらみんなぶったまげますよ。悠長に構えている同業他社は皆おしまいです。ついでに内燃機関車もおしまいかも。

  6. tm256 より:

    日産はさすがに、社運を賭けているだけあります。
    リーフも予約が予想以上のペースということで、自信を深めてますが、この勢いでドンドン行けば良いと思います。
    スズキの方は、昨日付でスイフトPHV発表してますね。
    注目のバッテリーは、三洋製のようですが、今後AESC(≒日産)製も採用すると面白いですね。
    ただ、スイフトは専用車ではなく、EV/PHVとして最適化されていない気がします。といっても、昨年10月の東京モーターショー以後早く出てくればと思っていたので、朗報には違いありません。
    PHVは元々アメリカが傾倒しているコンセプトですが、日本でも充電インフラの整備が早く進む首都圏や関西・中京などの大都市圏以外の地方では、アメリカと同じようにクルマが無いと生活が困難なので、PHVの方がEVよりも現実的という面は確かにありますね。
    リーフは、23区内と神奈川県の都市部では急速充電器の整備が進んできたため実用上ほとんど問題は無いと見ています。

  7. sahla より:

    電池関係に深く関わっています。
    1kWh=5万円は本当にスゴいです。
    いくら材料のイノベーションがあったとしても、LiFePO4だったとしても、相当難しいレベル。
    日産の隠し球…と言っても、正直それほどのマスを持った材料メーカ、電池メーカがあるのでしょうか。
    疑問は残りますが。
    とは言え、日産ほどの大手自動車メーカが見栄張ってウソをとは思えません。
    何か秘策があるのでしょう。
    そう信じたい。
    ※戦略価格で50万台も出す、なんて、初代プリウスでトヨタがやった赤字垂れ流しは危険だ、ということです。

  8. 那須与一 より:

    二つの北関東の県のディーラーの話を聞くことが出来ました。
    その担当CAらは、実車を見てないのでなじみの顧客へは予約を薦めてないらしいですが、プリウスを乗っている方や今まで大型セダンを乗っている人、やはり50〜60代の新しいモノ好きの方が非常に興味を持っているそうです。
    CAとしては家庭の200V変換工事が10万ですが、各ディーラーと10?20㎞?毎に急速電池を置くのでガソリンスタンド代わりに使って欲しいとのことでした。
    今のところ、100Vで充電できる三菱が優位かもしれませんが、日産は車体情報に充電箇所など表示されるらしいので、充電切れの心配は無いとも言ってました。楽しみですね!

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