本日の「悪くないこと」と「最悪なこと」を聞いてください

先日来、プジョーの電気自動車が突然止まるという件を取り上げてきた。どうやらステランティスは日本の古い決まりである「リコールは対策部品が無いとできない」と思っていたらしく、ディーラーでもユーザーにリコール対応について的確な情報を伝えれなかったようだ。確かに以前は対策部品無しでのリコールについちゃできない、という暗黙の了解事項などあったと思う。

リコール発表

しかし国交省も従来の自動車メーカーに対する懲罰的な位置づけから、ユーザー保護を重視する本来の運用を始めている。実際、bZ4X とソルテラのリコールは対策部品無しで発表された。ステランティスの電気自動車は走行中突如止まるという事故に直結するトラブル。加えて昨年から問題になっていた。ユーザー保護の観点からすれば当然の如く素早く行うべきだった。

今回ある筋から私の記事がリコールを早める一助になったと聞き安堵している。ディーラーにとってもリコール発表となれば、苦しい言い訳をしなくて済む。丁寧に対応すればフランス車乗りって多少のトラブルは許す広い気持ちを持っている。これで良い方向に向かうと考えます。ステランティスの広報からもリコールを発表した件の連絡がありました。自動車好きにとっちゃ悪くない話かと。

最悪なことは私のラリーです。泣き言を聞いてください。今回チームのGRヤリスは初グラベルということで、仕上がったのはクルマを北海道に送る日、当然ながらセッティングなどもしていない。速いクルマにするべく新しく使うパーツもいくつかあります。そんなことから土曜日はシェイクダウンのつもりで走った。とはいえ80%くらいの乗り方したので、そこそこタイム出るハズ。

写真/西尾タクト

なのに丸出ダメ男。いろいろ工夫するのだけれど、タイムが出ない。GRヤリスでこんなタイムしか出ないならラリーやめなさい、という遅さ。ちなみに今回もロールケージが間に合わずオープンクラスでのエントリーです。日曜日の午前中は1つ目のSSで何とかクラスTOPのタイム出したけれど、そんなんじゃ全日本クラスだと勝負にならない。久しぶりに落ち込む。

すると昼のサービスでいろんなことが判明しました。新投入アイテムの使い方、私にもチームにも教えて貰ってなかったのでした。結果、SSを走る時に切るべきトラクションコントロールとABSが生きていた! トラクションコントロール、上手に制御するため稼働しているのに気づかず。午後のSSをトラクションコントロール切って(ABSは切れず)走ってみたら突如早くなった! 

午後のSSは3本。オープンクラスで勝負すべく攻める! すると最後のSSで1位を走っていたランサーがメカニカルトラブルで止まっている。3位は少しタイム差あるため、安全運転に切り替える。そんな状態でSSフィニッシュから500mの地点にさしかかったら,突如「どかん!」。何がなんだか解らず急減速&コントロールできず停止。エンジン掛かっているも動かず。

なんだろう、と思って走ったラインをチェックしてみたら、こんな大きな穴が! 後でオフィシャルに聞いたら「誰も知らなかった。解っていたら対策していたのに」。どうやら枯れ木などで覆われていたようだ。レッキの時も気づかず。ただ代償は大きすぎた。クラス1位確実だったため抑えて走っていたし、ゴールまで500m。お話にならないようなミスだ。不運かもしれませんが。

こんな穴に落ちたのだからクルマは只じゃ済まないと思う。情けないやら悲しいやら辛いやら、チーム&一生懸命メンテしてくれた皆さん申し訳ないやらで、この20年間で最悪の落ち込み具合です。これを書いていても様々なモノが頭の中を巡る。直前までGRヤリスが思い通りに走るようになって最高の気分でした。絶頂からどん底への落ち込み具合たるや絶壁状態。しばらく反省の日々です。

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