自動車産業に於ける我が国の中国市場、今後しばらく有望になってきた。ただ尖閣問題がトリッキー

休日のため月曜日のネタ話を。御存知の通り中国は我が国の海上保安庁に相当する中国海警局の警備艇に対し武器の使用を認めるなど尖閣へのプレッシャーを強めてきた。私を含めほぼ全ての国民は”中国嫌い度”を増加させたことだろう。一方、中国は日本にとって経済面で大きな存在になっている。貿易+貿易外収支の合計金額を考えたなら、アメリカの半分程度の存在か?

自動車産業に絞って考えたい。出揃ったコロナ禍に於ける2020年自動車販売台数を見ると興味深い。まず最も売れたのは2527万台の中国! 続いてアメリカで1450万台。その次はEU(26カ国)となり994万台。我が国が460万台。注目すべきは中国の台数。細かく分析すると、大雑把に言って60%が日米欧ブランドとなっており、クルマの嗜好性としちゃ限りなくアメリカに近い。

つまり1700万台が資本主義諸国にとっての台数になるのだけれど、実際に動くお金はその半分。というのも中国に進出する際の資本割合は企業半分の中国政府半分と決まってます。したがって資本主義諸国側の金額規模で考えたら850万台。2527万台という世界最大の自動車販売国になった中国ながら、日米欧の自動車産業からすれば、アメリカが大きく、EUと中国は同等です。

遠からず3000万台市場になると思うけれど、伸び分の大半は中国資本の自動車メーカーになるだろう。そんな中、中国で一人勝ちの状況になっているのがトヨタ。何と! 2020年の販売台数はず~っと中国で圧倒的な販売台数を記録していたVWを抜いてTOPになった! 新型コロナ禍の中で11%伸ばし180万台を売った(ホンダも5%伸ばして163万台)。

トヨタとホンダ、うまく挽回出来たら日産を含めた「フルハイブリッド技術を持つ自動車メーカー」は、2030年に向け伸びるポテンシャルを持つ。というのも中国政府が「2030年に50%を電気自動車。50%をフルハイブリッドにする」と決めたからだ。コストパフォーマンス高いフルハイブリッド技術を持っているのはトヨタとホンダ、日産だけ。欧米中は電気自動車に注力するしかない。

といった点から見ると中国は2030年まで日本の自動車産業にとって伸び代のある大きな市場ということになります。そんな状況の中での尖閣問題だ。現在、日本にとって中国とのトラブルは尖閣だけといってよい。できれば田中角栄さんと周恩来さんが約束した「尖閣問題は次世代に決めて貰おう」という先送りを継続したらいい。漁業資源にとっても産卵&育成場所になって好ましい。

でなければ尖閣のために中国市場を失う覚悟を決めるか、です。

 

<おすすめ記事>

コメントは受け付けていません。

このページの先頭へ