東名道で追突した”ながら運転”のタイプR、なぜ自動ブレーキが稼働しなかったのか?
東名道でワンボックスカーにシビックタイプRが追突した事故、いろんなメディアで取り上げられている。動画を見たシロウトさんの反応の多くは、シビックのドライバーに対するバッシングだ。完全なる脇見運転(スマホを注視していたという情報もある。動画で解析されるだろう)で起きた事故なので当然の反応だと思う。ただ自動車業界的な印象は違う。
今回の事故を受け、自動車業界的に考えるべきは3つある。一つ目が「なぜADAS/自動ブレーキが稼働しなかったのか?」だ。動画を見る限り完全なノーブレーキで突っ込んでいる。考えられることは「ADASが付いていなかった2017~2020年に販売されていた前期型か、タイプRに付いているADASの作動適用外だったか」です。ADAS、当時でも普及していた。
欧州仕様のタイプRに前期型から装備されている。ADASが付いていれば防げた事故か? 残念ながら速度差が大きいと止まりきれない。今回のようにノロノロ走っている先行車を検知して停止出来る速度は、高い性能を持つモデルで80km/h程度。さらに速度出ていればADAS付きでも止まりきれなかったと思う。ただ決定的なダメージを受けない速度までは落ちる。
先代の前期型
動画だと細かいグリルの形状が解らないため前期型か後期型か判別出来ないけれど、後期型ならADAS付き。それでもADASによっては高速域で稼働しない制御のモデルもある。高速域で誤作動すると追突事故の原因になるためだ。いずれにしろ現在販売されている最も優れたタイプのADASなら、今回のようなドライバーのミスによるダメージを最小限に出来ると思う。
二つ目は「この速度で追突してゼロ歳児を含む6人がよく助かりましたね」。普通、フルラップ衝突の衝突試験は55km/hで行う。今回の事故は明らかに80km/h前後の速度からノーブレーキで追突している。なのに追突されたワンボックスの乗員も、シビックに乗っていた0歳児を含む男女2人も命に別状無い(ワンボックスの方のムチウチが心配です)。衝突安全技術関係者に敬意を示したい。
たまにバスに乗るとスマホ運転してる輩の多さに驚く
三つ目に「こういった事故を防ぐことが出来ないのか?」。人間、必ずミスをする。現在進行形でスマホ操作しながらの運転は禁止されている。なのに日常茶飯事のように見かける。とはいえ残念ながら自動車側でスマホ操作を防ぐ技術は難しい。ここは中国のように監視カメラ網を作り、AIでスマホ運転をチェックするのが最もリーズナブルかと。
カメラとAI技術が進化しているのに、警察は駐車違反の取り締まりにする導入する気も無し。関東で一番走りにくいと言われる青梅街道など、路側帯の無い場所に監視カメラ置いて駐車違反を取り締まれば渋滞減るし、違法駐車を避ける自転車が車道側にはみ出してくる危険運転だって減る。自動車業界は技術を取り入れるが、残念ながら警察は「オイコラ精神」のまんまです。
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