最新型燃料電池
トヨタの先進技術発表会に2015年の発売を予定しているという燃料電池自動車があった。燃料電池の完成度からすれば「素晴らしい!」と言うしか無い。試乗レポートはオートックワンで来週半ばにレポートします。私のWebは少しマニアックな内容を。燃料電池の燃料である水素について紹介しよう。
最も気になるの、水素を700気圧にするために必要なエネルギーだ。水素を販売することになる石油会社の人に聞いてみたら「正確な数字はちょっと」。機密らしい。といっても気体の圧縮って物理的なモノなので、大雑把な数字から計算できる。ただ石油会社なら特殊なノウハウもあるんじゃないかと期待した次第。
「燃料電池車が100km走る水素の圧縮に10kWhくらいのエネルギー使うというウワサもありますけど‥‥」。10kWhあれば電気自動車が90km走れる。聞き出した数字は予想通り2kWhくらいらしい。つまり燃料電池車を400km走らせる水素の圧縮に8kWh(電気自動車なら70km走行可能)使うということ。
石油会社は石油の精製時に大量の水素が出来てしまう。こいつを精製して使えば
(石油精製時に出来る水素は不純物も混じっている)、水素を作るときに必要な電力は考えないでいい。したがって8kWh使って4kg分の水素を圧縮しても
何とかペイ出来そうな気もする。石油精製時に出る水素、タダですから。
もちろん水素作るのに電気分解を使っていたら効率でお話にならない。だったら電気分解に使う電気をそのまま使って電気自動車を走らせるべきだ。熱を使って水素を取り出す方法も、熱を作るエネルギーで内燃機関を稼働させた方が効率良い。燃料電池車で使う水素は、廃棄または燃やしている分に限られる。
また700気圧を貯めるタンクを見てウナる! 上の写真が実物。カーボンの積層になっており、超ブ厚い! こら高価だと思う。やはり燃料電池は据え置きと
し、パイプで気体の水素を運んで使うのがベストだと考えます。据え置き型の燃料電池で作った電力で電気自動車を走らせるのもいいと思う。
石油精製や鉄鋼など水素を発生する工場の近隣にパイプラインで都市ガスと同じく気体の水素を送る。マンションなどに燃料電池を置き、そこで家庭用や電気自動車用の電力を作るという方法です。トヨタの燃料電池は定格で80kW程度。20戸入ったマンションの電力を作れてしまう。
夜間は20戸で
10kW程度の使用量に落ちてしまうため、20台分の電気自動車の充電が可能。燃料電池システムの価格を400万円としても10年使えば40万円。20戸で分担すると年間2万円+水素代高くて10万円。普通の家なら電気料金+ガソリン代で年間30万円程度の負担になっているかと。
家計の負担は安くなるし二酸化炭素排出量だって大幅に減らせられる。燃料電池の使い方としちゃベストだと思う。されど自動車メーカーの燃料電池開発担当者の皆さんは「乗用車用に開発した燃料電池だから乗用車用以外に使いたくない!」という原理主義者ばかりだった。現在のトヨタは少し違う?
ちなみに本日メディアで盛んに報じられている『トヨタも自動運転』の技術は、すでに販売しているベンツEクラスのアダプティブクルーズに届いていない。一般メディアの記者さん達って素直だ。
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