日産2024年度は7500億円の赤字見込み。2025年と2026年も巨額の赤字を出すと思われる

日産の2024年度決算予想は800億円の赤字だった。それが7500億円という見込みになっている。私としちゃ完全に想定内です。日産の超甘い為替想定レートより円高に推移し、アメリカでは相変わらず大量のインセンティブ(日本で言う値引き)を投じ、なんとか在庫を減らしていた。そのあたりの事情を知らないメディアは「日産はアメリカで販売台数を伸ばしている」などと報じてましたけど。

日産の赤字は2024年度に留まらない。なんせ2025年度も新車”ほぼ”無し。先日発表したモデル群、間に合うのは日本の軽自動車とアメリカのセントラくらい。しかも軽自動車は三菱の工場で生産されるため、日産の利幅という点じゃ渋い。セントラなんかメキシコ工場だから関税の問題など出てくることだろう。関税ゼロになるとは考えにくい。残るは売れなかった2024年度のラインナップのまんま。

2025年度になるとさらに円高で推移する。10%の円高になるだけで赤字幅は大きく膨らむ。以前「日産が利益を出すまでの間、毎年5千億円規模の投資が必要と書いたけれど、その通りです。2024年度~2027年度の4年間で2兆円以上の赤字を出すだろう。「日産はキャッシュフローが1兆5千億円あるから問題無い」と主張する人もいるけれど、そんなのあっという間になくなってしまう。

ルノーの持ち株を買い取らないといけないし、社債の返済だってある。そして今の日産にお金を貸してくれる組織などない。だからこそのホワイトナイトなんだけれど、さすがに4年間で2兆円を引き受ける余力のある企業となれば少ないと思う。ホンダだって逃げ出した。そもそも今の日産を作り出した社外取締役は残り、どんな仕事してるのか見えない腰掛け外国人の多い体制で行けるのか?

撤退の瀬戸際にある中国は、日産の財政をデタラメにしたスティーブン・マーという台湾系アメリカ人が担当になった。内田さん、マー氏に「君じゃ無いと中国は立て直せない」とでも言ったのか、日本での失敗を全く反省をしていないという。さらにスピード勝負の中国市場ながら、日本と同じノラクラした会議会議会議で急に話が進まなくなっていると聞いた。良いクルマあっても厳しい。

今後どうなる? 可及的速やかにホワイトナイトを決めないと株価ダダ下がり。いかんともしがたい状況になる。株価が300円を割ったあたりが一つの目安だろう。そして今の経営陣は解体的な見直しを入れないとならない。もちろんエスピノーサ社長も含む。マー氏は即刻お引き取り頂く。クルマ好きとしては何とか日産に立ち直って欲しいが、オウンゴール多過ぎ試合になってない。

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2 Responses to “日産2024年度は7500億円の赤字見込み。2025年と2026年も巨額の赤字を出すと思われる”

  1. Jun より:

    某経済評論家は「北米日産はインセンティブ戦略で失敗をした。だから、戦略を転換すれば問題無い。」と言っていました…。
    なぜ、他社に比べても多額のインセンティブが日本車であるはずの日産に必要になったのか?これを無視していて驚きました。
    国沢さんも仰っていたと思いますが、北米日産のブランドは低下し続けています。CRの長期品質調査でも、上位を独占している他の日本メーカーに対し、日産はヒョンデよりも下位が定位置に。品質管理に関しては、日産は米BIG3レベルになっているかと。この残念な真実は、少しずつ北米消費者に広がりつつあります。「日産は日本車だが…」
    僕は残念なんです。
    北米には多くの日産ファンが居ます。彼らは日産車と共に成長し世代を重ねてきている。そんな彼らの”日産愛”を無下にしているのは誰なのか?
    なぜ、このような事になっているんでしょうか?

    ホンダと日産の経営統合(?)記者会見からの流れを観てきて、日産経営陣の米BIG3的とでも言うか、自己保身体質を強く感じています。出てくるクルマも、欲しいと思える”こだわり”が感じられない。広報戦略やデザインは秀逸だなと思う事はあるのですが…。
    「そんな変わったクルマを作っても勝算が有るか判らんし、利益が出たとしても一台当たり僅かの利益で労力を使うのは無駄だ」と、新型モデル開発にケチを付け続けている経営陣が居たりして…。

    国沢さんが良く仰っていると思うのですが「クルマは楽しく無ければ」が重要かと。トヨタの会長は批判を恐れず、敢えてトヨタをその方向に舵を切った。
    日産も他社とは違うプロパイロットと言う強力な”楽しい”武器を持っているのに、Zには載らない。搭載されない理由は分かりますが、パットがサーキット向きでは無いグランドツアラー的な現行Zで、もしプロパイロットが搭載されていたら…。

  2. アミーゴ5号リリボーン より:

    せっかく技術者が腹を括って頑張っても、舵取り役員がそういうザマでは。。。

    おそらく赤字はさらに拡大すると思うし、そんな状況で子会社化を提案したホンダは、漢気があったと思います。

    ゴーン事件直後に日産を離脱した関氏も、今となっては仏様に見えてきました。トランプが大暴れして先が読めない中、台湾のホンハイ内でも日産見切り論が渦巻いているはず。

    今が最後のターニングポイントかも。。。

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