沖縄で行われている自動運転の実証試験、高齢者のアクセスに最高の方法だと私は思う

2月1日~3月31日まで沖縄の北谷という場所で『美浜シャトルカート』という自動運転車を使った有料での実証実験が行われている。私はこのタイプの自動運転車こそ高齢化が進み、地域の移動環境が悪化した時の最適の解だと思ってます。今回の実証実験は海沿いの観光地を通るコース。写真の通り人通りの多い歩道みたいな場所も走るという文字通り実証になりそう。

使われている車両はヤマハのゴルフカートのような電動4輪車。驚いたことに乗用5ナンバー。経産省のプロジェクトにつき、こういったクルマでもナンバーを取れるのだろう。本格運用する場合、ゴルフカートは経済性や耐久性、快適性で不適格だと思う。スライドドアの電気軽バンがベストかと。エアコン付いているし安全性だって高い。コストも後述の通り安価だ。

自動運転のシステムは超シンプル。ゴルフ場や工場の無人走行車と同じく路面に誘導線を埋め込む。車体側で誘導線を探知してトレースしていく。速度低ければ脱線しない。インフラ投資だって最小限で済む。ただ降雪地域は少しばかりアイデアが必要になってくるかもしれません。ちなみに電気軽バンは電動パワステ。ブレーキもアダプティブクルコンのハードを使える。

誘導線を走らせようとすれば超簡単です。誘導線のメリットはフルターンのような急カーブだって簡単にライントレースをできることにある。高齢者のいる地域こういった誘導線を埋め込めばOK。ゴルフ場だと10kmくらい埋めることも普通に行われているため、大きな問題はないと思う。リクエスト受け、監視カメラをつけた無人走行車を目的地まで移動させればいい。

美浜シャトルの面白さは、前方にライダーを付け、誘導線の無い場所も自動運転できる機能を加えていること。車速は19km/hまでしか出ないため、前方のライダー一つでコースや歩行者などの関知が可能。実証実験の走行を見ていたら、歩行者は上手に対応していた。動画を見ても解る通り人通りの多い遊歩道みたいなところを走らせている。人通りの少ない地域なら余裕かと。

下もコース。ここは一般車も走る。誘導線をトレースする区間になっており、ここで様々な状況での対応ノウハウを得られると思う。また誘導線上に駐車車両などあったら、遠隔操作で車速を極めて抑えれば十分に避けられるかと。現在は実証試験ということから監視ドライバーを乗せているが、車速を10km/hくらいまで抑えればライダーによる緊急停止で十分安全を担保できそう。

誘導線を埋め込む区間

スズキやダイハツは大手メーカーのような自動運転の技術を構築することなどできないと思う。だったら早めに攻め方を変え、商用バンをベースにしたシステムを構築すればいい。その方が社会貢献になるし実用的だ。コスト的にも軽バン+誘導線センサー、ライダー1つ分くらいで済む。ゴルフカートよりずっと安く、信頼性や耐久に優れる。エアコンだって付いてます。

誘導線の無い場所も走行可能

なんで軽バンの自動運転車が出てこないのかといえば、スズキやダイハツは「それじゃ技術力をアピールできない」と考えているんじゃなかろうか。常識的に考えたらゴルフカートより軽商用バンの方がずっと安価。車検だってゴルフカートで乗用5ナンバーが取れるなら全く問題無し。しっかり作れば素晴らしいラスト1マイルの移動手段になると思う。

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One Response to “沖縄で行われている自動運転の実証試験、高齢者のアクセスに最高の方法だと私は思う”

  1. 鬼塚政佳 より:

    沖縄の件、興味深く拝見させて頂きました。

    福岡県みやま市では2021年から自動運転車両が高齢者の脚として活躍しているようです。

    以前、みやま市を通りがかった時に見かけた事がありましたが、利用してる方もそれなりにいらっしゃるようです。

    参考情報として共有致します。
    https://www.city.miyama.lg.jp/s006/kurashi/140/jidouunten.html

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