日経は「ダイハツは軽自動車に集中」と報じているが、現時点でそんな話は一切出ていない
日本経済新聞が「ダイハツは軽自動車に集中する」と報じている。ホントか? 私はダイハツ不正問題が拡大した12月15日からトヨタとダイハツの発言を全て追いかけているけれど、そんな話は一切出てないばかりか、一貫して否定しています。同じく「軽自動車をスズキに任せるのか」と毎回質問する記者もいるけれど、どちらも「そこまで考えていない」と明確に否定している。
トヨタ自ら「失敗した」というエティオス
もっと正確に書くと、トヨタとダイハツの再建策の中に、お互いどんなクルマを作って行くかという案件は上がっていない。ダイハツが開発してきた車両を見れば解ります。トヨタはダイハツのストロングポイントについてしっかり説明している。すなわち「トヨタは新興国向けにエティオスというクルマを開発したが競争力を持たせられなかった。ダイハツに任せることにした」。
以後、トヨタは新興国向けのクルマと、AセグをダイハツのOEMにしている。それをトヨタに戻すということはしないと考えていいだろう。じゃなければダイハツの存在異議無し。もっといえば「軽自動車をダイハツに任せる」ということも考えてないハズ。ダイハツに任せたら元の木阿弥ですから。今のクルマの担当はそのままで、トヨタが管理していくことになるだろう。
当面ダイハツの役割分担は今まで通り。スズキとの関係も今まで通りだと考えていい。もっとやらなければならないことがたくさんある。トヨタがダイハツに入っていくことだってそう簡単じゃ無い。ただ2年やってダイハツの体質を変えられなかったら、もしかするとスズキが絡んでくるかもしれないし、Aセグまではトヨタ内部にダイハツを吸収して開発するかもしれない。
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日経よく読むバカになるって言ってる方もいるくらいですもんね
今回のダイハツのやらかしは関係なく数年前にスズキが実質的にトヨタ傘下になってからは、
トヨタ→大型中型車部門、レクサス部門。
ダイハツ→トヨタの小型車、軽自動車部門&OEM担当。スズキ→トヨタがアフリカなどで売る新興国担当、スズキはHV車などをトヨタからOEM化。
軽商用車はダイハツが担当、それをベースにグループはOEM化。
スバルは結局トヨタが助けてるだけで実質トヨタのお荷物状態。生産も開発もトヨタにおんぶに抱っこ。
マツダとはOEM供給と緩い関係で技術協力する。
10年20年先を考えて計画しているのにいまさら変わる訳無いでしょうに。日経は昔から車関係は頓珍漢なことばかりですね。グループ企業のスケールメリットってのをまるで理解していませんね。
トヨタ佐藤社長が、記者へのコメントで、トヨタとダイハツの事業の棲み分けや、軽自動車の難しさ、ダイハツの得意分野に集中するという内容を話していた。直感的に軽自動車集中ととらえる
トヨタから見て、確かにダイハツ・スズキのすみわけを考えなければなりませんが、いまはダイハツが自動車を開発・製造できる会社に戻すことが求められています。
まあ、そのすみわけの話のほうが耳目を引く話なので、今それじゃない的な記事が出てくるんでしょうが。
スズキもダイハツも、国内軽自動車の数倍の規模で外国向け車両を作っていて微妙に販売地域も被らないので、いまのままのすみわけで得意な商売をやってくれてもいいと思います。
とはいえ、BEVの普及が遅れていると言われた日本で、軽商用車というニッチなところにホンダ・三菱・トヨタ系の商用軽BEV3車種がいきなり出そろうところだったのだからすごい話ではあります。